職務分掌とは『仕事の範囲と責任を明確にすること』
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職務分掌の意味はわかりましたか?社内で業務をするうえで重要な言葉です。言葉の意味や導入された背景など、解説します。
職務分掌の意味をチェック
職務分掌には『仕事の範囲と責任を明確にすること』という意味があります。
『会社内の役職者、部署、担当者がするべき業務内容を決め、それぞれの業務に関する権限と責任を明確にして、業務内容の役割を分担すること』を意味しています。現在では職務分掌で規定された内容を文書化している企業もたくさんあり、重要度が増しています。
職務分掌はなぜ必要なのか
会社が大きくなればなるほど、職務分掌の必要性が増します。組織が複雑化すると、全体像の把握が難しくなります。
また業務によってはどの部署が担当すべきなのか、簡単に判断できない場合も。異なる部署の異なる担当者がひとつの業務をやろうとすると、混乱が起きてしまうのです。
また、逆にこの業務は別の部署が担当するだろうと考えた結果、どの部署も動かずに、放置されたままになりかねません。
複雑化した業務を混雑した道路にたとえるならば、『交通整理する役割』を果たしているのが職務分掌です。
職務分掌のメリット
具体的には職務分掌を作成するメリットとはどんなことがあげられるのでしょうか。大きくわけると、次の3つが考えられます。
1.作業の効率化
担当する業務の区分けが明確であれば、無駄な労力を使わずに業務に集中でき、個人としても会社組織全体としても作業の効率化が期待できます。
2.人材育成しやすい環境の形成
役割が明確になることは人材育成でも大きなプラスがあります。線引きがはっきりすることで、取り組むべき範囲が明確になり、教える側も教わる側もポイントを絞ることが可能になるからです。
3.内部統制がとりやすくなる
仕事の分担が明確になることによって、1人の担当者への権限の集中を防ぐことができ、内部統制がとりやすくなり、リスクマネジメントにもつながります。
職務分掌のデメリット
デメリットもないわけではありません。大きくわけると、次の2つです。
1.社員の業務を制限してしまうこともある
業務内容が明確に線引きされることによって、やれる範囲が狭められてしまう危険性もあります。行動が制限されることによって、本来ならば達成できたはずのことができなくなってしまうこともありえるのです。
2.社員の積極性が減退する可能性も
業務の範囲が明確になることでやれる範囲だけやっていればいいんだ、という守りの姿勢を助長してしまう危険性があります。職務分掌はプラスも多いですが、使い方によってはマイナス面も考えられるので、導入するさいにはさまざまな事態を想定して、柔軟に対応する必要があります。
職務分掌の英語は『Segregation of Duties』
職務分掌の英語は『Segregation of Duties』です。Segregation は分離、隔離などの意味があります。DutiesはDutyの複数形で、Dutyは義務、務め、責務、職務、任務などの意味があります。『Segregation of Duties』が使われている英語の例文を見てみましょう。
職務分掌の制約。
職務分掌の目的はなんですか?
職務分掌と業務分掌の違い
職務分掌と似た言葉に業務分掌があります。最初の1文字しか違わず、残りの3文字は同じなので、混同されることもありますが、意味は異なります。
業務分掌は組織全体ではなくて、もっと細かくわけられた部門や部署における業務の範囲を規定しているものです。職務分掌が組織全体の中での区分けだとすると、業務分掌は部門の中での区分けと考えると、わかりやすいでしょう。
職務分掌の使い方・例文
職務分掌という言葉、どんな場面で使われているのでしょうか? 具体的に見ていきましょう。
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職務分掌の仕組みを理解して活用しよう
職務分掌、字面が堅苦しそうなイメージがあって、ちょっととっつきにくい言葉かもしれません。今後ビジネスシーンでは使われるケースが増えそうですから、正しい言葉の意味を理解して正しい使い方をしてくださいね。