「厚顔無恥」とは「厚かましくて恥知らず」
「厚顔無恥(こうがんむち)」は「厚かましくて恥知らず」な様を表す四文字熟語。そのような様子の人を非難する際や、そうならないようにという注意喚起の際に使用されます。
「厚顔」は「面の皮が厚い」という意味で、これだけでも同様の意味があります。
「厚顔無恥」の由来
「厚顔無恥」の「厚顔」は中国最古の詩集といわれている『詩経』に由来する言葉。
その中に「巧言くわうの如く、顔の厚きや(言葉巧みに乗り切り、外面を良く見せ内面の恥を隠す)」という一説があります。
これが日本に伝わり、「厚顔無恥」という四字熟語ができました。
厚顔無“知”は間違い
「厚顔無恥」を厚顔無“知”としてしまう間違いがあります。これは「厚顔無恥」と「無知」を混同してしまうことによる間違い。厚顔無“知”を使ったら、それこそ「無知」といわれてしまうので注意。
「厚顔無恥」の使い方・例文
「厚顔無恥」は強い非難の言葉なのでよほどのことがない限り、特定の人物に対して使わないでしょう。軽々しく使うとトラブルの元になるので注意してください。
・自身の発言を無視した政治家の厚顔無恥な所業が非難された ・炎上を狙ったYouTuberの厚顔無恥な言動に顔をしかめる ・混みあった電車内でフラッシュモブをするとは厚顔無恥もはなはだしい
「厚顔無恥もはなはだしい」「厚顔無恥もいいところだ」は意味を強めた表現です。
「厚顔無恥」の類語、対義語
「厚顔無恥」は、「恥知らず」「ずうずうしい」「厚かましい」と言い換えることができます。同じような四文字熟語には以下のようなものがあります。
・勝手気儘(かってきまま) ・傍若無人(ぼうじゃくぶじん) ・傲岸不遜(ごうがんふそん) など
また、「厚顔無恥」と逆の意味を持つ言葉にはどのようなものがあるでしょうか。「つつましい」「謙虚」などがあげられます。四文字熟語は以下の通りです。
・温厚篤実(おんこうとくじつ) ・遠慮会釈(えんりょえしゃく) など
「遠慮会釈」は「遠慮会釈もない」と打ち消し表現を伴って使われることが多いので、「厚顔無恥」と同じようなシチュエーションで使用します。
・遠慮会釈なく自分の要望だけを押しつける ・酔っぱらって遠慮会釈もないふるまいをしたことを叱られた
「厚顔無恥」の英語表現
「厚顔無恥」、つまり「恥知らず」を英語にすると「shameless」と表現することができます。「shame(恥)」に思う気持ちが欠けているという意味。
He is a shameless imposter. ⇒彼は恥知らず(厚顔無恥)な詐欺師だ
「厚顔無恥」といわれないふるまいをしよう
「厚顔無恥」は強い非難の言葉なので、人に対して使うことはなるべく避けるのが無難。また、自身も「厚顔無恥」といわれないように、常識的なふるまいを心がけましょう。
とはいえ、正しいことでも遠慮して主張しないということではないので、線引きができる一流のビジネスパーソンを目指してください。