対峙には2つの意味がある
先輩
上司
『対峙』とは、『対立するものが向かい合ったまま、動かないさま』を表すときに使う言葉です。大きくわけて2つの意味があります。次にくわしく説明しましょう。
対峙とは『山などが向かい合ってそびえるさま』
1つ目の意味は、『山などが向かい合ってそびえるさま』です。たとえば、「谷を隔てて対峙する岩峰」というような使い方をします。
対峙とは『対立するものがにらみ合ったさま』
2つ目の意味は、『対立するものがにらみ合ったさま』です。敵同士がにらみあったまま、動かない様子を表わしています。1つ目の「大きな山などが向き合っているさま」という意味から、対峙する勢力は力の大きいものを指すことが多いです。たとえば、「戦争中、両軍の勢力が対峙して1週間動かなかった」というふうに使います。
また、人に対しても用いる言葉です。たとえば、「自分自身と対峙する」や「ライバルと対峙する」などと使います。何かしらの対立や問題がある人や物事に向き合う場合に使われます。
対峙の意味をチェック
対峙とは、『対立するもの同士がにらみ合ったまま動かないさま』を意味し、ビジネス上でもよく使われます。類義語も多い言葉なため、きちんと使い分けられるように理解しましょう。多くの言葉について知識があると、スマートな印象を人に与えることができ、仕事をするうえでも好感度が上がります。
対峙の類義語は
対峙の類義語は、「対決」や「対抗」、また「正対」といった言葉が挙げられます。
「対決」は、「両者が相対して成否や優劣などを決めること」という意味。「対決」は最終的に優劣を決めるという意味が含まれますが、『対峙』はどちらかというと『向き合っているさま』に重点が置かれています。「両軍が対決する」と「両軍が対峙する」ではニュアンスが異なることがわかるでしょう。
「対抗」は、「互いに張り合うこと」を意味する言葉です。「ライバル学校に対抗して、週末も練習に励む」というように使います。
「正対」は、「対象にまっすぐ向くこと」や「相手に正面から立ち向かうこと」を意味します。対峙と同じような意味ですが、あまり聞き慣れず普段からよく使うという言葉ではありません。
対峙の対義語は
対峙の対義語は、「回避」や「逃避」です。
「回避」とは、「故意に避けること」や「肉体的、精神的に逃げる」ことを意味します。対峙が正面から向き合うことなので、全く反対の意味にあることがわかるでしょう。
「逃避」とは、「なんとか逃げること」や「取り組むべきことから逃げて避けること」といった意味。「あまりにもたくさんの宿題がありすぎて、現実逃避してゲームをした」というふうに使います。
対峙の英語表記
対峙の英語表記は3つあります。こちらも例文を交えて紹介しましょう。
・opposition(抵抗、対立、敵対)
彼女はあくまでも抵抗した。
・face to face(面と向かって、差し向かいで、直面して)
敵同士がしばらくの間、面と向かい合った。
・confront(直面する、と向かい合う、立ちはだかる)
彼らは、敵と対峙するつもりだ。
対峙と対立の違い
対峙とよく似た意味に「対立」があります。「向かい合って敵対敵に反対し合うこと」、「対決」や「対抗」という意味。「対峙」は、「対立するもの同士が向き合って動かないさま」という状態に重きが置かれます。これに対して、「対立」は、「2つの勢力が意見や立場の違いから半目し合うこと」と感情的な部分により重きが置かれているのがわかるでしょう。
たとえば、「新しいく建設される工場について、自治体と住民が対立する」というと、感情的な部分にフォーカスされます。これに対して、「新しく建設される工場について、自治体と住民が対峙する」とあると、自治体と住民がお互いの意見の違いのために向き合っている状態を意味するのです。
対峙の使い方・例文
それでは、対峙はどのように使われるのでしょうか。ここでは、例文をいくつか紹介しましょう。
先輩
新人
対峙の意味をきちんと理解して正しく使おう
対峙には、いくつかの類義語があり微妙にニュアンスが異なるため、シーンに合わせて使いこなせるようになりましょう。多くの言葉について知識が増えることで表現力がアップします。また、対峙の英語訳もいくつかあるため、間違えずに使えるようにきちんと理解することが大切です。