ユニコーン企業とは『起業年数が短く評価額高い企業』のこと
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上の会話の新人くんのように、ユニコーン企業の存在を知らない人も多いのではないでしょうか。
それもそのはず、実は、日本にはほとんどないんです。しかし、国としても増やしたいと考えているため、「自分には関係ない」と思っていても、知っておきたいビジネス用語です。
ここでは、言葉の意味のほか、ユニコーン企業の条件や企業例についてもわかりやすく解説します。
ユニコーン企業の意味をチェック
ユニコーン企業は、日本だけでなく、全世界を対象とし、基準を満たした企業を対象に選び出されています。それでは、いったいどのような企業がコレにあたるのでしょうか。
ユニコーン企業の由来は?
『ユニコーン企業』という言葉を使い始めたのは、アメリカのベンチャーキャピタリストのアイリーン・リーだといわれています。
ベンチャーキャピタリストとは、成長の見込みがあるベンチャー企業*に対して資金を提供し、事業が成功したらリターンを得るといった職業です。
『ユニコーン企業』という言葉を生み出した時代には、ハイリターンが得られる企業はとても稀な存在でした。そのため、存在自体が稀である、伝説上の生き物『ユニコーン』に例えたのが由来です。
(ベンチャー企業*:確信的なアイデアや技術から、新しいサービスやビジネスを展開する企業。)
なお、ベンチャー企業についてもっと詳しく知りたい人は、こちらの記事も読んでみてください。
ベンチャーとは何か?ベンチャー企業の意味から転職のメリット・デメリットまで解説
ユニコーン企業の英語表現
ユニコーン企業を英語で表すと『Unicorn companies』となります。『unicorn』の意味は『一角獣』『ユニコーン』ですが、英語圏では『起業年数が短く評価額高い企業』も『unicorn』のみで表すことが多いです。
一角獣のユニコーンが話題になることはあまりないと思うので、経済関連の会話の中で『unicorn』が登場したら、ユニコーン企業を指していると考えていいでしょう。
ただし、きちんと前後の言葉の意味も読み取ったうえでの解釈にしてくださいね。
ユニコーン企業に必要な条件
ユニコーン企業の前提条件は、『ベンチャー企業』であることです。そしてさらに、一定条件を満たしていなければなりません。その条件は全部で4つ。それでは詳しく解説しますね。
創業してから10年以内である
ベンチャー企業は、確信的なアイデアや技術から、新しいサービスやビジネスを展開しています。しかし、事業が軌道に乗れば新しくなくなりますよね?また、投資先からハイリターンが見込めるのは、成長過程にある企業とされています。
そのため、ユニコーン企業は、創業してから10年以内という条件が定められています。
評価額が10億ドル以上である
10億ドルと聞いても日本ではすぐにピンときませんが、日本円では1000億円以上とされています。つまり、対象になる企業価値が、1000億円以上あるか否かということです。
企業評価は、過去の企業資金の蓄積状態、財務指標、将来的な収益性、同業他社と比較した収益性などを参考に行われます。
未上場である
ベンチャーキャピタルと呼ばれる人がユニコーン企業に注目する目的は、投資による成長の実現です。そのため、上場を果たせば『成長した』とみなされ、ユニコーン企業の対象外となります。
テクノロジー企業である
テクノロジーとは『科学技術』のこと。テクノロジー企業とは、『科学技術*を利用した事業を展開している企業』となります。(科学技術*:自然科学、社会科学、世界科学など、専門分野からなる学問的知識・技術。)
製品開発、システム開発、研究開発などを行っている会社はテクノロジー企業になるので、対象となる企業は比較的多いです。
ユニコーン企業は日本にもある?
ユニコーン企業の多くは、中国やアメリカに存在します。今や世界規模となっているFacebook社やTwitter社も、かつてはユニコーン企業でした。
それでは、企業価値の高いとされるユニコーン企業は、日本には存在しないのでしょうか?
2019年に存在する日本のユニコーン企業
2019年9月時点での評価額上位5社は次のとおりです[efn_note]参考:未上場スタートアップ上位20社、企業価値計1兆円超え|日本経済新聞[/efn_note]。
①プリファード・ネットワークス[efn_note]参考:トップページ|Preferred Networks[/efn_note]
(3515億円)
②TBM[efn_note]参考:トップページ|株式会社TBM[/efn_note]
(1218億円)
③スマートニュース[efn_note]参考:トップページ|SmartNews[/efn_note]
(1128億円)
④freee[efn_note]参考:トップページ|freee[/efn_note]
(679億円)
⑤エリーパワー[efn_note]参考:トップページ|ELIIY Power[/efn_note]
(441億円)
これを見てわかるように、1000億以上なのは上位3社なので、2019年のユニコーン企業は『プリファード・ネットワークス』『TBM』『スマートニュース』の3社となります。
ちなみに、2018年は今回トップの『プリファード・ネットワークス』のみだったので、日本のユニコーン企業は2社増えたことになります。
また、日本ベンチャーキャピタル協会のWebサイトでは、投資動向も公開されているので、興味のある人は覗いてみてください。
参考
RESEARCH VC投資動向一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会
ユニコーン企業が日本に少ない理由とは?
ユニコーン企業が日本に少ない理由は、多くの専門家からさまざまな意見が出されていますが、大きくは次の3つといわれています。
ユニコーン企業の使い方・例文
会社の資産管理や、経営に携わる人は、仕事をするうえでも『ユニコーン企業』は耳にする言葉でしょう。しかし、「興味はあるけど…」といった感じの人もいますよね?
どんな立場でも、いざというときにスマートに会話に取り入れられるよう、使い方を例文でチェックしておきましょう。
ユニコーン企業の存在を知り世界情勢を観察してみよう
今回は、日本国内のユニコーン企業のみを紹介しましたが、ネット上では世界ランキングも公表されています。世界ではどんな企業が成長しているのか、あなたもぜひ観察してみてください。