ジレンマの意味とは?葛藤との違いはある?類語や使い方、対処法を解説

ジレンマとは「板挟み」のこと!

先輩

今回のワードはジレンマよ!
ジレンマですか…。僕、答えが出ない悩みごとを抱えているみたいな意味で使ってますけど、合ってるんでしょうか?

新人

先輩

ジレンマは板挟みっていう意味よ。ただ答えが出ないってだけじゃあジレンマにはならないから、新人君の使い方は間違いね。
ジレンマは板挟みという意味のカタカナ語です。

ビジネスには板挟みになって悩むシチュエーションがたくさんありますよね。ジレンマについて詳しく勉強してみましょう!

ジレンマの意味を確認

ビジネスでのジレンマをより深く理解できるように、まずはジレンマという言葉の意味をしっかり確認しましょう。

英語のジレンマ(dilemma)ってどんな意味?

ジレンマは英語表記すると「dilemma」。「dilemma」には次のような意味があります。

dilemma
【名】
〔二者択一の〕ジレンマ、板挟み
・〔解決が困難な〕難問、窮地、困難
・《論理学》両刀論法(2つの選択肢のうち、どちらを選んでも苦境に陥ることを説明する話の進め方)
「dilemma」はギリシャ語から来ている言葉。「di-」は「2つ」、「lemma」は「前提」という意味です。

カタカナ語のジレンマって?

カタカナ語のジレンマは、「2つの互いに正反対な事柄の板挟みになること」という意味をもつ言葉です。

論理学ではジレンマ(板挟みになること)を、三段論法を使って説明します。そのため、ジレンマには三段論法という意味もあります。

三段論法とは、たとえば「前に進めば狼に襲われる。後ろに戻ればがけから落ちる」「前に進むか、後ろに戻るしか道はない」「ゆえに、助かる道はない」のように、結論を導き出こと。両刀論法ともいいます。

人間関係と似ている!ヤマアラシのジレンマって?

ヤマアラシのジレンマは、神分析家のフロイトが考えた人間関係に関する例え話。元ネタは、哲学者のショーペンハウエルが作った次のようなお話で、ざっくりいうとこんな感じ。

ある寒い夜、2匹のヤマアラシが出合いました。2匹は体をくっつけて互いの温もりで温まりあおうとしますが、ぴったりくっつくとお互いの針が体に刺さり、痛くて我慢できません。

仕方なく2匹は離れるけれど、やっぱり寒いからくっつこうとして、また痛い思いをします。

そんなことを何度も繰り返して、ようやく2匹はお互いの針が刺さらず、温もりも感じられるちょうどいい距離を見つけ出すことができましたとさ。

温もりを感じたいけど、くっつくと痛くて嫌だ。そんな2つの気持ちの板挟みになる、まさにジレンマなお話ですね。

恋愛や友情など、人間関係全般にヤマアラシのジレンマはあてはまります。近すぎず遠すぎず、ほどよい距離感が良好な人間関係には必要ですね。

ジレンマの類語との違い

ジレンマには意味が紛らわしい類語がいくつかあります。どんな言葉がどのような意味で使われるのか確認し、誤用して恥をかかないようにしましょう。

ジレンマと葛藤

葛藤は2つ以上の相反する事柄が複雑に絡まり、結論を出せない状況にあれこれ悩む、心理状態のこと。

ジレンマは「2つの相反する事柄に、板挟みにされていること」という意味でしたね。「葛藤する」とはいうけど、ジレンマは心理状態ではないので「ジレンマする」とはいいません。

ジレンマとアンビバレント

アンビバレントはひとつの物事に対する正反対の感情、態度、意味、価値などのこと。

たとえば、残業しないで早く家に帰れと上司にいわれたとします。このとき、早く帰れてうれしいと感じるのに、残業がなくなって給料が減ると生活費が苦しい、困ったと感じる。このような状態がアンビバレントです。

アンビバレントは選択肢を比べて使う言葉ではなく、同じものに対して正反対の感情を持つこと。

ジレンマはどちらも選べない2つの選択肢に板挟みにされることなので、言葉を使用する状況がまったく違います。

ジレンマと二律背反

二律背反(にりつはいはん)は正反対の2つの事柄が、それぞれ同等の妥当性をもっていること。

たとえば、サッカーのアジアカップ予選で日本と中国が対戦するとします。日本も中国も、勝たなければ決勝トーナメントに進むことはできません。日本が勝てば中国は決勝トーナメントに進出できなくなります。逆に、中国が勝てば日本は決勝トーナメントに進めなくなります。

このように、どちらも同じくらいの正しさをもっているけれど、両立することはあり得ない状況が二律背反です。

ジレンマは相反する2つの事柄の板挟みになることなので、意味が違います。

[ビジネス版]ジレンマの使い方・例文

ジレンマの意味がわかったら、次はビジネスでのジレンマの使い方を例文で学んでみましょう。シチュエーションをイメージして読んでみてください。

例文1

新人

レストランに来店されたお客様から、子どもが騒ぐ声がうるさいっていうクレームが多数来ています。子連れは入店禁止にした方がいいんでしょうか?
うちは子ども連れの専業主婦グループとか家族の来店が多いから、それをやるとお客さんが減っちゃうわ。

