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「あしからず」はビジネスシーンでは極力使わないのがベター(意味・使い方・語源を紹介)

「あしからず」はビジネスシーンでは極力使わないのがベター

単刀直入に言ってしまえば、「あしからず」はビジネスシーンにおいて極力使わないことがベターです!

使って良いか分からないから、とりあえず使わないと言うことではなく、そこにはしっかりとした理由があるのです。

「あしからず」は本来、悪いとはわかっているが、どうしてもできない、やむを得ない状態を表した言葉です。この意味合いであれば、相手に対して失礼にならないと感じますが、ビジネスシーンで使う言葉として適していません。

なぜ適していないのかというと、「あしからず」と言う表現自体を”悪い意味”として捉えている人が多いから・・・。あしからずは漢字で書くと「悪しからず」となります。「悪し」とは”気分が悪い”や”悪く思う”との意味を持っている言葉。「あしからず」自体にまったく悪い意味はないのですが、「悪し」という言葉の印象によって、そのまま悪いイメージを抱いている人も少なくないのです。

特に注意したいのは、目上の人に使用する場合です。あなたが、部下や目下の立場であるのなら、「あしからずご了承ください」と丁寧な言い回しをする必要があります。

「あしからず」はあえてビジネスシーンで使用する必要はありません。そのため、無駄な誤解を回避したい人は、「ご希望に沿えず」と言う言葉を使うことで、「あしからず」と同様に意向に沿えない気持ちを表すことが可能です。

「あしからず」はビジネスシーンで極力使わないほうがベターな理由
①表現自体を”悪い意味”として捉えている人が多いから。
②「ご希望に沿えず」と言う言葉で代用できるから。

「あしからず」をビジネスシーンで極力使わないほうが良い理由や正しい使い方をさらに掘り下げて見ていきましょう。

「あしからず」は気をわるくしないでという意味

「あしからず」は”気を悪くしないで”という意味の言葉で、”相手の意向に沿うことができない”状況で使われます。

本来は悪い意味を持たない表現ですが、「あしからず」は”です・ます”などで終わらないため、言われた側は唐突な印象を受けることも多く、中には「私のほうが目上なのに失礼な部下だな」と感じることも・・・。

「あしからず」自体はビジネスシーンにおいて、話し言葉としてもメールでも使用できます。しかし、表現自体に良いイメージを持っていない人が多いのも事実であるため、その人との関係性や使用する場面に注意する必要があります。

「あしからず」のビジネスシーン以外での使用例

あしからずは「気を悪くしないで」や「相手の意向に沿うことができない」などの意味として使われます。そのため、”予定の変更”や”お断り”など、相手に対して申し訳ない心情を表す言葉として使うことができます。

ビジネスシーンでは極力使わないほうがベターな「あしからず」ですが、例文を知っておくことで重宝する言葉に早変わりします。

「あしからず」の例文

「あしからず」は日常生活で使用できる便利な表現です。さっそく「どうぞあしからず」「どうぞあしからずご了承ください」の2つのパターンを使った例文をご紹介します。

「どうぞあしからず」を使った例文

「所用があり、そちらに伺うことができません。どうぞあしからず。」
⇒相手の意向に沿うことができない場面で使うことができ、「どうぞあしからず」を付け加えることで、より丁寧に断りを入れることができます。

「運転中で電話に出られませんでした。どうぞあしからず。」
⇒相手の意向に沿うことができなかったとの想いを「どうぞあしからず」を付け加えることで丁寧に表した例文です。

「どうぞあしからずご了承ください」を使った例文

「数量に達した際は、お買い求めいただけません。どうぞあしからずご了承ください。」
⇒数量限定商品などを販売する際によく目にする表現です。販売している商品が数量に達した際にはお買い求めいただけない、やむを得ないという状況に対し、「どうぞあしからず」を付け加えることで、”気を悪くしないでください”との想いが丁寧に表現されています。

「あしからず」の類語

意味を知っておくと便利な「あしからず」ですが、類語はあるのでしょうか?

