充足とは『満ち足りること』
上司
新人
上司
充足は会話の中でもよく出てくる言葉ですが、『何もないところや足りない部分を満たす』意味合いがあります。新人君は残念ながら優秀な人材の中には含めてもらえなかったようですね。
充足には似たような言葉もあり、正しい意味を理解して使うことが大切です。この記事では、充足の意味や使い方について紹介しましょう。
充足の意味をチェック
『充足』とは、『満ち足りること』という意味です。中身がいっぱいという意味の「充」と「足りる」という意味の「足」という、同じような意味の漢字を組み合わせた言葉になります。
漢字を見るだけでも『満ち足りている』という意味が伝わり、使う場面を間違える人は少ないかもしれません。しかし、充足には似たような漢字の言葉や類義語がいくつかあり、しっかり意味を理解しておく必要があります。
不足しているものを外から補う
充足には、『不足しているところに外から補って満たす』という意味合いがあります。特定の対象があり、そこを満たすというニュアンスです。補足という言葉で言い換えることも可能です。
充実も同じ意味?
充足と似た漢字の言葉に「充実」があります。字は似ていますが、意味はかなり異なります。充実には充足のような「不足している」という前提はなく、もともと不足したところはなくて必要なものが備わっていることや、内容が満ちていて豊かなことを表すのです。
『充足』は『外から補って満たすこと』、充実はもともと備わっていることと覚えておくのがいいでしょう。
充足の英語表記
充足の英語表記はいくつかあり、『satisfaction』『sufficient』『fulfillment』がよく使われます。名詞ですが、文脈の中では動詞や形容詞に変わることもあります。
これら充足の英語を使った例文を紹介しましょう。
We have to make a plan to satisfy talented people.
優秀な人材を充足させる方策を立てなければならない。
The food needed in the disaster area is now sufficient.
被災地で必要とされていた食料は、現在では充足している。
Sufficient staff to handle sudden illness.
急な病欠にも対応できるように、人員を充足させる。
充足と満足の違い
充足と似た言葉に、満足 (まんぞく)があります。満足には「完全なこと、十分なこと」「望みが満ちたりて、不平不満がないこと」という2つの意味があります。
1つめの意味であれば充足と変わらず、充足を満足と言い換えても間違いではありません。
しかし、2つめの意味は「不平不満がないこと」という心の状態をあらわしていて、充足とは違う意味です。満足と言うべきところを充足と言ってしまうと間違いになります。
満足の例文を見てみましょう。まず、1つめの意味の満足を使った例文を紹介します。
こちらは、充足に置き換えても通じます。
次に、2つめの意味の満足を使った例文を紹介しましょう。
こちらは「望みが満ち足りた」という意味の満足なので、充足に置き換えることができません。
充足の使い方・例文
日常会話でも使われる充足という言葉、ビジネスの現場ではどのように使われているのでしょうか。例文を見ていきましょう。
先輩
新人
[おまけ] 類義語の「会心」との違いもチェック
『充足』と似た言葉には、「満足」のほかに「会心(かいしん)」もあります。会心は「心にかなうこと、期待どおりにいって満足すること」という意味です。
日常会話ではあまり出てこない言葉ですが、文章ではよく使われます。充足が単に内容を満たすという意味なのに対し、会心は満足するという心の状態をあらわしています。
「会心」の例文を見てみましょう。
時間をかけて描きあげたその作品は、会心の出来だった。
充足の正しい意味をしっかり覚えよう
充足には充実や満足など似た言葉があり、それぞれニュアンスが異なります。充足は外から補って満ち足りる様子、充実はもともと備わっているものに対する表現と覚えておきましょう。心の状態を表す表現に使う場合、満足を充足に置き換えることはできません。この記事で正しい言葉の意味を理解し、ビジネスシーンでもしっかり使い分けてください。