契機とは『物事が始まった直接的な要素のこと』
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この会話のように『契機』とは『物事が始まった直接的な要素のこと』です。この記事では契機について、正しい意味や語源、英語表記などを紹介します。また「原因」との違いも解説しますので、ぜひ覚えていってくださいね。
契機の意味をチェック
前述のとおり、『契機』とは『物事のきっかけになった出来事』のことです。変化が生じたり、物事が始まったりする直接的な要素を表しています。
ここからはその意味をもう少し深掘りしてみましょう。
契機の由来はドイツ語「Moment」
『契機』という言葉の由来は、ドイツ語の「Moment(モーメント)」からきています。「Moment」の意味は「瞬間、きっかけ、要因」などです。
そして「Moment」の語源は、ラテン語である「mouere」といわれています。「mouere」は「物事を動かして決定する根拠」という意味です。
「〜を契機に」は動機となる名詞がセットで使われる
契機の使い方として「〜を契機に」や「〜の契機となる」などが一般的です。「〜」の部分には、物事のきっかけとなった出来事や動機となる「名詞」が入ります。例えば「転職を契機に」や「成功の契機となる」などです。
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契機の英語表記
契機にはおもに3つの英語表記があります。そのときの状況などによって使い分けしているため、例文で紹介しましょう。
【chance】
This was to be a chance for the power of nation to expand nationwide.
これは国の力が全国的に展開する一つの契機となる。
【opportunity】
I took the opportunity of retirement to begin studying flower arrangement.
退職を契機に華道を始めた。
【momentum】
From this, it was a momentum to increase woman customers.
このことから、女性客を増やす契機となった。
契機と原因の違い
契機とよく似た言葉で「原因」があります。前述のとおり契機とは『物事を起こすきっかけ』という意味ですね。一方、原因とは「物事を起こすことになったおおもと」を指します。
例えば「病気が治った」という文をもとに考えてみましょう。この例文では「病気→原因」で「治った→結果」と分析できます。つまり、この短い例文のなかにはきっかけになる契機はありません。
今度は「病気が新薬のおかげで治った」という例文で考えてみます。「病気→原因」「新薬→契機」「治った→結果」となりますね。つまりこの例文の場合には、新薬が契機となっているのです。
契機の使い方・例文
契機という言葉を日常会話で使う場合、どんな形になるのでしょうか。2つの例文を挙げて紹介します。
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[おまけ]「発端」や「きっかけ」との違いについて
契機の言い換え表現は多いですが、そのなかでもよく使われる「発端」と「きっかけ」について説明します。
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・発端(ほったん):物事の起こりや始まりのこと
・きっかけ:物事を始める手がかりや動機、はずみ、機会
発端は物事が始まった最初の部分のことをいいます。契機は最初の部分というよりも、物事の動機を意味しているためニュアンスが異なりますよね。
また、きっかけとは「切っ掛け」とも書き、手がかりというニュアンスを含んでいます。例えば「話のきっかけを探す」という文章で契機に置き換えると不自然になるのです。
両者とも契機の類義語であるため言い換え表現として使えます。しかし前後の言葉や文章のニュアンスによっては、言い換えられないことも覚えておきましょう。
ビジネスでも失敗を契機に体制を立て直そう!
契機とは『物事が始まった直接的な要素』です。発端やきっかけとは似た意味を持ち、場合によっては言い換えることもできます。しかし混同されてしまうことの多い「原因」とは言い換えられません。契機と原因の違いをよく覚えておきましょう。
また契機を使った言葉で「失敗を契機に」とありますが、ビジネスでは失敗がつきものです。ぜひ諦めずに失敗を契機に体制を立て直して、成功の鍵をつかみましょう。