ユーティリティとは『有益』なこと
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ユーティリティは、モノに対してだけでなく人に対しても使います。さらに、ビジネスシーン、IT分野、芸能界、スポーツ業界など、分野によっても少しずつ意味が異なってくるので、状況に応じた解釈が必要です。
ここでは、正しい意味や使い方だけでなく、英語や関連語についてもわかりやすくまとめたので、きちんと覚えていってくださいね。
ユーティリティの意味をチェック
ユーティリティは、広い意味では『役に立つもの』『有益なもの』『実用的なもの』を指します。しかし、分野ごとにニュアンスが異なります。ここでは、それぞれのユーティリティの意味をチェックしておきましょう。
①:ビジネスシーン
一般的なビジネスシーンにおいては、仕事をするうえで『役に立つもの』『実用的なもの』を指します。
事務所では、OA機器、空調設備、照明器具、机、イスなど、事務作業をするのに役に立つモノがあてはまります。
また、生産工場をもっている企業であれば、空調設備、電気設備、製造ラインなど、工場を運営していくのに必要な設備を指します。
②:IT業界
IT業界においては、『ユーティリティソフト』という言葉で使われることが多いです。
これは、OSやアプリケーションの機能改善や操作性を向上させる目的で使います。パソコンを利用するのに『役に立つモノ』となるわけですね。
具体的には次のようなソフトウェアがあげられます。
■ファイル圧縮ソフト
■ファイル展開ソフト
■ウイルス検出ソフト
■メモリ管理ソフト
■スクリーンセーバー など
また、これらのユーティリティソフトは、最初からOSに入っているものもあれば、市販で販売されているものもあります。
③:住宅業界
住宅業界でユーティリティといえば、『ユーティリティルーム』を指す場合が多いです。日本語にすると『多目的室』『家事部屋』になります。
たとえば、ガス、シンク、食洗器などを備えたシステムキッチンや、調理器具、冷蔵庫を設置するキッチンはユーティリティルームにあたります。
また、現在では、効率的に家事ができるよう、お風呂、洗面所、洗濯場の隣に、洗濯物を干したり、アイロンがけをしたりする『家事部屋』を作ることもあります。
物件情報を見ていて、和室、洋室のほかに『ユーティリティルーム』があれば、『多目的室』『家事部屋』だと判断すればいいでしょう。
④:スポーツ業界
スポーツ業界では、万能選手の意味で、『ユーティリティプレイヤー』という使い方をよくします。わかりやすい例をあげてみますね。
ゴルフではクラブそのものを指す
スポーツの中でも、ゴルフでは『ユーティリティ』と呼ばれているクラブが存在します。
ゴルフクラブには、ウッド、アイアン、パターといった種類があり、ユーティリティは、ウッドとアイアンの中間的な役割をするクラブです。
また、アイアンは、飛距離に合わせて作られているわけですが、ロングアイアンは扱いにくく、使わない人も少なくありません。
その点、ユーティリティは、3番や4番アイアン代わりにも、ウッドの代わりにもなる万能クラブです。そのため、プロからアマチュアまで、幅広い層の人が用いています。
ヘッドは、アイアン型とウッド型があり、ロフト角やシャフトの長さもメーカーによってさまざまです。そのため、アイアンを減らし、ユーティリチィを何本か用意する人も増えています。
⑤:芸能界
芸能界においては、いろいろな役をこなせる俳優、女優を指して『ユーティリティ俳優』『ユーティリティ女優』といった使い方をします。
また、舞台では、舞台に対応できる声の出し方を必要とするので、『舞台俳優(女優)』という言葉もあります。しかし、俳優(女優)の中には、テレビドラマも舞台も両方こなせる人がいます。
そのほか、ひょうきんな役柄も真面目な役柄も上手に演じる人もいますよね?こういった俳優(女優)を『ユーティリティ俳優』『ユーティリティ女優』といいます。
⑥:公共施設
私たちの生活の中にもユーティリティは存在します。たとえば、市役所、区役所、図書館、公民館、市民ホール、国や地方公共団体が運営する病院などの公共施設がそれにあたります。
また、電気、水道、ガスなど、生活の役に立つものもユーティリティに含まれます。
ユーティリティの英語は『utility』
ユーティリティを英語で表現すると『utility』と書き、次のように名詞と形容詞の意味をもつ単語として使われています。
■役に立つもの
■有用性
■実用性
■公共施設
■公共事業 など
■実用的な
■いろいろに使える
■多用途の など
また、熟語ではこのような使い方をします。
■utility charges(公共料金)
■utility article(実用品)
■utility person(便利屋)
■utility car(実用車) など
ユーティリティの関連語
カタカナ用語の中には、その言葉に関連する言葉が存在する場合があります。
ユーティリティについても、『ユーティリティ〇〇』といった関連語がいくつかあります。ここではよく目にする2つのカタカナ用語の解説をしておきます。
ユーティリティサービス
消費者、利用者の役に立つモノを提供することをユーティリティサービスといいます。工場設備、ユーティリティソフト、照明設備など、主に、前述したユーティリティ商品の提供をする事業がユーティリティサービスにあたります。
ユーティリティクラウド
ユーティリティクラウドとは、株式会社オプテージ(OPTAGE)が提供する情報サービスのひとつです。
企業が業務を遂行するうえで必要になっている、複数のアプリを自由に組み合わせて利用できる、クラウド*サービスです。
(クラウド*:ネットワークを利用し、ユーザーにサービスを提供する形式のこと。)
参考 ユーティリティクラウド(サービス内容)APTAGE for Buisinessユーティリティの使い方・例文
さまざまな分野でいろんな意味をもって使われるユーティリティですが、実際の会話ではどのように登場するのでしょうか。例文を使ってチェックしてみましょう。
上司
例文1は、車に乗っていて『役に立つモノ』を充実させた設計に…という意味で使っています。
例文2のユーティリティは、空調設備、製造ラインなど、工場を運営していくのに必要な設備を指しています。
例文3のユーティリティソフトは、『OSやアプリケーションの機能改善や操作性を向上させるソフト』を指しています。
ユーティリティな人材と呼ばれる人になろう
ユーティリティは、モノであれば『有益なモノ』、人であれば『役に立つ人』『なんでもできる人』です。つまり、ここにぜひほしいと思われる存在ですよね。
あなたも、さまざまな技術や知識を身につけ、『ユーティリティな人材』と思われるようになってください。