社外取締役とは『社外から企業経営を監督できる権限を持つ人』
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社内取締役はその会社に属する取締役のためイメージしやすいのではないでしょうか。しかし、今回紹介するのは『社外取締役』です。同じ取締役という役職でも、その役割は大きく異なります。この記事で社外取締役の意味や役割、言葉の使い方などについて解説します。
社外取締役の意味をチェック
社外取締役とは、その文字のとおり、『その会社で業務経験のない、社外にいる株式会社の取締役』です。
社内取締役の場合は、これまで会社に雇用してもらったことなどを理由に利害関係や内部のしがらみが発生してしまいます。ときにこうした利害関係や関係性は経営に悪影響を及ぼすこともあります。例えば、どうしても最高責任者である社長に逆らえず、間違った手法を行ってきたことで経営が思わしくない状況になってしまったというトラブルも珍しくはありません。
一方、社外取締役ならば会社とは直接的な利害関係がないため、思ったことや感じたことを素直に意見することが可能です。こうした第三者の視点から経営を支えることが社外取締役の使命といえます。
コーポレートガバナンスの強化に努める
コーポレートガバナンスは日本語訳で「企業統制」を意味しています。つまり、社外取締役の仕事は、会社がきちんと法律を守ったうえで暴走していないかを監視することなのです。このコーポレートガバナンスの強化に努めることこそが、社外取締役の存在意義といえます。
通常の取締役と同じ会社に対しての義務がある
社外取締役は会社と利害関係がないという点が特徴ですが、だからといって会社に対して責任がないわけではありません。通常の社内取締役と同様に会社に対して義務があります。なかでも一番大きな義務である、「競業避止義務(きょうぎょうひしぎむ)」に注意しましょう。
競業避止義務とは、自分が社外取締役として監督している会社から得た情報などを競合他社に流したり、その情報を利用して自分自身で起業したりしてはいけないという義務です。
その会社の社外取締役を退職して、別の会社の社外取締役に就くことになった場合、前職の退職時に競業避止義務の書類にサインしていると新しい職場に就けない恐れがあります。掛け持ちも許されている社外取締役ですが、この義務を違反しないように注意しておきましょう。
上場企業では最低2人の社外取締役を設置する
現在、上場企業には最低2人の社外取締役を設置しなければならないという義務があります。もともと社外取締役制度が日本にやってきたのは、2002年のことでした。
この年の商法改正時に初めて導入され、さらに2014年には、上場企業に社外取締役を置くよう強く促されています。もしも設置しない場合には、その理由を株主総会にて説明しなければなりません。
その後2015年に、上場企業は最低2人以上の社外取締役を設置するようにと義務付けられたのです。これは、企業規模が大きくなるにつれて、社内の人間だけではコーポレートガバナンスを保ちにくくなるためだと考えられます。
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社外取締役の英語は『outside director』
この言葉の英語表記は『outside director』で、日本語と同じ意味で使われます。例文を見てみましょう。
社外取締役が選任される。
社外取締役の役割。
社外取締役と特別取締役の違い
よく似ている言葉で「特別取締役」という役職があります。特別取締役とは、会社の重要な財産処分や借財・譲受などに関する決定を行うことができる権限を持っている取締役のことです。取締役会の指示を直接受けずとも、自らの意志で活動できるため企業の迅速な意思決定に役立ちます。同じ取締役という名前でも、会社とは一切の利害関係を持たない社外取締役とは役割が異なるのです。
社外取締役の使い方・例文
最後に、社外取締役という言葉をビジネスシーンで活用するとどうなるのでしょうか。例文を挙げてみましょう。
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先輩
社外取締役になるなら覚悟を決めて企業経営に取り組もう
「〜取締役」という言葉が多くありますが、一つ一つに意味があります。そして、第三者の立ち位置から意見を述べることができる社外取締役は、社内取締役と同じように多くの責任を持つことになります。社外取締役という言葉を正しく理解しておいてくださいね。