「閾値」は国語の授業では習わない言葉
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閾値の「閾」は「表外字」に区分される漢字です。「表外字」とは、文部科学省が一般の社会生活で用いる漢字として定めた常用漢字表には含まれていない漢字のこと。
高校の学習指導要領でも、教える目標になっている漢字はすべての常用漢字までです。そのため「閾」は、今まで目にしたことすらないという人も珍しくないかもしれませんね。
そんな「閾」の字を使う閾値を覚えられたら、かっこいいですよ。意味や使い方を習得して、周囲に差をつけましょう!
「閾値」の意味は「何かが変わる最小の値」
「閾値」の本来の読み方は「いきち」です。しかし、近年では「しきいち」と読む慣用読みも多く用いられています。
「閾値」の「閾」は「しきい」「しきみ」という意味の漢字です。「しきい」というのは、門やふすまなどの敷居のこと。中と外を明確に分ける境界線を意味する言葉です。
「値」は「あたい」「ねうち」「数の大きさ」を意味します。
「閾」と「値」を組み合わせた「閾値」は、次のような意味をもつ言葉です。
・生体に何かの反応が起こる最小の刺激
・いつもどおりの生理的対応ができなくなる最小の負荷量
わかりやすくいうと、閾値は結果が変わる境界線になる値です。
たとえば、仏の顔も三度までということわざなら、三度が閾値です。一度でも二度でもセーフですが、三度を超えてしまうとアウト。三度でも四度でも五度でも怒られるという結果は変わりません。
沸点も閾値のひとつです。100℃を超えると水は沸騰して気体に変わりますが、100℃になるまで水は液体のままで変化しません。
IT用語の「閾値」は「条件分岐の境界値」
IT分野での「閾値」は、条件が分岐するギリギリの境界値のこと。プログラム制御で、どのように動作させるかを決める値として用います。
たとえば、スマホの電池残量が15%になったら省エネモードに移行するようにプログラミングされていたとします。この場合、15%が閾値になります。
「閾値」の使い方・例文
閾値は「何かが変わる最小の値」を意味する言葉です。文脈によっては、最小値よりも限界値と解釈するほうがニュアンスを理解しやすくなる場合もあります。
ビジネス会話では閾値をどのように使うのか、シチュエーションをイメージしながら例文を読んでみてください。
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覚えておきたい「閾値」の類語
閾値は、日常生活ではまず使わない難しい漢字を使用する言葉なので、話している相手に通じないケースもあるかもしれません。
そんなときは、わかりやすい言葉に言い換えてあげましょう。
限界:超えることができないぎりぎりのところ
限界値:限界の値
境界:さかい
境目:さかいになるところ
伝えたいニュアンスに近い用語を選んで使ってください。
「閾値」は英語でどう表現するの?
閾値を英語でいうときは、次のような表現が使われます。
threshold
threshold level
threshold value
つづりが長い単語でちょっと難しいですが、ビジネスで英語を使うときに備えて覚えておくことをおすすめします。
「閾値」は学術用語で難しい?否!意外に簡単
閾値は、生化学や心理学でも用いられている言葉です。学術用語と聞くと難しそうなイメージですが、ビジネス用語として使用する閾値はそんなに小難しい言葉ではありません。
ビジネス用語の閾値は、わかりやすくいうと何かが変わるギリギリの境界値のことです。アウトとセーフの境界線のように、ちょっとずれると結果が変わるのが閾値。
簡単ですよね。身構えずに、会話の中で閾値を使ってみましょう!