ストレスコーピングとは『ストレスに上手く対処する方法』
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上の会話のように、何らかの原因で大きなストレスを感じたときに活用してほしい『ストレスコーピング』は、『ストレスの対処法の1つ』です。ストレスが溜まると心身に悪影響を及ぼすことは多くの人がご存知でしょう。
そこで「大きな声で歌を歌う」「好きなことをする」などでストレス発散している人もいます。こうしたストレスを発散させることも『ストレスコーピング』の一部です。
この記事では、『ストレスコーピング』の意味や言葉の使い方などをわかりやすく解説していきます。
ストレスコーピングの意味をチェック
ストレスコーピングとは、『ストレスにうまく対処する方法』のことをいいます。
そもそもストレスのメカニズムは、ストレスの原因になりうる出来事「ストレッサー」、ストレッサーを自分で認める「認知」、その後身体に悪影響を及ぼし「ストレス反応」が出るという流れです。
このメカニズムのうち、認知の時点でストレスが発生します。認知の状態が長く続けば、いずれ身体はストレスに耐えられなくなり、うつ病や過食症などのさまざまな病気を発症してしまう恐れがあるため注意が必要です。
ストレスコーピングの方法は主に2種類
ストレスコーピングの方法は「問題焦点型」と「情動焦点型」の2つに大別できます。
問題焦点型とは、ストレスの原因であるストレッサーに働きかけることで、問題を解決しようという方法です。たとえば、上司からのパワハラで悩んでいる場合は「私の何が問題なのですか」などと上司に直接話をすることや、人事部などに相談して問題を解決してもらうことなどが挙げられます。有効的な手段ではありますが、なかなか実行に移すことが難しいところがデメリットです。
一方、情動焦点型とはストレッサーに働きかけるのではなく、ストレスによって生じた自分の感情に働きかけて考えや感じ方を変えます。上司からのパワハラ被害を受けている人は、上司や人事部に相談するのではなく、自分自身のなかで上司のいい面を探してみたり、上司とは価値観が異なることを認識してみたりと自分の感情をコントロールするのです。
ストレッサーに働きかけて状況の変化が見込める場合には問題焦点型、そうでない場合には情動焦点型のストレスコーピングが適当だと考えられます。
働きやすい環境を整えるために企業がやるべきこと
社員をさまざまなストレスから守るために企業が行うべきことは、具体的には次のとおりです。
・研修を定期的に開催する
・面談を行ったり休暇を取得させたりと「自分と向き合う時間」を与える
など
たとえば、毎日残業するほど忙しい時期に研修を組み込むと社員の負担になってしまいます。また研修に参加することは勤務時間に含めるように設定しておくと、社員のストレスも軽減されるはずです。
ストレスコーピングのために取り入れた体制が、反対にストレスを与えないように注意しておきましょう。
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ストレスコーピングの英語は『stress coping』
ストレスコーピングの英語表記は『stress coping』です。「stress(ストレス)」とはそのままの意味で、「coping(コーピング)」とは対応力・対処力という意味になります。日本語と同じ意味で使われているため、例文をあげてご説明します。
ストレスを溜めないように、ストレスコーピングを正しく取り入れよう。
社員の健康を守るためにストレスコーピングに取り組む。
ストレスコーピングとストレスマネジメントの違い
似た言葉に「ストレスマネジメント」があります。これは、ストレスを管理するという意味で、対処する方法ではありません。マネジメントを行うことで、肉体的・精神的に健康な状態を保つための正しい対処方法を見つけられます。
一方、ストレスコーピングは『方法や手段のこと』です。したがって、ストレスマネジメントのなかにストレスコーピングがあるといえます。
ストレスコーピングの使い方・例文
最後に、ストレスコーピングという言葉をビジネスシーンで使用するとどうなるのかについて解説します。わかりやすく例を挙げてみましょう。
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先輩
ストレスコーピングで労働環境を整えよう
十人十色という言葉があるように、人それぞれに考え方や感じ方などが異なります。それゆえに自分と合わないことに対してストレスを感じてしまうのです。ぜひ、ストレスコーピングを正しく行って、健康的に働けるように労働環境を整えていきましょう。