先輩

新人

でも、このままだと子ども連れではないお客さんが減ってしまいます。専業主婦グループをとるか、子ども連れではないお客さんをとるかジレンマですね。
例文2

先輩

育休明けのAさんが、楽な仕事の部署に異動させられてジレンマを感じているようです。Aさんはバリバリ働きたいタイプの従業員だから、このままだと労働意欲が低下してしまうかもしれません。
とはいえ、もとの部署は忙しい部署だから、今のAさんには荷が重いだろう。もとの部署に戻してうまく仕事が回せなかったら、ほかの従業員にしわ寄せが行ってしまうし。

上司

先輩

こっちでもジレンマを抱えちゃってますね。とりあえず今、Aさんはひとりでぐるぐる考えて煮詰まっちゃってるみたいなんで、悩みを聞くとか、早めに対応した方がいいと思いますよ。

仕事で役立つジレンマへの対処法

ジレンマに陥ってしまったときどのように対処するか、おすすめの方法を紹介します。困ったら試してみてください。

いったん考えるのをやめる

ジレンマに陥ると、悩んで悩んで、それでも出せない答えに苛立ちが募ってきます。

そんなときにはいったん考えるのを止めて、頭を休ませましょう。どちらを選んでも不利益が出ることは変わりませんが、よりマシな方を選びだせるように、心身をリラックスさせてください。

少しでもプラスになる方を選ぶ

どちらを選んでも不利益がある二者択一だとしても、よりプラスになる方を選びたいですよね。ジレンマに陥ったら会社にとって、自分にとって、少しでもプラスになる方を選択してください。

前の見出しで紹介した例文1を例に、考えてみましょう。

状況
レストランに来たお客様から店内で騒ぐ子どもがうるさいというクレームが来たため、子連れ客の来店を禁止するかどうかでジレンマに陥っている。

このレストランが、ファミリー向けのコンセプトで営業されている店舗なら、子連れ客の来店禁止はコンセプトに反することになるので選べません。

逆に、このレストランが静かに食事を楽しみたいお客様や、記念日の特別な食事を楽しみたいお客様をターゲットにするおしゃれな店。

というコンセプトで営業されている店舗だとしたら、コンセプトに合う落ち着いた空間を維持できるように、子連れ客の来店禁止を選択するべきでしょう。そうすることで、コンセプトのブレによる店舗の魅力半減を防ぎ、本来のターゲット層の客離れを予防することができます。

迷惑がかかる人数が少ない方を選ぶ

2つの事柄のどちらを選んでも被害が発生するなら、迷惑がかかる人数がより少ない方を選ぶようにします。

今度は、例文2を例に考えてみましょう。

状況
育休後に育児と両立しやすい仕事が楽な部署に移動になった女性社員が、新しい部署の仕事にやりがいを見いだせなくてジレンマに陥っている。

仮に、この女性社員が会社の事業に多大な貢献をしている人物だったり、女性管理職候補として育成しようとしている人材だったりして、会社にとって替えがきかない重要な社員だったとしましょう。

この場合は、万が一、女性社員に会社を辞められてしまうと、会社全体が損失を被ることになります。女性社員の不満を解消する方向で問題を解決した方が、迷惑を受ける人数は少なくなりますね。

対して、女性社員がそこまで重要な人材ではなく、標準的な社員だったとしたら。

残業ができず、子どもの都合で頻繁に早退する可能性が高い女性社員を、育休前にいた仕事が忙しい部署に戻すのは、周りの社員に迷惑をかけることになるので得策とはいえません。周りの社員が不満を感じない方を選ぶべきです。

[番外編]楽曲に使われるジレンマ

ジレンマは多くの楽曲のタイトルや歌詞にも使われています。どのような曲があるのかみてみましょう。あなたが知っている曲もあるかもしれませんよ。

ネリー ft. ケリー・ローランドの「ジレンマ」

ラッパーのネリーと ケリー・ローランドがデュエットした「ジレンマ」は、全米チャートで10週第1位になったミリオンセラーの大ヒット曲。

第45回グラミー賞ラップ部門で、最優秀ラップ・コラボレーション賞も受賞した名曲です。

彼氏もちの女性との恋のジレンマを歌っています。

「銀魂’」オープニングテーマの「ジレンマ」

「銀魂’」オープニングテーマの「ジレンマ」は、女性3人と男性1人のバンド「ecosystem」の楽曲。

「ジレンマ」は、ある人とバンドのことで大げんかしたことがきっかけで誕生した曲だそうです。まだ手の届かない遠くにある夢と、思うようにならない現実に対する思いがジレンマという曲名に込められています。

ポルノグラフィティの「ジレンマ」

ポルノグラフィティの「ジレンマ」は、年下の女に恋をした大人の男の気持ちを歌った歌。

年下の女はお手軽な恋を望んでいます。男は大人の余裕で女の希望に応えてあげることもできますが、本心では女に本気になってほしいと思っています。

女の純情が欲しいのに、相変わらず女にその気はなさそう。女を本気にさせたくて焦る男のジレンマが歌詞に込められた曲です。

仕事も人生もジレンマは付き物!うまく付き合っていこう!

人生は自分の思うようになんか進んでくれないですよね。ジレンマ連発の仕事も人生も、だからといって投げ出すわけにはいきません。

どっちを選んでも大なり小なり嫌な思いをしないといけないなら、少しでもいい未来を選ばないと、どんどん自分が損をしちゃいます。

プラスになる選択肢を選べるように、ジレンマとうまく付き合っていきましょう!