プレップ法とは『文章を構成する方法』のこと
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プレップ法、文章や表現について教育を受けたことがある人は、プレップ法の定義についても理解しているでしょう。しかし、「言葉は聞いたことがあるけど、具体的にはわからない」という人も多いです。
プレップ法とは、プレゼンや会議などの資料を作成するうえで重要となる文章の構成方法をいいます。これを知っておくだけで、ビジネスでも書類の書き方や会議での話し方が変わってきます。
プレップ法の意味をチェック
プレップ法は『PREP法』と表記しますが、カタカナ用語というよりも、英語の頭文字をとった略語になります。まず、それぞれの言葉をチェックしてみましょう。
Point=結論
Reason=理由
Example=具体例
Point=結論を繰り返す
「結論」を話し、そのあと「理由」を述べ、「具体例」をあげます。そして、こういうことなので…と再度「結論」を述べるといった組み立てです。
この方式で文章を作れば、相手に伝わりやすいとされています。
ビジネスシーンで特にプレップ法が必要とされているのは、新商品をアピールしたり、なにかを提案したりする『プレゼン』ですが、転職を考えている人は『面接』にも有効です。
プレップ法を使うメリット
プレップ法は、仕事でも就活の面接でも推奨されている文章構成法ですが、なぜこの方法が良いとされているのでしょうか。あなたも納得して取り入れられるよう、考えられる大きなメリットを紹介しておきます。
①:興味を引きつけることができる
ダラダラと話が続いても、聞き手・読み手は飽きてしまいます。
結局、何が言いたいのかわからないスピーチや書類とは異なり、最初に結論がくることで積極的に話を聞こう、理解しようという気が起きます。
最初に結論を述べることで、聞き手や読み手の興味をグッと引きつけることができるのです。
かといって、結論が最後に出てくる構成とは違い、ずっと集中して結論をとらえようと努力する必要もありません。そのため、聞き手・読み手のストレスが少ないです。
その②:話が記憶に残りやすい
長い話でも、最初と最後に聞いたことは記憶に残りやすいといわれています。これは実感できる部分もあるのではないでしょうか?
プレップ法では、最初に結論を述べ、最後にもう一度結論について触れるため、結局何が言いたかったのか内容が記憶に残りやすいです。
その③:無駄な時間が減る
プレゼンをする際、使える時間は無限にあるわけではありません。話したいことを支離滅裂な順序でダラダラ話した場合、聞いている人が理解しきれず、記憶に残らなければ「ここもう一度説明してくれる?」と余分な時間が必要となります。その部分が多ければ多いほど、無駄な時間が増えるわけです。
わかりやすい文章を作成することで、これらの無駄な時間を削減することが可能となります。
英語でも重要なプレップ(PREP)法
英語圏の人は、日本人よりもダラダラ述べられる説明を嫌う傾向にあります。そのため、『結論から述べる』といった作業は日本よりも重要になっています。英文の構成も、結論から述べるようになっています。簡単な例をあげてみましょう。
■I’m going for a walk today because the weather is fine.
(今日は天気がいいので散歩に出かけるつもりだ。)
上司
【ビジネス版】プレップ法を使った書き方・話し方
プレップ法での書き方・話し方の例を解説する前に、まずは軽くポイントをおさえておきましょう。
【Point(=結論)】
何についての話なのか、『要点』や『結論』を端的にまとめる。
【Reason(=理由)】
なぜそのようなことを考えたのか、なぜそうしたいのか、なぜそういう結論に至ったのかなどの『理由』を説明する。
【Example(=具体例)】
調査結果、事例、集計した数値など、具体例を述べる。
【Point(=結論を繰り返す)】
最初に述べた『要点』や『結論』を繰り返し、聞き手・読み手に印象づける。
プレゼンの例
ここで、プレップ法を用いたプレゼンのセリフを短い文章にして紹介しておきます。
【Point】
今回私は、レシートを写真で撮るだけで家計簿が付けられるアプリを開発しました。
【Reason】
作業自体は簡単でも、手作業で記録していくのはとても面倒に感じていたからです。
【Example】
写真をとって、簡単なメモを書けるようにしておけば、移動中の電車や車の中でも手軽に作業ができます。また、アンケートをとった結果、家計簿をつけたいと思っていても、面倒でなかなか実行できない人が多いことがわかりました。
【Point】
面倒な作業を最小限にして、手軽に記録できる、スマホの写真機能を使った家計簿アプリを開発しました。
就活で役立つ!プレップ法を使った面接のポイント
希望の会社に入るための通過点となる面接では、面接官に自分自身をしっかり印象づけなければいけません。
そのためにもプレップ法は有効とされています。ここでは、面接でどのように話を進めればいいのかの例を紹介します。
自己PR
まず、自分がどんな人間なのかをアピールするにはどのようにすればいいのか、ポイントを紹介します。
【Point】
私の長所は、臨機応変に対応できること、リーダーシップを発揮できることです。
【Reason】
演劇部でメンバーが何回も入れ替わったときも、これまで通り活動できるよう、周囲をまとめられていました。不測の事態が発生したときも、素早く対処することができていました。
【Example】
在籍中に他校と合同で作品を制作したことがありました。本番当日までにメンバーが入れ替わり、その都度タイプの違う人が入ってきました。人によってやり方や考え方が異なる部分もありましたが、積極的に声をかけ、思いを聞くことで揉め事もなく、練習を進められました。また、発表当日に舞台装置が壊れたときには、素早く代案を出して対処し、無事に最後まで演じ切ることができました。
【Point】
こうした経験から、その場に応じて対応していく力や、人を取りまとめる力があることが、自分の長所なのではないかと考えるようになりました。
志望動機
就職の面接で当たり前のように聞かれる志望動機も、強い印象を残さなければいけません。しかし、難しい言葉を使って真面目なことを言うだけでは物足りないものです。それではアプリ開発の会社の面接を受けると想定し、プレップ法で志望動機を考えてみましょう。
【Point】
多くの人が便利だと思えるサプリを作りたいと考え、御社を志望しました。
【Reason】
常日頃、スマホアプリを使ったり探したりしているとき、「こんな機能があればいいのに」「機能はいいけど使いにくい」と感じることが多かったためです。
【Example】
たとえば、家計簿アプリを使っていたとき、数字を入力して一覧表になるのはいいものの、入力自体が楽になれば使いやすくなると考えました。また、レシートを写真で読み込むことができても、数字を読み取る機能をプラスできればと常々感じていました。
【Point】
家計簿だけでなく、写真でも、パスワード管理でも、利用者の痒い所に手が届くようなアプリをたくさん開発したいです。
プレップ法を理解してプレゼンを成功させよう
ビジネスシーンにおいては、プレゼンに限らず、自分の考えや意見を誤解なく明確に伝えることが大切です。自分には文章力がないと思っている人でも、プレップ法を使えば聞いている人が「わかりやすい」と感じる文章が作れます。
これまでなかなか思ったことが伝えられなかったと感じていた人は、これを機にプレップ法を理解し、相手に伝わる表現ができるようになってください。