「様方」は「世帯主」と「受取人」の苗字が違う際に使う
山田太郎様方 鈴木一郎様
実家から遠い大学に通うために、親戚の家に居候をしていた人もいるのではないでしょうか。親戚とはいえ、肩身の狭い思いをしたかもしれません。
郵便物も「山田太郎様方 鈴木一郎様」のように記載されて送られてくるので、下手なものは注文できませんね。
「様方(さまがた)」とは世帯主と受取人の苗字が違う際に使う表現。上記でいえば、世帯主が「山田太郎」で受取人が「鈴木一郎」。
「様方」の目的
「様方」を使う理由、それは配達員が迷わないようにするため。住所が記載されているとはいえ、世帯主と受取人の名前が違うと混乱しますよね。それを避けるために「様方」は使用されます。
同じ苗字の場合は?
「様方」の目的が配達人の混乱を避けるためということがわかれば、おのずと答えは出るはず。
そうです。世帯主と受取人の名前が偶然同じ場合は「様方」は必要ありません。
子どもの場合は「様方」はいる?
「様方」は苗字が違う他人同士の場合に使用します。そのため、受取人が子どもであっても家族の場合は「様方」は必要ありません。普通に「子どもの名前+様」でOK。
しかしながら、子ども宛ての場合は「親の名前+様方 子供の名前+様(君、ちゃん)」で出すべきという人もいます。子ども宛であっても親にも目を通してほしい場合はこのようにするといいかもしれません。
「様方」の使い方
「様方」を使うケースには例えば以下のようなものがあります。
・居候 ・下宿 ・同棲 ・夫婦別姓 ・二世帯家族 など
大家さんの部屋を間借りするような「下宿」は最近ではあまり見かけませんね。逆に「夫婦別姓」は現代ならではのケースといえるかも。
「様」を忘れないように
郵送物を送りたい相手が他人の家に居候をしていたとします。その際、相手が「これ私の住所」と渡してきた紙に「山田太郎方 田中花子」と書いていたとします。
ついつい、「山田太郎方 田中花子」と書いてしまいがちですが、世帯主の方にも「様」を忘れないように。特にデータで渡された場合は忘れがちです。注意しましょう。
「気付」とは
会社の場合はどのように記載するのか分かりますか。
そもそも「様」じゃなくて「御中」だから…「御中方」かな
会社というとあまりイメージが付かないかもしれませんが、病院に入院中の人やホテル暮らしの人宛てに郵送物を送るケースはあるでしょう。
個人の住所以外を仲介して送る場合は「様方」ではなく、「気付(きづけ)」を使います。
○○ホテル気付 鈴木一郎様
気付を使うケース
・ホテル滞在中 ・入院中 ・コンビニ受け取り ・企業のある人を仲介 など
コンビニ受け取りの場合は、「気付」の代わりに「留」でもOKです。
「様方」を英語で
Mr.Ichiro Suzuki,C/O Mr.Taro Yamada ⇒山田太郎様方 鈴木一郎様
「様方」は英語では「C/O」で表されます。「C/O」は「care of」の略。受取人の名前が先、世帯主の名前が後にきます。日本とは順序が逆なので間違えないようにしましょう。
「気付」の場合は「ATTN(attentionの略)」使いますが、「C/O」でもOKです。
役立つ「様方」
「様方」はそれほど頻繁に使うことはないかもしれませんが、覚えておくと役立つ表現です。「様方」と一緒に「気付」もマスターしておきましょう。