「重複」も「重複」も「重なる」の意味
「重複」の意味は「重なる」。「物事が被る」という意味ですよね。では、読み方はわかりますか?
「重複」の読みもわかるよという人は「重畳」は読めますか?そして意味は…?その辺を解説していきます。
「重複」は何と読む?
テレビや雑誌等のクイズコーナーで散々扱われたので、多くの人が「ちょうふく」と読むことができるのではないでしょうか。
ですが、2003(平成15)年に文化庁が行った「国語に関する世論調査」では70%以上の人が「じゅうふく」と読み、正しく「ちょうふく」と読めた人は20%という結果に。使う人の多さから「じゅうふく」も認められています。
しかし、およそ10年後に行われた同様の調査では割合が逆転したとのこと。この原因はクイズ番組…かどうかはわかりませんが、なんにせよ正しい読み方が広がるのはいいことですよね。
「重畳」の読み・意味は?
「重畳」は「ちょうじょう」と読みます。意味の一つ目は「重複」と同じく「重なる」。
見たことも聞いたこともないという人も多いでしょう。現代においてはあまり使われない表現なので当然です。
「重畳」の「畳」にも「重なる」という意味がありますが、床に敷く「畳(たたみ)」とも読めます。
古来、畳は庶民には使えない高級品。それが重なるほどあるということは「喜ばしい」ですよね。「重畳」の二つ目の意味は「この上なく喜ばしい」です。
「重複」「重畳」の使い方・例文
「重複」「重畳」の読みも意味もわかったところで、実際の使い方も見ていきましょう。
・重複している展示品を処分する ・話が重複してわからないから、いったん整理してほしい ・重複した申し込みは無効となります ・重複したデータを削除する ・遺伝子組み換えの異常により、遺伝子重複が起こる可能性がある
「物」だけではなく、「話」や「データ」など形のないものにも使うことができる「重複」。物理的に重なるというよりも、「同じ物が2つ以上存在している」という意味の「重なる」として使用されます。
「遺伝子重複」といった専門用語としても「重複」は活躍。
・資料が重畳してしまったので回収した ・重畳とした山々を見て心が躍る ・重畳な知らせをありがとうございます ・重畳至極(ちょうじょうしごく)である
「重畳」は「重複」と同じように「物」や「データ」などが複数ある際に使用することができます。とはいえ、あまり使わない表現なので「重複」を使った方が無難。
重なり合った山々や雲などの大自然を「重畳」で表現することも。文学的に表現したい際は重宝する言葉です。
「重畳」のもう一つの意味
「重畳」には「重なる」以外に、「大変喜ばしい」という意味があります。
こちらも現代ではそれほど使う表現ではありません。見聞きするのは小説か時代劇くらいでしょうか。
パーティーや結婚式などの挨拶のようなかしこまった場では使うこともあります。また「重複」と同じで学術的な用語としても残っているので、意味だけでも覚えておきましょう。
目上から目下への言葉?
時代劇で耳にしたことがあるかもしれない殿様のセリフ、「重畳至極」は喜びを表現しています。「重複至極」は耳障りがよく、使いたくなりますが、これは目上から目下へ使う言葉。現代で使うと失礼になるので注意。
「重複」「重畳」の類語
「重なる」という意味の「重複」「重畳」の言い換え表現を見ていきましょう。
・二重(にじゅう) ・ダブる
「ダブる」は日常会話でもよく使う表現ではないでしょうか。気楽に使える反面、正式な場ではあまり使わない表現なので、挨拶や顧客との会話等では「重複」や「二重」を使うといいでしょう。
ちなみに「ダブる」の語源は英語の「double(二重の)」といわれています。
「重複」「重畳」の英語表現
「重なる」という意味の「重複」「重畳」を英語で表現したい場合、「repeat」が使えます。
You’re repeating yourself 話が重複しているよ
日常からビジネスまで
「重複」は日常会話でもビジネスシーンでもよく使う表現。「ダブる」をよく使うという人はビジネスの場では「重複」に言い換えた方がいいかも。
また、「重畳」は自ら積極的に使っていく機会はないかもしれませんが、耳にした時に意味だけでもわかるようにしておきたいですね。