懐が深いとはどんな言葉?
新人
上司
新人
懐が深いに「なつく」は関係ありません。
懐が深いは「懐が深い女性」のように人間に対して使うのが一般的な言葉。恋愛相手には、懐が深い人がおすすめなどといわれる場合もあります。日常生活でも懐が深いを耳にする機会は少なくないのではないでしょうか?
しかし、懐が深いはとある理由から、現代人には意味をイメージしにくい言葉にもなっています。
懐が深いについて学び、ビジネスマンにふさわしい国語力を身につけましょう!
懐が深いの意味とは「受け入れる能力が大きい」
懐が深いは、受け入れる能力が大きいことを表す言葉。「ふところがふかい」と読み、次のような意味をもっています。
②幅広い知識や能力をもっている
③相撲で2人の力士が組んだとき、両腕と胸で広い空間を作るようにガードし、相手にまわしをとらせないこと
包容力はそのまま受け入れる力。
たくさんの知識や能力を身につけている人には、それらを受け止め理解する能力があるだろうと考えられますね。
相撲の場合は、相手を受け止める技術が優れているというニュアンスです。
①②③で異なる意味になっていますが、度量が広いという点は共通しています。
懐が深いの語源・由来
懐が深いの「懐」とは、和服を着たときに着物と胸の間にできる隙間のこと。
昔の人は、懐に財布など大事なものを入れていたといわれています。
着物を着る機会が少ない現代人にはイメージしにくいかもしれませんが、懐がポケットのように使われていたと思ってください。
大事なものを入れるスペースが広いというところから、懐が深いという言葉になりました。
懐が深いの使い方・例文
懐が深いは「包容力がある」という意味合いのときもあれば「知識や能力をたくさん蓄えている」ことを表す場合もあります。例文で、ニュアンスを読み取る練習をしてみましょう。
上司
先輩
例文1の「懐が深い」は「包容力がある」という意味。
上司
新人
例文2は「知識や能力をたくさん蓄えている」。
先輩
例文3の場合は、これだけではどちらの意味になるのか判断できません。優しい女性になりたいと考えているのなら「包容力」でしょうし、仕事ができるバリバリのキャリアウーマンを目指しているのなら「知識や能力」になります。
どちらが正解かわからないときには、本人に尋ねてみることをおすすめします。
懐が深いの類語
懐が深いの類語は「度量が大きい」や 「器の大きい」などです。
器の大きい:小さなことをいちいち気にしない
清濁併せ呑む(せいだくあわせのむ):善悪関係なく来るものはすべて受け入れる
寛大な:度量が大きく、思いやりがある
難しい言葉を避けたいならば、カタカナ語を使って「ウェルカムな」というのもあり。雰囲気に合わせて使い分けましょう。
「懐が広い」「懐が大きい」は懐が深いの類語?
懐が深いは「懐が広い」や「懐が大きい」といわれる場合も。この3つは、同じ意味で使われている言葉です。
しかし「懐が広い」と「懐が大きい」は、誤用なのではないかともいわれています。
「懐が深い」+「心が広い」→「懐が広い」
「懐が深い」+「器の大きい」→「懐が大きい」
上記のように「懐が深い」とほかの慣用句が混じってしまった言葉とも考えられるためです。
誤用だとしても、意味は通じますよね。だから、ほかの人が使用していても、わざわざ訂正する必要はありません。しかし、自分から発言するときには用いないほうが無難です。
懐が深いの対義語
懐が深いの反対のニュアンスを表現したいなら「心が狭い」や「器の小さい」を用いるのが簡単でおすすめ。
別の言葉を使いたいなら次の言い方もありです。
度量が狭い:心が狭い
料簡(りょうけん)が狭い:考えや気持ちが狭い
しかし「懐が狭い」とはいわないので注意しましょう。
懐が深いの英語
懐が深いを英訳したいときには「broad-minded」を使います。
broad:幅の広い
minded:~な心の
「broad-minded」で、心が広いという意味。
「tolerant(寛容な)」を使用してもニュアンスを伝えられますよ。
懐が深い人を目指そう!
懐が深い人は、周囲とトラブルになるケースが少ないのでビジネスに有利です。
また、包容力があり分け隔てなくたくさんの人と接することができるため、周囲から好意的な評価を得やすいという特徴もあります。
懐が深い大人になるには「偏見を持たない」「小さなことにこだわらない」「ちょっとのことで怒らない」など、日ごろの行いから変えていかなければなりません。できそうなところから挑戦してみましょう。