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メソッドの意味とは?ビジネスとITで使い方が違う?英語・事例・類語も解説

メソッドとは『方法・方式』のこと

新人

先輩!田中さんが、何回通ってもダメだったB社の契約を取ってきたらしいですね。これでな何件目ですか?
たいしたことじゃないけど、コツがあるのよ。手柄の横取りみたいでイヤなんだけどね。

先輩

新人

何度も成功してるんだし、もう『田中メソッド』として公表しませんか?

ビジネスシーンに限らず、『〇〇メソッド』という言葉はよく目にします。「何かやり方を教えてくれてるんだな」ということは想像できても、「そもそもメソッドって何?」と思っている人は多いのではないでしょうか。

今回は、言葉の意味だけでなく、正しい使い方やメソッドの事例についてもわかりやすくまとめました。正しく会話で取り入れられるよう、しっかり覚えていってください。

メソッドの意味をチェック

メソッドという言葉が使われている場面や事例を見れば、なんとなく意味はわかるでしょう。しかし、あいまいな認識では間違った使い方をするかもしれません。まずは、正しい意味をチェックしておきましょう。

カタカナ用語のメソッドの意味とは?

メソッドをざっくり説明すると『方法』『方式』ですが、一般的なビジネスシーンとIT業界では少し意味が異なります。それでは、それぞれの分野のメソッドとは何を指すのでしょうか。

メソッドの意味①:ビジネスシーン

ビジネスシーンにおいてのメソッドは、『仕事を効率アップさせる方法』『生産能力をアップさせる方法』など、目的を達成するための方法を指す場合が多いです。

メソッドの意味②:IT業界

IT業界でのメソッドは、オブジェクト指向プログラミングにおいて、各オブジェクトでの処理や操作を定義したモノを指します。C++言語などでは『メンバ関数』と呼ぶ場合もあります。

『オブジェクト』は『モノ』を意味する言葉ですが、プログラミングでは『データ』そのものと、それらのデータが行う処理の集まりを指します。そして、オブジェクト指向プログラミングとは、データを『モノ』にたとえてプログラミングしていこうという考え方です。

Aというデータは、こんな性質をしており、このような動作や処理をします。

上の説明をする場合、『動作』『処理』の部分がメソッドになります。

メソッドの類語

あなたが今ここでメソッドの意味を調べているように、カタカナ用語の意味をすべて理解している人は少ないでしょう。そこで、『メソッド』で伝わらない場合の日本語の言い換え表現をいくつか紹介します

メソッドの類語(言い換え表現)
・手立て
・方法
・筋道
・手段
・やり口
・戦術
・仕方 など

あえてメソッドというカタカナ語を使いたくないときは、このような表現に言い換えてみてください。

メソッドの英語は『method』

メソッドは英語で『method』と書き、次の意味をもつ単語として使われています。

■方法
■方式
■筋道
■(一定の)順序
■規則正しさ など

そして、熟語ではこのような使い方があります。

■simple method(簡単な方法)
■method of recording(記録の方法)
■method of calculation(計算の仕方)
■method for coping with~(~への対処法)
■method for making(製造方法) など

先輩

日本語より英語のほうがより広い意味で使われてるみたいね。

ビジネスメソッドの事例

世の中にはさまざまなメソッドが公表されており、その中にはビジネスメソッドといわれているものがあります。ここでは、もっともポピュラーなビジネスメソッドについて解説します。

PDCA

『PDCAサイクル』は多くの人が耳にしたことがある言葉でしょう。これもひとつのビジネスメソッドです。まずは、PDCAについて確認しておきましょう。

■P→Plan(計画)
■D→Do(実行)
■C→Check(評価)
■A→Action(改善)

『Plan(計画)』『Do(実行)』『Check(評価)』『Action(改善)』を繰り返し、継続的に業務改善をしていくといった手法を指します。

次に、どんなPDCAサイクルがあるのか、簡単な例をあげてみました。

【課題】一年間で市場シェアNo.2からNo.1へのUPを目指す。
Plan(計画) 営業社員各自が現状の売り上げの1.5倍を目指す。
Do(実行) ①既存顧客への売り込み強化。
②競合他社の製品を購入している顧客へのアプローチ。
Check(評価) 毎月実績と達成率の確認。
Action(改善) ①売り上げが伸びていない場合の改善策を練る。
②売り上げが伸びている場合、さらなるUPを目指すための対策を練る。

今は『CAPD』が推進されている?

