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「あからさま」の意味とは?「露骨」との違いや使い方まで徹底解説

『あからさま』には4つの意味がある

先輩

さっき使った会議室を次の会議が始まるまでに片付けておいてほしいんだけど。
これからですか?ちょっと今は手が離せないんです……。

新人

先輩

何よ、そのあからさまに嫌そうな顔は。じゃあ私が片付けておくわ。
あから、さま……。どういう意味ですか?

新人

日常会話でもしばしば使われるあからさまには『包み隠さず、明らかなさま』など、全部で4つの意味があることをご存知でしょうか。

よく『包み隠さず、明らかなさま』を表す表現として用いられますが、それ以外にも『物事が急に起こる様子』や『一時的』といった意味もあります。

今回はあからさまの意味や使い方だけでなく、混同されがちな「露骨」との違いについても紹介していきましょう。

あからさまとは『包み隠さず、明らかなさま』

あからさまは『物事を明らかにする』という意味で知られており、事実や状態をはっきりと示す場面で用いられます。また、感情をストレートに表現する場合にも使われる言葉です。

あからさまとは『物事が急に起こるさま』

2つ目は「たちまち」「にわかに」と同じように『物事が急に起こるさま』という意味で使われます。

あからさまとは『一時的なさま』

3つ目は、あからさまには限られた時間の長さを表す『一時的な』という意味で使われます。あからさまという言葉は、この『一時的な』が語源なので、最も古くから用いられている意味といえるでしょう。

あからさまとは『かりそめにも』

4つ目は、『かりそめにも』という意味です。『かりそめ』とは『一時的な』という意味のほかに『この場限り』『ちょっとしたこと』という意味を持ちます。      

あからさまの意味をチェック

先述のとおり、あからさまには『包み隠さず、明らかなさま』『物事が急に起こるさま』『一時的なさま』『かりそめにも』という4つの意味があることを紹介しました。
あからさまはどのような場面で使われ、どんな語源で成立した言葉なのでしょうか。ここで用法と語源を紹介していきましょう。

物事をはっきりさせること

あからさまには『物事をはっきりさせる』という意味があります。主に物事の様子や状態が明らかになっている場面で使われるため、基本的には客観的に明らかな状況を示す言葉です。

また、自分の気持ちや態度をはっきり示す場面でも用いられるので、しばしば「露骨」という言葉と混同されます。

あからさまの語源について

あからさまは、もともと『一時的な』『かりそめの』という意味で用いられていました。これは「あかる(散る)=離れる」と「さま(狭間)=少し」という2つの言葉の組み合わせが語源だからです。

しかし、近世以降はよく似た発音の「あきらか」という言葉と混同されるようになり、現在ではあきらかと同じように『物事をはっきりさせる』という意味で用いられることが多くなりました。

あからさまの英語表記

あからさまの英語表記は1つではありません。4つの意味に対応した英語表記は以下の通りです。

『はっきり』という意味の『outright』

    He’s in outright good mood on Friday evenings.
    彼は金曜日の夜になるとあからさまに機嫌がいい。

『急に』という意味の『suddenly』 

    Suddenly the weather turned bad.
    あからさまに天気が悪くなった。

『一時的に』という意味の『provisional』

    Let’s make a provisional schedule.
    あからさまの予定を立てておこう。

『かりそめに』という意味の『provisional』
『一時的に』と『かりそめに』という意味で用いる場合は『temporary』で統一して表記することも問題ありません。

    I’m moving into a temporary house.
    あからさまな建物に入居する。

あからさまと露骨の違い

あからさまと同じような意味を持つ言葉に「露骨」が挙げられます。露骨は「戦場に骨をさらす」という語源から「自分の本心や感情をありのままに示すこと」という意味を持ちます。

露骨を用いる場面では自分の感情を包み隠さずに表現しているので、客観的な状態を表しているわけではありません。これに対してあからさまは、誰が見ても明らかな状態を示す場合に用いられます

このよく似た2つの言葉を使い分ける場合には、自分の感情を包み隠さずに表現する場合は露骨という言葉を使い、感情に関わらず意思をはっきり示す場合には、あからさまを使うと正しく使い分けられるでしょう。

あからさまの使い方・例文

あからさまは実際にはどのように使うのでしょうか。ここではあからさまの例文を紹介します。

例文1

先輩

あなたは、別の先輩に声をかけられるとあからさまに嬉しそうに返事をするのね。
例文2

上司

顧客にはあからさまな社内事情を話さないように注意しよう。

あからさまの意味を理解して使いこなそう

あからさまは主に『包み隠さず、明らかなこと』や『露骨な様子』という意味で用いられますが、もともとは『急に』『一時的な』といった意味で用いられていました。使う場面は限られるかもしれませんが、これらの意味で用いても問題ありません。

より正確にあからさまを使いこなすためには、混同されがちな露骨との意味の違いを理解することが重要です。

ビジネスでも使われる可能性のある言葉です。ぜひしっかりと意味を理解しておきましょう。