「賜る」は「もらう」の超丁寧な表現
・お言葉を賜りたいと思います
「賜る(たまわる)」は、改まった場の挨拶などで耳にすることのあるかなりフォーマルな表現です。「賜る」は「もらう」の謙譲表現。堅い表現なので日常会話で使う機会はあまりないかもしれませんが、ビジネスパーソンであれば覚えておきたい表現です。
「賜る」の読み方・送り仮名
「賜る」の読み方は「たまわる」で、送り仮名は「る」。間違いやすいので注意しましょう。
特に送り仮名は迷いどころですよね。「る」か「わる」か…。
実は送り仮名は「わる」でもよしとされていますが、正式には「賜・る」と定められています。
「賜る」の使い方・例文
「賜る」の使い方を例文で確認していきましょう。
・来賓の方々からお言葉を賜りたいと思います ・身に余る賞を賜りました ・今後ともご愛顧賜りますようお願い申し上げます ・天皇陛下から受賞者にお言葉を賜りました
人から物や言葉などを「もらう」際にへりくだって「賜る」と表現します。また、「与える」側を主語にした尊敬表現も可能。
もとは天皇陛下や皇族が下の身分の者に何かを与える際に使われた表現だったとされています。現在でも皇族関連のニュース等で耳にすることがあると思います。
「賜る」の類語
「賜る」を別の表現で言い換えてみましょう。
・頂く(いただく) ・頂戴する(ちょうだいする) ・承る(うけたまわる)など
「頂く」も「頂戴する」も、「賜る」同様に「もらう」の謙譲表現。「賜る」よりも柔らかい印象を与えるので、使う機会はこれらの方が多いのではないでしょうか。
・頂いたチョコレートでケーキを作ってみました ・ありがたいお言葉を頂戴いたしました
「賜る」と「承る」の違い
「承る」は「賜る」と似た響きの言葉ですが、意味は少し異なります。「承る」は「聞く」や「引き受ける」の謙譲表現。
・ありがたいお話を承りました ・ご注文を承ります
「賜る」の英語表現
謙譲語を英語にするのはなかなか難しいのでストレートに表現しましょう。
・I received chocolate as a souvenir from UK ⇒イギリスからのお土産にチョコレートをもらいました(賜りました)
いざという時に役立つフォーマル表現
「賜る」はそれほど使用頻度は高くなくても、覚えておけばいざという時に役に立つはず。とりあえずは読みと意味だけでも覚えておきましょう。