競争社会になっている現代においては、行動を起こすのもスピードが求められます。そのため、じっくりと計画を練ってから行動に移すPDCAよりも、現状の評価から始める『CAPDサイクル』が、より効率がいいという考え方をする人もいます。

ただし、組織や人材によって、PDCAのほうがいいと判断される場合もあります。状況に応じて変えていくようにしましょう

OODAループ(ウーダループ)

OODAループは、現代においてPDCAの次に注目されているビジネスメソッドといわれています。『OODA』も、PDCA同様、行動を表す英語の頭文字をとった略語です。

■O→Observe(観察)
■O→Orient(情勢への適応)
■D→Decide(意思決定)
■A→Act(行動)

それでは、OODAループについても事例を用いて見てみましょう。

【課題】新商品発売に向けてのチラシを街頭で配布する。
Observe(観察) 会社から移動できる範囲で人の往来が多い駅を調査する。
Orient(情勢への適応) 街頭に出られる人数にあわせて向かう場所をピックアップする。
Decide(意思決定) 行く場所を決める。
Act(行動) 配布に向かう。

これでうまくいかなかった場合には、一番最初の「観察」に戻ります。こちらは、比較的柔軟な変更が求められる事柄に適しているといえます。

PDCAは計画から入り、OODAは観察から入る。ココが大きく違う点ね。

[ビジネス版]メソッドの使い方・例文

カタカナ用語は、意味がわかっても実際の会話に取り入れるのはちょっと難しい感じがしますよね。そこで、スマートに『メソッド』が使えるよう、例文で確認しておきましょう

例文1

今回の案件でビジネスメソッドを取り入れるなら、OODAがいいんじゃないですか?
例文2
管理部独自のメソッドを構築したことで、余剰在庫の削減に成功した。
例文3

部内で作ったメソッド、さっそく実践してみましょう!

[番外編]世の中にはこんなメソッドがある

メソッドは、ビジネスシーンだけでなく、日常の中にもたくさん存在します。「こんなのもメソッドなんだ」と興味がわくと、もしかしたらあなたの仕事や生活に役立つことがあるかもしれませんね。

ヤマハメソッド

ヤマハ音楽教室では、『音楽を聴くチカラ』『耳で聞いた音を再現するチカラ』など、子どものチカラを最大限に引き出す工夫を盛り込んだ教材とレッスンを『ヤマハメソッド』として構築しています。公式サイトでは、12本の動画を公開し、わかりやすく解説しています[efn_note]参考:ヤマハメソッド|ヤマハ音楽教室[/efn_note]。

白澤メソッド

健康やダイエット効果があるといわれているココナッツオイル。医学博士である白澤卓二氏が、どんな成分がどんな効果をもたらすのか、どのように摂取すればいいかを『白澤メソッド』として発表しています[efn_note]参考:著書紹介:白澤メソッド|白澤抗加齢医学研究所[/efn_note]。

コナミメソッド

コナミスポーツでは、正しい運動の仕方を『体育編』『フィットネス編』にわけ、それらを『コナミメソッド』として構築し、Webサイトでも公表しています[efn_note]参考:コナミメソッドまとめ|KONAMI SPORTS CLUB[/efn_note]。

自分なりのメソッドで業務効率UPを目指そう!

メソッドには、決められた形式はありません。誰かが何かの方法を構築すれば、それはメソッドになります。あなたも自分なりの方法を見つけ出し、業務の効率アップを目指してみてください。