頭を抱えるとは『心配なことがあって困り果てること』
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上記の会話からも分かるように、『頭を抱える』とは『心配なことがあって困り果てること』をいいます。「頭を抱える」の読み方は、「あたまをかかえる」です。言葉に表現しにくい気持ちや感情を表現する時に使います。
そんな「頭を抱える」の意味や例文、語源、頭打ちとの違いなどについて紹介します。
頭を抱えるの意味をチェック
「頭を抱える」という言葉には、『心配ごとや悩みごとで思案に暮れる』という意味があります。では、なぜ思案に暮れることが「頭を抱える」といわれるようになったのでしょうか。
その語源や類義語をお伝えします。
頭を抱えるのは自然な行動
頭を抱えるという言葉は、「頭」と「抱える」に分けられます。まず「頭」についてですが、人間は困ったり行き詰まったりした時、自然と頭に触れることがあるようです。
また、「抱える」は自分に負担となるものを抱えるという意味があります。つまり困って頭を抱えるその様子と、心に負担を抱えるという「動作」と「心理」が交わることで出来た言葉といえるでしょう。
頭を抱えるの類義語は何?
「頭を抱える」の類義語として「途方に暮れる」という言葉があります。「途方に暮れる」の意味は「どうすれば良いか分からず困り果てる」です。
「頭を抱える」と「途方に暮れる」に決定的な違いはありません。どちらも何らかの問題や障害に悩み、どうして良いか分からず困り果てることを表しています。
困り果てた状況や様子をどう表現したいかによって適宜使い分けると良さそうです。
頭を抱えるの英語表記
頭を抱えるを英語で表す場合、いくつかの表現があります。表現したい意味によって使い分ける必要があるでしょう。
それぞれ例文も挙げながら紹介します。
【with one’s head between one’s hands(頭を抱えている)】
My brother was reading with his head between his hands。
兄は頭を抱えて本を読んでいた。
【tearing one’s hear(頭をかきむしる)】
Big problems have him tearing his hair.
大きな問題で彼は頭を抱えている。
【gives someone a headache(頭痛を与える)】
This problem gives me a headache now.
この問題で今頭を抱えている。
頭を抱えると頭打ちの違い
頭を抱えると同じく「頭」という言葉を使う「頭打ち」についても見ていきましょう。「頭打ち」とは「物事が最高点に到達して、それ以上は上がらない状態」という意味です。
例えば人間の身長は、一定まで到達するとそれ以上は伸びることはありません。ある物事が最高点に達し、伸び悩む様子や限界を迎えたことを「頭打ち」という言葉で表現します。
頭を抱えると頭打ちの意味は異なりますが、どちらも「頭」が関係しています。「頭を抱える」の頭が具体的な人間の頭部を指すものであるのに対し、「頭うち」の方は、人間の体の一番上にあるのが「頭」であることから、最高点や頂点という意味の比喩として頭を使っています。
つまり、「頭打ち」とは「これ以上に上はない」という意味で、そこから「物事が最高点に到達して、それ以上は上がらない」という意味で使われるようになったとされています。
頭を抱えるの使い方・例文
それでは、頭を抱えるとは実際どの様な場面で使われるのでしょうか。例文を2つ挙げてご説明します。
新人
先輩
上司
[おまけ]ムンクの叫びは頭を抱えているのではない?
頭を抱えるを動作で表すと、「自分の頭を両手で挟んで抱え込む動作」といえます。何か大きな失敗をした時や、悩み果てた時に誰でも一度は取ったことのあるポーズではないでしょうか。
その動作の例として、ムンクの『叫び』の絵のポーズは頭を抱える姿を連想する方も多いでしょう。しかし、実はあのポーズは「頭」を抱えているのではないことをご存知でしょうか。
「頭」ではなく、どこからか聞こえる叫び声を聞くまいと「耳」をふさいでいるのです。また、人は「頭を抱える」とき、ムンクの絵のように恐怖で叫ぶような顔はしません。
一般的に「頭を抱える」の場合は、耳のより上に手を当てて、眉根にしわをよせ、口は閉じたまま顔をゆがめるでしょう。このことをふまえて、改めて「ムンクの叫び」を見てみると違った気づきがあるかもしれませんよ。
『頭を抱える』のは悪いことではない
この記事では、「頭を抱える」という言葉の意味や正しい使い方を解説しました。頭を抱える時の心理状態はどちらかといえばネガティブな状況ではないでしょうか。
その影響から、どこか『頭を抱える』という言葉に悪い印象を持っている方も多いでしょう。しかし実際には、困っていることを無意識に表現しているので、必ずしも悪い時にだけ使われる言葉ではありません。
例えば、部下の状況について頭を抱えるを使う場合には、どこか「可愛い」などの親心も見え隠れしています。つまり頭を抱えるという言葉は、利用シーンや前後の文脈などを見極めながら使う必要があるということです。
また「途方に暮れる」との違いも理解して状況によって使い分けることを意識しておきましょう。