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「喫緊の課題」とは?意味や使い方・言い換え・対義語・英語表現を徹底解説

「喫緊の課題」は「切迫した問題」ってこと!

上司

新規事業進出を成功させるためには、人材の確保が喫緊の課題となります。
す、すみません「きっきん」って、どういうことでしょうか…?

新人

上司

「急いで解決しなければならない問題」ってことかな。求人募集しているが、応募が少なくて困っちゃうよ~。

「喫緊の課題」とは「切迫した問題」という意味の言葉です。

いわゆる「お役所言葉」と呼ばれる熟語のため、日常会話ではほとんど使われません。ニュースや新聞記事などで使われることもありますが、聞いたことがなく、読み方もわからないという方も少なくないでしょう。

しかし、ビジネスシーンではしばしば使われる表現なので、常識として読み方や意味を身につけておきたいところです。

また、「喫緊の課題」には似た意味の言葉がいくつかあるので、混同せずに正しく使い分けられるようにしておきましょう。

「喫緊の課題」の類語(言い換え表現)
・緊急
・火急の課題

「喫緊の課題」の読み方・意味

「喫緊の課題」の読み方は、「きっきんのかだい」です。「喫緊」とは「差し迫って重要なこと・その様子」という意味の言葉です。

「喫」という漢字は、「喫茶」や「喫煙」など、口からのどを通して腹の中へ入れるという意味で使われることが多いです。そのほかにも、「身に受ける」「こうむる」を表しています。

また、「緊」という漢字は、「緊急」や「緊張」などの熟語にも使われているように、物事が差し迫っていることを示します。

これらの2つの漢字を組み合わせた「喫緊」は、「何か身に受けることが差し迫っている」という意味になります。

よって、「喫緊の課題」とは「急いで解決しなければならない切迫した問題」を意味する言葉です。

「喫緊の課題」の使い方・例文

上述の通り、「喫緊の課題」は、「急いで解決しなければならない切迫した問題」という意味です。

実際に「喫緊の課題」を使う際は、「喫緊の課題は○○だ」や「喫緊の課題として取り組む」といった形になります。いずれも、「切迫した問題を早急に対処する」という意味で使われます。たしかに、「喫緊の課題」があると提示しているのに、「いずれ対処します」ではおかしいですよね。

また、「喫緊の課題」は、いわゆる「お役所言葉」です。官僚や政治家の答弁、行政文書で使われることが多いです。堅い印象を与えやすい言葉なので、ビジネスの場で使用する際は適切な状況か判断してから使いましょう。

ここからは、ビジネスシーンにおける「喫緊の課題」の適切な使い方や例文をご紹介していきます。言い回しやシチュエーションなどもあわせてチェックしてみましょう。

「喫緊の課題」を使った例文

例文
「海外市場への進出が、喫緊の課題だ」
「新たな人材確保が、喫緊の課題である」
「本日の会議は、環境への取り組みを喫緊の課題として取り上げる」
「現時点でその件は、喫緊の課題ではない」

「喫緊」といえば、「喫緊の課題」という言い回しが最も多いです。しかし、「喫緊の問題」や「喫緊の対応」と表現する場合があります。どれも「差し迫った重要な問題に対応する」という意味合いのため、大きな違いはありません。

上司

「喫緊の課題」は重要な内容に対する言葉なので、むやみに使うと大げさに聞こえてしまうよ!

「喫緊の課題」の類語・言い換え表現

「喫緊の課題」の類語としては「緊急」「火急の課題」などがあります。どれも「考える」ことを表す言葉ですが、それぞれニュアンスが違うため混同しないように意味と使い方を覚えておきましょう。

緊急

「緊急」とは「重大で即座に対応しなればいけないこと」という意味です。

「喫緊」は、「切迫した・差し迫った問題」を表しており、若干の余裕があるニュアンスが含まれます。一方、「緊急」は、「すでに問題が起きている・今にも起きようとしている」状態を表し、時間の余裕がない場合に使われます。

「緊急速報」や「緊急事態」という言葉からも、一分一秒を争う事態であることが想像できますね。

例文
「機器に不具合が生じたため、緊急に修理をする必要がある」
「緊急時に備えて、会社の連絡網を作成する」

新人

普段は「緊急」を使った方が、相手にも伝わりやすいですね。

火急の課題

「火急」とは、「火が燃え広がるように急なこと」や「一秒一分を争うほど急を要すること」という意味の言葉です。

「火急の課題」や「火急の問題」といった言い回しが使われます。「喫緊の課題」に似た言葉ではありますが、意味としては「緊急」と同じです。

例文
「新設備の導入は火急の課題である」

「僅々の課題」や「近々の課題」は誤用!

「喫緊(きっきん)」という読み方は、「きんきん」と聞き間違えられる場合があります。

そのため、「僅々の課題」や「近々の課題」を「喫緊の課題」の類語として用いるケースがありますが、これらは誤用です。

「僅々」は「ごくわずか」、「近々」は「比較的近いうちに」という意味です。「喫緊の課題」の「切迫した問題」という意味は全く含まないため、混同しないよう注意しましょう。

「喫緊の課題」の対義語

「喫緊の課題」の対義語には、次のような言葉があります。

「喫緊の課題」の対義語
・不要不急
・急を要さない
・急ぎではない
・重要度が低い
・些細な

「急ぎではない」「重要ではない」ことを表現したい場合、「どうでもいい」「大したことのない」などといってしまうと、雑な印象を与える可能性があります。

上司

言葉遣いひとつで相手に与える印象が大きく変わるため、普段から語彙力を高めておきたいものだね。

「喫緊の課題」の英語表現

「喫緊の課題」はビジネスシーンにおいても使われる可能性のある表現です。英語で表現する機会が訪れる前にメールや会話での使い方を事前に確認しておきましょう

「喫緊の課題」の英語表現
「喫緊の課題」は英語で・・・
urgent task
と表現できます。

「喫緊の課題」の英語表現を使用した例文はこちらです。

例文
・The entering to overseas market is an urgent task.
⇒海外市場への進出が、喫緊の課題だ。
・Securing new human resources is an urgent tassk.
⇒新たな人材確保が、喫緊の課題である。
・Today’s meeting takes environmental action as an urgent task.
⇒本日の会議は、環境への取り組みを喫緊の課題として取り上げる。
・At this point that matter is not an urgent task.
⇒現時点でその件は、喫緊の課題ではない。

「喫緊の課題」の意味を理解して語彙力UP!

「喫緊の課題」とは「切迫した問題」という意味の言葉です。

行政文書などでよく使われるお役所言葉のため、ビジネスシーンで使用する機会はほとんどありません。しかし、常識として読み方や意味を覚えておくとよいでしょう。かしこまった場面で使用すれば、重要な話であることがより一層伝わりやすくなります。

また、この記事を読み終えた後、「喫緊の課題」をニュースや新聞などで見聞きした場合は、今までより正しく報道の内容を受け取ることができるはず。普段使い慣れない言葉を知ることは、知識や表現力アップにつながりますよ!