情景とは『心に残っている過去の場面や風景』
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『情景』は、『とても感動したり衝撃を受けた場面や風景、出来事のことを指す言葉』です。情は物事に対して心が動くことを意味し、景はその場(地上)の様子を表しています。
『情景』は、その場限りのイメージではありません。「情景が浮かぶ」「情景を思い浮かべる」など、感動した場面が心にフラッシュバックする際にも使う言葉です。
例えば、登山で素晴らしい風景を目の当たりにし、一生忘れられないほどの衝撃を覚えたとしましょう。その後、テレビなどをきっかけに前述の素晴らしい風景を思い出すことを「情景を感じている」状態と呼びます。
情景の意味をチェック
『情景』という言葉は、人の心に強く残る景色や場面のイメージを表す言葉であるともいえます。『人の心に強く残る風景や場面、またはそれを思い起こす状態』は、単純に目にしたものを脳が判断するのではなく、心が記憶するものだからです。
そのため、創作物においても重要な『情景』は、キャラクターの視点を描く小説や、読者の心情を揺さぶる俳句に使用される描写テクニックとしてよく使われます。人が『情景』を感じる場面はどんな瞬間なのか、言葉の意味とともに具体的な使い方の例を見ていきましょう。
小説や俳句に用いる情景描写とは
作品内の世界観に没入してもらうために重要なのが「情景描写」。「情景描写」とは、作品内の雰囲気・状況・環境を、登場人物の目線を通して読者に伝える表現方法のことです。
小説や俳句などでは「情景描写」を利用し、読み手が作品世界に惹き込まれやすい文章を書いています。それぞれの「情景描写」の使い方を見ていきましょう。
小説では、作品世界の空の様子・その場面(フィールド)の様子・人物の様子(キャラクター)を書くことで『情景』を伝えます。「情景描写」を使わなければ、作品世界を理解させることができません。
俳句の文章は、書籍と違って文章がとても短く構成されるものです。たったの十七文字で、その場の風景・出来事・心情・作者が伝えたいことをまとめなければなりません。そこで、読み手が一気に引き込まれる「情景描写」を駆使する必要があります。著名な俳人は、高度な「情景描写」を使用しているのです。
どんな場面で情景を覚えるのか?
実際に、『情景』を感じる場面とは一体どんなシーンなのでしょうか?その答えは、体験した本人の心情にゆだねられます。
楽しくてはしゃぐ子ども達の背中を、ほほえましく見つめる母親
最愛の人とレストランから眺める夜景
初めてみる真っ白な雪の広がる白銀の世界
など、ほかの人にとってはどうとも思わない風景や場面であっても、本人だけが幸せを感じる場面には『情景』を覚えるでしょう。
情景の英語は『Scene』
衝撃的・感動的な風景と場面を表す『情景』を英語に変換してみましょう。
『Scene』
『情景』は英語で「シーン」と書きます。「シーン」を使用した英文は次のとおりです。
How did you think of the
その情景をどう思いましたか?
It is a dreamlike
夢のような情景だ
sentence to remember a
を思い浮かべる文章
変換した際、「シーン」のほかに「sight」「view」とも書きます。
情景と場景の違い
『情景』とよく似た言葉に、「場景」という言葉があります。読み方も同じく「じょうけい」です。
「場景」は、その場でのありさまや、光景だけを指した言葉であり心情ではありません。例えば「事故現場の場景を目にした」など、目撃したその場の風景や状態を指しています。
『情景』は心情、「場景」はその場の状況、と分けられるため全く別物です。
情景の使い方・例文
情景を使用した会話の例文を見てみましょう。
上司
新人
先輩
上司
情景は他人の心にも場面や風景を伝えることができる
『情景』は心が記憶する風景や場面です。体験・目撃した場面や風景が心に強く刻まれるほどの衝撃を覚えたとき、それが忘れられないものになるのです。
その場限りのイメージではなく、音楽や映像、言葉をきっかけに、フラッシュバックすることも。心をゆさぶられると、人は懐かしさや嬉しさ、感動を『情景』として呼び起こすことができるのです。
よく似ていて読みも同じ言葉に「場景」がありますが、「場景」はその場のありさまを表す瞬間的なものに過ぎません。心情を表す『情景』とは別物なので、使い方を間違えないように注意してください。