一蓮托生は「道連れ・共犯」!
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「俺たちは一蓮托生(いちれんたくしょう)だよなっ!」なんていわれるとドキッとしてしまいますよね。もちろん悪い意味で。“一蓮托生”は「道連れ・共犯」など物騒な意味で使われることが多い言葉です。しかし、語源を辿るとこのような意味ではありませんでした。今回は“一蓮托生”について詳しく解説していきます。
一蓮托生の意味
“一蓮托生”は「道連れ・共犯」などのネガティブな意味で使われることの多い言葉だと紹介しました。「運命共同体」とも言い換えることができますね。よくも悪くも最後まで行動、運命を共にするということ。いい意味で使われることもなくはありませんが、悪い意味で使われる方が多いですよね。
一蓮托生の語源
“一蓮托生”は元々は仏教用語。とってもありがたい意味を持つ言葉でした。「死んでからも同じ1つの蓮(ハス)の上に身を託す」。もう少しわかりやすくいうと、「死後も極楽浄土の1つの蓮の上で再会しよう」という夫婦や恋人同士などの固い絆を意味する言葉でした。
それがネガティブな意味で使われるようになったのは、江戸時代に心中(しんじゅう、愛し合うものが一緒に自殺すること)を扱った浄瑠璃(じょうるり、音楽と物語をセットにした語り物)の中で“一蓮托生”が使われるようになったからだとか。現在でも仏教関連の話題では本来の意味で使われています。
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一蓮托生の類語
“一蓮托生”は「運命共同体」と言い換えることができると述べましたが、他にも類語はたくさん。“一蓮托生”の類語をいくつか紹介します。
・連帯責任
「問題があったら責任は仲間全員で取る」という意味。
・一心同体
「心も体も1つであるように強い絆で結ばれている」という意味。本来の仏教用語としての意味に近いですね。
・死なばもろとも
いうまでもなくネガティブ。「死ぬときは道連れだ」という意味。
英語では?
“一蓮托生”の意味がわかったところで英語表現についても学んでおきましょう。「be in the same boat(同じボートにいる)」。目的地に到着するのも、沈むのも一緒という面白い表現です。他にも「share the same fate(運命を共にする)」という表現もあり。
一蓮托生の使い方
“一蓮托生”の使い方を例文で見ていきましょう。
・夫婦は“一蓮托生”
・“一蓮托生”のつもりで仕事に取り組んでほしい
・“一蓮托生”の思いで頑張ります
・こうなったら“一蓮托生”だ
注意点
“一蓮托生”は元は夫婦の強い絆を表す言葉。この意味を知ったら結婚式の挨拶やスピーチで使いたくなりませんか?でもちょっと待ってください。“一蓮托生”は悪い意味で使われることが多い言葉。いくら元の意味がよくても、おめでたい場で使うのは避けた方がいいでしょう。説明したとしても顰蹙(ひんしゅく)を買う可能性があります。
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仕事でも一蓮托生
“一蓮托生”はいい意味もありますが、悪い意味で使われることの方が多い言葉。残業やミスで同僚を“一蓮托生”にするのではなく、“一蓮托生”の思いで会社やチームに貢献していけるように頑張りましょう。とはいえ少しのミスぐらいならばカバーしてくれるような仲間と“一蓮托生”になりたいですよね。