「懸念」とは不安や心配に思うってこと!
上司
部下
上司
「懸念」とは気に掛かって不安に思う物事を指す言葉です。これからの出来事や計画に対して「懸念」という言葉を使う人は、何かしらの不安を抱えている状況です。
「懸念」と同様の不安の意味合いをもつ類語はたくさんあります。必要に応じた使い分けは周りに不安を与えないために重要です。今回の記事で「懸念」の使い方や類語を覚え、配慮のある言葉選びができるように学びましょう。
・「心配」
・「危惧」
「懸念」の意味と使い方を解説
「懸念」の一般的な使い方は不安を感じるときです。あまり知られていませんが、実は「懸念」は複数の意味をもつ言葉です。「懸念」のもつ意味と使い方について次の項から詳しく解説します。
「懸念」には3つの意味がある
2.執着
3.”仏語”で集中の意味
「不安」や「心配」を指す言葉の「懸念」には、「執着」や仏教の言葉で「集中」の意味を含みます。「懸念」がもつ3つの意味は、3つとも異なる使い方に見えますが、それぞれ共通している箇所があります。
それでは、わかりやすく「懸念」の3つの意味を使った例文を見ていきましょう。
新人
先輩
先輩
後輩
先輩
上司
「懸念」の意味である「不安」や「執着」、仏語の意味での「集中」。”いずれも心がとらわれている様子”で使われます。ある物事に対し、抱えている心情を「とらわれる」と表現します。つまり「懸念」とは、心理状態を指す言葉なのです。
2.考え方が縛られ、拘束されていること。不自由な状態。
「とらわれる」には考えが縛られている状態を指す意味をもちます。「不安」も「執着」も「集中」も、意味は違えど心がとらわれている状態なのです。
「懸念」を一般的に使う場合は不安や心配の意味として用いられているので、「執着」や「集中」を指す言葉として使うケースは非常に稀です。知識レベルではありますが、”「懸念」は心情を指す言葉”として覚えておくとよいでしょう。
「懸念」の例文
「懸念」を使った例文を紹介します。「懸念」は「不安」の意味で使うのが一般的ですが、その「不安」がどこから来ているものかを踏まえた使い方がベターです。
まずは一般的な「懸念」の使い方を例文でご紹介します。
・今の提案にはいくつかの懸念点があります。
・技術的に問題ないが、経験不足なところが彼の懸念材料である。
・大丈夫と言ってってはいたが、表情が優れないことを懸念する。
・みんなで成功させるためにも、懸念事項を払しょくしましょう。
上記が一般的な「懸念」の使い方です。このように「不安」の意味での使い方が一般的であるため、「執着」や「集中」の意味だけで「懸念」を使用すると誤用に思われてしまうケースが多いです。
例えば以下のケースで使用した場合、どちらが伝わりやすいでしょうか?
1.授業中は懸念しろ。
2.金に執着しすぎないように注意する。
2.金に懸念しすぎないように注意する。
このように「懸念」を使うと不自然に感じるケースもあります。このような場合は「懸念」を無理に使う必要はありません。相手に伝わりやすい言葉を選ぶのが大事です。
先輩
後輩
部下
上司
例文1は「不安」になりながらも他人への「執着」を含み、例文2は「不安」から別の問題に「集中」する様子をあらわしています。シチュエーションをあらわす言葉として「懸念」だけでも様子は伝えられます。
「懸念」の類語と使い分けを解説
「懸念」と同じ意味をもつ類語を紹介します。「懸念」と類語は意味が少し異なるので、使い分けもあわせて解説します。
「不安」
「懸念」の元となる言葉で、気がかりな出来事があり、心が落ち着かない状態を指します。「懸念」と同義語としても扱われ、心配事全般を「不安」とあらわします。
新人
上司
後輩
先輩
「心配」
気がかりがあり、物事に対して心を痛み悩ませ、思いわずらうさまをあらわします。相手を気にかけ、おもんばかる(おもんぱかる)「心配り」の意味も含む言葉です。「不安」の代わりの言葉として使用するケースもあります。
部下
課長
先輩
後輩
「危惧」
物事の結果が悪い方向に進まないかと心配して恐れる様子をあらわします。結果待ちの状況や将来への不安を指すときに使用します。
後輩
先輩
部下
上司
「懸念」と類語の使い分けのコツ
「懸念」とその類語はすべて「不安」や「心配」を指す意味の言葉です。それぞれの言葉の違いはなにか?それは「なにに対して不安をもっているか?」に掛かります。
例えば「懸念」は気に掛かって心配である意味をもち、類語の「不安」には「心が落ち着かずに安らげない状態」の意味があります。また、「懸念」には先述したように「執着」や「集中」の意味があります。
つまり、どのように不安なのかを具体的に分けてあらわすために「懸念」と類語が存在していると覚えてください。漠然と心が落ち着かない、不安であるなら「心配」や「不安」で十分です。より具体的に説明したいなら、「危惧」や「懸念」を使いましょう。
「懸案」は「懸念」の類語?
「懸念」と漢字がよく似ている「懸案」とは、未解決の問題を指す言葉です。問題が解決していない状態を「不安」であるとする場合、「懸案」は「懸念」の類語として使われるケースが増えます。
上司
部下
「懸念」の対義語
「懸念」の意味が「不安」や「心配」を意味する言葉なので、対義語は「安心」や「安堵」になります。
「安堵」- 心が落ち着いた状態。
上記はそれぞれ”安らぎ、落ち着いている状況をあらわす言葉”です。
「不安」はなにかに対して心が落ち着かず、いわゆる”「ざわついた」心理状態”を指します。「ざわつく」とは、落ち着かずにそわそわする様子をあらわす言葉。つまり、「懸念」の対義語とは、”落ち着いた様子があらわれている言葉”なのです。
「懸案」の対義語は?
「懸案」の対義語は「安心」や「安堵」ではありません。「懸案」は、未解決の問題を指す言葉であるため、対義語は「解決」「既決事項」「既済事項」などが当てはまります。
「懸念」の英語表現
「懸念」はビジネスの世界においてできれば避けたいものです。不安や心配なことがある場面で使える「懸念」の英語表現を事前に確認しておきましょう。
concern
fear
afraid
と表現できます。
「懸念」の英語表現を使用した例文はこちらです。
⇒無理をしたことがあとに響くのではないかと懸念が残る。
・I have some concerns with the current proposal.
⇒今の提案にはいくつかの懸念点があります。
・Although technically it is OK, his lack of experience is a source of concern.
⇒技術的に問題ないが、経験不足なところが彼の懸念材料である。
・He said he was OK, but I’m afraid that his expression was not good.
⇒大丈夫と言ってってはいたが、表情が優れないことを懸念する。
・Pay attention to your concerns so that everyone can succeed.
⇒みんなで成功させるためにも、懸念事項を払しょくしましょう。
状況に応じて「懸念」を使い分けよう!
「懸念」の意味は「不安」や「心配」を意味すると覚えておけば問題ないでしょう。類語との使い分けで迷ったら「なにが不安なのか?」を考えてから言葉を選びましょう。緊急のときこそ冷静に言葉を選び、周りを不安にさせないように努めてください。