河童の川流れとはどんなことわざ?
新人
上司
新人
河童の川流れで、新人君は河童がライン下りを楽しみ、人間のようにゆるゆるざぶざぶと川を下っていく様子を連想したようですね。
でも、その想像は間違い。河童の川流れはそのように楽しげな意味合いのことわざではありません。もし、ビジネス会話でそんな説を披露したら笑われてしまいますよ。
職場で恥をかかないように河童の川流れについて学び、国語力をアップしましょう!
河童の川流れの意味とは?
河童がどんな生き物か気になるところではありますが、まずは河童の川流れの意味合いを確認します。
②どんな達人でも油断をすれば、普通ではしないような失敗をしてしまう
①の意味の場合、たとえその道を究めた達人であっても、人である以上ミスはゼロではないというニュアンス。
②は、人の油断を戒める意味合いです。
河童の川流れの語源・由来
河童の川流れの由来は、文字通り河童といわれています。
泳ぎが得意な河童でも失敗することはある
河童は、水の中に棲んでいると考えられている日本の妖怪です。水中で生活しているだけあって泳ぎは達者なのですが、そんな河童ですらときにはおぼれて水に押し流されてしまいます。
このようなお話がもとになって、河童の川流れということわざは生まれました。
芸人のネタで覚えられる?
芸人ユニット「田中上野」のネタに、河童の川流れを題材にしたものがあります。
土手から川をみたら河童が何匹も流れてきて、あとを追いかけたら川が水死体のようになった河童達で埋め尽くされていた!
なんともびっくり仰天のストーリー展開ですが、河童の川流れはおぼれた河童が続々と流れてくる珍事を表すことわざではありませんね。お笑いのネタで覚えられたら楽だったんですが、残念。純粋にネタとして楽しむことにしましょう。
河童の川流れの読み方は「かっぱのかわながれ」
河童の川流れの読み方は「かっぱのかわながれ」です。
河童の漢字が難しいので「かっぱの川流れ」や「カッパの川流れ」と表記される場合もあります。
河(かわ)の童(わらべ)で河童になりますが、川流れのほうは「河流れ」とは書きません。「河童の河流れ」では間違いになるので気をつけましょう。
河童の川流れの使い方・短文
河童の川流れは、達人でもたまには失敗するというニュアンスと、得意な事柄でも気を抜いてはいけないという戒めの意味合いをもつ言葉。
河童の川流れの使い方を、短文の例文でイメージしてみましょう。
上司
新人
先輩
上司
河童の川流れと同じ意味のことわざ
河童の川流れは河童という昔話でもお馴染みの妖怪が出てくるため、難しいイメージがあまりなく使いやすいことわざです。
ほかにも、同じ意味で親しみやすいことわざがあるのでみてみましょう。
・釈迦(しゃか)にも経(きょう)の読み違い
・弘法(こうぼう)も筆の誤り
猿は誰もが知る木登りの達人。
釈迦は仏教を始めた人物なので、お経にくわしくて当然です。
弘法は、仏教の勉強をしに留学僧として唐に行った空海(弘法大師)のこと。空海は優れた書家でもあったといわれています。書家は文字のプロですね。
つまり、紹介したことわざはどれも「そんな達人中の達人でも失敗することはあるんだよ」という意味合いになります。
河童の川流れの対義語は「愚者の一得」
河童の川流れの対義語は「愚者の一得」という慣用句。「ぐしゃのいっとく」と読みます。
愚かな人でも、たまにはいい意見を出す場合があるという意味です。
河童の川流れの英語表現
河童の川流れを英語で表現するときには「Even Homer sometimes nods.」を使うとニュアンスが伝わります。
「Homer」とは、古代ギリシアで偉大な詩人と呼ばれていたと後世に伝えられているホメーロスのことです。
「nods」は、居眠りするという意味。
「Even Homer sometimes nods.」は直訳すると「ホメーロスでさえときどき居眠りをする」となります。
これは「ホメーロスでさえ、時には居眠りしていたんじゃないかと思うようなつまらない詩を書く場合もある」という意味。河童の川流れと同じニュアンスですね。
河童の川流れを使ってみよう!
河童の川流れの意味を勘違いして、間違った使い方をする人もいます。
しかし、河童の川流れは一度正しい意味を勉強してしまえば、ニュアンスをイメージしやすいためとても覚えやすいことわざです。
河童の川流れの意味を覚えたら、積極的に使用してみましょう。河童が出てくる親しみやすいことわざなので、ビジネスでもプライベートでも気軽に会話に差し込めますよ。
難しく考えず、挑戦してみてください。