スパンとは「期間」のこと!
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スパンの代表的な意味は「期間」です。まずはこれを知っておけばOK。しかし、文脈によって違う意味になることも…。
ビジネスでの使い方を中心に、スパンについてくわしく学んでみましょう。
スパンの意味を解説
スパンの語源はゲルマン祖語の「spannana」。核に「引っ張ったときの長さ」という意味があります。そこから、どのような意味が生まれたのでしょうか?
まずは、英語と日本語のスパンにどのような意味があるのか確認しましょう。
英語のスパン(span)はどんな意味?
スパンは英語で表記すると「span」となります。英語の「span」には次のような意味があります。
・範囲
・期間、時間
・しばらくの間
・(航空機の)翼幅、翼長
・(古代の長さの単位)手を広げたときの親指と小指の先の距離
日本語のスパンとは?
日本語のスパンは、次のような意味をもつ言葉です。
・支点になる柱と柱の間の距離
・(航空機の)翼幅
・歩幅、手の指を伸ばした長さ
冒頭でスパンの代表的な意味は「期間」と紹介しました。この意味のスパンは、「5年間の計画を立てたが、もう少し長いスパンで考えないといけない」のように使います。
【分野別】スパンのくわしい意味
スパンは、分野によっては特有の意味で使われることがあります。それぞれの分野におけるスパンの意味を確認し、社会人としての知識を深めましょう。
スパンの意味①:経営
経営の分野では、「ひとりの管理職が直接管理できる部下の人数や業務の範囲」について「スパン」が使われることがあります。人の目が行き届く距離や範囲と考えると、意味をイメージしやすいですね。
「ひとりの管理職が直接管理できる部下の人数や業務の範囲」は、経営学用語で「スパン・オブ・コントロール」といいます。
「スパン・オブ・コントロール」については、工夫次第で範囲を広げることも可能です。スタッフに自分の裁量で行動する権限を与える、業務をマニュアル化するなど、方法を考えてみてください。しかし、範囲を広げすぎると、スタッフの声が上層部に届きにくくなるというデメリットもあるため、バランスが重要です。
スパンの意味②:アパレル・ファッション
アパレル・ファッションでは、スパン糸という用語が使われています。スパン糸はコットン、リネン、ウールなど、綿状の短い繊維をより合わせた糸のこと。短い繊維をより合わせてできている糸なので、糸にふくらみがあり、表面には毛羽があるのが特徴。
スパン糸は生地の素材や縫い糸として使われます。
対して、絹、レーヨン、ナイロンなどの長い繊維をより合わせた糸は、フィラメント糸。フィラメント糸は毛羽がなく、細くても切れにくく、光沢があります。
スパンの意味③:建築
建築でのスパンは建物を支えている柱と柱の間の距離のこと。柱の中心からもう一方の柱の中心までの長さを測るのが基本です。
建築物の図面にはスパンが数値で表記されます。図面には設備機器や取付家具などのサイズも記入されますが、これらの寸法はスパンではありません。
スパンの意味④:不動産
不動産でのスパンは、住宅のバルコニーや窓など開口部がある側に立ってみたときの建物の幅のこと。
マンションの広告では、南向きの窓がある面の間口の長さについてスパンを使うことが多いですが、ほかの方角でも使用することができます。
スパンの意味⑤:IT
IT分野ではスパンボリュームという用語が使われています。スパンボリュームは、複数のディスクの空き領域を連結させて、大きなひとつのボリューム(管理上の単位)を作るWindowsのディスク管理方式。ディスクサイズよりも大きなボリュームを作ることもできます。
フォーマット後に利用開始したスパンボリュームに、ディスクや領域を後から追加することは可能です。しかし、冗長性(システムの障害発生に対する備え)はありません。
そのため、使用しているドライブに1台でも不具合が発生すると一大事!スパンボリュームに保存されているあらゆるデータにアクセスできなくなってしまいます。
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ビジネスで役立つ!スパンの使い方・例文
「ここでは、ビジネスで役立つ例文を次の2パターンに分けてご紹介します。
・「期間」
・「ひとりで管理できる部下の人数」
スパンの意味を考えながら読んでみてください。
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あわせて覚えたいスパンの類語
スパンの代表的な意味は「期間」です。実は、「期間」を表すことができるカタカナ語はほかにもいくつかあります。それらは意味の違いが紛らわしくて、スパンとの使い分けがややこしい単語です。
ここでスパンの類語についても確認し、使い方を間違えて恥をかかないようにしましょう!
ピリオド
ピリオドは全体の時間の中から、そのほかの時間と区別するために定めた特定の時間の始まりから終わりまでのこと。同じ特徴をもっていると判断された、時間のかたまりと考えるとわかりやすいです。その時間の長さのこともピリオドといいます。
たとえば、歴史上の特定の時代や、スポーツの試合の前半戦・後半戦、授業時間。ピリオドは繰り返されるものに使われることが多いです。
ターム
タームは事前に決められている一定の期間、限定されている時間のこと。
たとえば、ビジネスの契約期間や学校の1学期、議員の任期などのように、はっきりと期限が決められている期間をタームといいます。
タームで定められている期間は変更が難しいです。一方、スパンが示す期間は、必要があれば柔軟に変えることができます。
タームについて、くわしくは下記の記事で紹介しています。こちらもぜひ読んでみてください。
タームの意味と使い方は?ビジネスでスグに使える用法・例文・関連語を徹底ガイド
ピッチ
ピッチは、「同じことを連続して行う場合や、繰り返し一定の間隔で行う場合の速さや回数」「歯車の歯と歯の間の長さ」などの意味をもつ言葉です。
繰り返される期間という意味で使われることも。
たとえば、5年で完結する予定のビジネス計画の進捗状況を、1ヶ月ごとに会議で報告することになったとします。このとき、計画が持続する5年がスパン、報告単位の1ヶ月がピッチになります。
スパンの意味を理解し、使いこなせるようになろう!
スパンは、一般的に「期間」という意味で使われることが多いです。しかし、そのほかに距離に関係する意味もいくつかもっています。また、分野によっては特殊な意味でスパンが使用されることもあります。
スパンはビジネスで用いる単語なので、言葉の意味を正しく理解しておく必要があります。シチュエーションに合う意味を、的確にチョイスできるようになりたいですね。