「あしからず」は“気を悪くしないで”との意味を持つため、似ている表現として使える言葉は存在します。

★「あしからず」の類語
意義素 類語の種類
相手の意向に沿うことができない表現 ・あしからず
・申し訳ありませんが
・ご希望に添えず恐縮でございますが
気分を害さないように使う表現 ・ 気を悪くせずに
・ 悪く思わないで
・ 悪く思わずに
・お気になさらず

「あしからず」を使用せず類語で対応することも可能です。

【コラム】あしからずの雑学

今回のテーマとなっている「あしからず」ですが、漢字で書くと”悪しからず”となるため字面によって悪いイメージを持ってしまう人もいます。

また、「~のため、あしからず。」と、”です・ます”や”である・だ”で終わらないため、歯切れが悪く感じる人もいるでしょう。

「あしからず」と言う言葉の意味や使い方をしっかり押さえていただくことはもちろん、語源や成り立ちについても知っておくことで、より一層「あしからず」についての知識が深まります。

ここでは「あしからず」に関する知って得する雑学をご紹介したいと思います。

「あしからず」の語源

「あしからず」の語源は、形容詞「悪し」の未然形である「悪しから」に「ず」がプラスされた言葉です。 否定や打ち消しの意味を持つ「ず」が加えられているため、”悪くないように”という意味合いの言葉となっています。

あしからずは「あしからずご了承ください。」ではなく、「~のため、あしからず。」と唐突な感じで文章を終わらせる言葉であるため不思議な感じを受けますが、実はこれ、わざと中途半端な部分で区切って、使われている言葉なのです。

この中途半端な部分で区切って話を終わらせる表現方法をひもとくには、なんと江戸時代まで遡る必要があります。

江戸と言えば江戸っ子!江戸っ子と言えば””を思い浮かべる人も多いでしょう。

「あしからずご了承ください。」という決まり文句から、あえて”ご了承ください”を外し、「あしからず。」と短く表現するのは、そんな江戸っ子の”粋”の一つから生み出された使い方だと考えられています。

私たちが日常生活で目にしたり使っている「あしからず」は、江戸っ子の”粋”と深いかかわりを持つ言葉。そう考えると、中途半端で歯切れの悪い感じがする「あしからず」と言う言葉も”かっこよく”思えてきませんか?

「あしからず」を英語で言うと

グルーバル化や海外からの観光客の増加など、私たち日本人はこれまで以上に外国人との接点が増えてきています。

中には同僚に外国人がいるという人も少なくないでしょう。そんな外国人に対して、”気を悪くしないで”と言う意味の「あしからず」という表現を伝えたい場面がいつか訪れるかもしれません。転ばぬ先の杖ではありませんが英語での表現は知っておいて損なしです。

MEMO
「あしからず」を英語で言うと”I hope you will not take it amiss”となります。

そのほかにも”Sorry(すみません)”や”Forgiveness(許し)”、”Apology(容赦)”などに置き換えることができます。

「あしからず」を使用した文章表現を見てみましょう。


・「所用があり、そちらに伺うことができません。どうぞあしからず。」
⇒”I am deeply sorry I can not pay you a visit due to business matters.”

・「運転中で電話に出られませんでした。どうぞあしからず。」
⇒”Because I am driving, I can not answer your call. Forgiveness.”

・「数量に達した際は、お買い求めいただけません。どうぞあしからずご了承ください。」
⇒”Because we ran out of stock I am affraid we can not fulfill your need. Please accept our apologies.”


「あしからず」を上手に活用するためには日本語での正しい使い方はもちろん、英語で表現する方法も押さえておくと良いでしょう!

「あしからず」は日常生活で使える便利な表現!

ビジネスシーンでは極力使わないほうがベターな「あしからず」ですが、相手の意に沿えない場合や、気分を害さずに断りを入れたい時に使える非常に便利な表現です。

「あしからず」の意味や正しい使い方を覚え、適切な場面で使えるように準備しておきましょう!

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