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和洋折衷とは?語源や使い方、類語や英語表現を解説

先輩

週末、友達と一緒に泊まったホテルが明治時代の建物でね。建築様式が和洋折衷で、おしゃれだったよ!
いいなぁ…僕も彼女と一緒に泊まってみたい!ところで和洋折衷って、たまに聞きますけど、どういう意味ですか?

新人

建築や料理、ファッションなどさまざまな分野で耳にする「和洋折衷」。どんな意味かご存知でしょうか?

今回は「和洋折衷」の語源や使い方、類語や英語表現についても徹底解説します。

和洋折衷とは?

和洋折衷は「わようせっちゅう」と読みます。「和」は日本「洋」は西洋のこと。「折衷」は、異なる考え方や物事をほどよく取り合わせて、1つにとりまとめることを意味します。

和洋折衷
日本風と西洋風をほどよく取り合わせて用いること。

和洋折衷の由来は?

「和洋折衷」は明治時代に定着した用語です。その根底にあるのは、幕末に活躍した朱子学者・斎藤拙堂が提唱した「和漢洋」です。

「和漢洋」は、日本・中国・西洋の文化を織り交ぜながら、より良いものをつくろうという考え方。もともと日本には、中国からさまざまな文化や技術を取り入れてきましたが、西洋の知見からも学ぶべきだという主張です。

明治に入ると西洋文化が急激に流入。富裕層を中心に日本家屋に洋間を取り入れるなどの新たな建築様式が流行します。これが「和洋折衷」と呼ばれ始め、次第に建築以外の分野でも西洋文化を取り入れる試みが活発化。食事や服装など「和洋折衷」スタイルが人気を博すようになりました。

和洋折衷を使った例文

「和洋折衷」の使い方を具体的な例文でチェックしておきましょう。

例文
・この建物は大正時代に建てられた和洋折衷で、当時の流行が垣間見えます。
・招待客は若い人だけでなく年配の人も多いので、料理は和洋折衷のメニューにしましょう。
・着物にブーツを合わせるといった和洋折衷コーデは、若い人の間でも人気だ。

和洋折衷の類語は?

「和洋折衷」の類語には「和魂漢才(わこんかんさい)」「和魂洋才(わこんようさい)」があります。「漢=中国」「洋=西洋」の違いはありますが、意味はほぼ同一です。

和魂漢才・和魂洋才
日本の伝統精神を保ちながら、中国/西洋の学問や文化に学び、両者を調和させること。

言葉の成り立ちとしては「和魂漢才」が先で、「和魂洋才」はそれをもじった表現。「和洋折衷」同様、日本が西洋文化を積極的に取り入れ始めた明治時代以降に定着した用語です。

違いは「和洋折衷」が日本と西洋の「いいとこどり」であるのに対し、「和魂漢才」と「和魂洋才」は、異文化を吸収することで、日本の文化を発展させるという意味。後者の方が、日本文化を中心に据えた考え方といえます。

例文
・古典を読むと当時の教養人が、いかに和魂漢才の精神を宿していたか理解できる。
・明治時代は国力強化のため、和魂洋才が盛んに唱えられた。

和洋折衷を英語で表現すると?

「和洋折衷」は日本独特の考え方。直接の英訳は難しいですが「combination of Japanese and Western style(日本風と西洋風の組み合わせ)」という表現を使うことで、ある程度理解を得られます。

例文
・a combination of Japanese and Western cuisine(和洋折衷の料理)
・a house that combines Western and Japanese style architecture(和洋折衷の家)

長く愛され続ける和洋折衷

現代は西洋だけでなく、グローバルで多様な文化が入り混じる時代。明治の頃には最先端だった和洋折衷様式も、今ではどこか懐かしい印象を覚えるノスタルジックなものに変化しています。しかし100年以上たった今でも、愛され続けるスタイルであることに変わりはありません。時代を超えて、この先もさらに展開していくかもしれませんね。