「深謝」とは「深い感謝」or「深い謝罪」という意味
深謝申し上げます
言葉を知らなくても字面から何となく意味の予想がつくのではないでしょうか。
「深謝(しんしゃ)」とは「深い感謝」という意味です。中国語っぽく見えますが立派な日本語。堅い表現なので日常で使うことはあまりないかもしれませんが、フォーマルなシーンでは活躍する言葉です。
また、「深謝」の「謝」は「謝罪」の「謝」でもあります。「深謝」には「深い謝罪」という意味も。
「深謝」の使い方・例文
「深謝」の具体的な使い方を例文を通して見ていきましょう。
・生前のご厚情に深謝し謹んでご報告申し上げます ・皆様のご支援、ご愛顧の賜物と深謝申し上げます ・多大なるご迷惑をおかけしたこと心より深謝致します
「深謝」は単なる「感謝」では伝えきれない思いを込めた表現。そのため、死亡通知にも使用されます。故人に代わって生前お世話になった人に人生丸ごと分のお礼を述べるという意味合い。
お店や会社が顧客に送る書面やメールでは、周年・創立記念や閉店・廃業する際に使用されます。
それだけ「深謝」は「深い感謝」を表す表現なので、軽々しく使うものではありません。
「深謝」は「謝罪」よりも「感謝」の意味で使う方が多いように思われます。しかし、「謝罪」の意味でしか使えない場合もあるので注意。
熨斗(のし)の「深謝」
熨斗は冠婚葬祭やお礼、謝罪の際に送る飾り付きの包装です。一度は使ったことがあるのではないでしょうか。
熨斗には、「御礼」や「内祝」などシーンに応じて添える一言(表書き)があります。
お礼の際に「深謝」を使ってしまいたくなりますが、熨斗の「深謝」は「謝罪」のみ。最上級のお詫びの表書きとして使用します。
「深謝」の類語
「深謝」と同じように「感謝」や「謝罪」を表す表現はいくつもあります。普段あまり使わないけど知っておくと何かと役に立つ「深謝」の類語表現を集めました。
・拝謝(はいしゃ) ・陳謝(ちんしゃ) ・奉謝(ほうしゃ)
「拝謝」の意味は「感謝+謙遜」。へりくだってお礼を述べたい際に使用するフォーマルな表現です。主に書き言葉であり、手紙やメールで始まりや結びに使われます。
平素何かとご高配いただき、拝謝いたします
「陳謝」の意味は「謝罪+説明」。「陳謝」は事情や謝る理由とあわせて述べる必要があります。
この度の騒動について陳謝させていただきます。原因は~であり、この背景には~。
「奉謝」は「神仏+感謝」。「奉謝」の意味は単に「お礼を申し上げる」ですが、寺社仏閣で使われることの多い表現です。祝いや供養のためのお祭りは「奉謝祭」。「御奉謝」で「おびしゃ」と読む場合もあります。
「深謝」の英語表現
「深謝」は英語ではどのように表現できるのでしょうか。
I truly thank you from the bottom of my heart ⇒深謝申し上げます
「thank」の前に「truly」を付けることで「深謝」を表しています。他にも「deeply」「deepest」でも心からの感謝を表現可能。これらは口語でも使用できます。
「深謝」はいざというときに
「深謝」は軽々しく使う表現ではないので、使う機会はなかなか見つけられないかもしれません。とはいえ、感謝や謝罪を言葉で伝えることは重要です。
使い慣れている「ありがとう」や「すみません」「ごめんなさい」はこれからもどんどん使っていきましょう。