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「伏線」の意味とは?「フラグ」との違いは?「伏線」の例から類語、英語表現まで

「伏線」とは「物語のほのめかし」という意味

『ワンピース』のあの伏線は実は1話で既に敷かれていたんですよ、『鬼滅の刃』の伏線も~

仕事中に無駄話ばっかりして!

実はこれが彼を窮地に追いやる伏線になっていたのです

えっ!

伏線回収が見事だと話題になったドラマ 

「あれってやっぱり伏線だったんだ~」「あの伏線に気づいていたのは俺ぐらいでしょ!」とマンガやドラマを語るのって楽しいですよね。

「伏線(ふくせん)」とは「物語における展開のほのめかし」。小説やマンガ、ドラマなど物語作品の中で、後の展開を些細な形で匂わせておくことを指します。

匂わせ程度なので誰もが気づくとは限りません。「伏」は「隠れる」という意味で文字通り、「隠れたヒント」が「伏線」です。

「伏線」の役割

例えば推理ものであれば「伏線」は重要です。散りばめられた「伏線」を見つけて読み解きながら、主人公と一緒に事件を解決していく…推理小説の醍醐味ですよね。

また、展開が予想できる「伏線」を見つけて、「これは好みの展開になりそうだぞ」とワクワクしたりドキドキしたりできるのも「伏線」の効果。

回収された「伏線」を確認するため読み返す楽しみも。もちろん、「伏線」についてあーだこーだ話すのも楽しいですよね。

こんな感じで作品を何倍も何十倍も魅力的なものにしてくれるのが「伏線」です。

いろいろな「伏線」の例

「伏線」とひとくちにいってもいろいろなパターンがあります。様々な「伏線」を確認していきましょう。

わかりやすい「伏線」

わかりやすい「伏線」の例

高所恐怖症の主人公。高い所に上ると力が発揮できないという設定。敵のボスとの闘いはタワーの上で行われるのであった

誰が見てもこうなるだろうなと展開が予想できる「伏線」。登場人物の基本的な設定やセリフで知ることができます。

わかりにくい「伏線」

わかりにくい「伏線」の例

ちらっと描写された主人公の母が胸に手をやるシーン。病気になる展開に

何となく「伏線」とわかるかもしれないが、どんな展開になるかまでは予想できないもの。後からこじつけで、何でもないシーンを「伏線」に仕立て上げるケースもあります。

二重の「伏線」

二重の「伏線」の例

親子を狙うという殺人鬼。母親が殺されて娘が狙われる展開が予想できる。なんだかんだあり、娘は殺される前に保護される。しかし、殺人鬼が本当に狙っていたのは母親の母親(娘の祖母)だった

「伏線」を回収したと見せかけてされていなかったパターン。推理系によく見られます。読者の予想を裏切る展開です。

ミスリードの「伏線」

ミスリードの「伏線」の例

犯人の手元がそれとなく描写され、左利きであることが予想できる。しかし、実はそれは鏡に映った姿で本当は右利きだった

読者に別の展開だと誤解させるパターン。これも推理系に見られます。

「伏線」ではない

「伏線」に見えて「伏線」ではないものもあります。

「伏線」とはいえない

「伏線」とはいえない

主人公がヒロインに告白するために花を買う。そして告白する

わかりやすい「伏線」と線引きが難しいかもしれませんが、まったく隠れていない展開は「伏線」とはいえません

見せかけの「伏線」

見せかけの「伏線」の例

何故か髪の毛を伸ばし続ける登場人物。何かの伏線になるのかと思いきや物語とは何も関係がなかった

あえて「伏線」に見せかけて「伏線」じゃなかったパターン。

現実世界では物語のように首尾一貫した展開になるとは限りませんよね。物語にリアリティを持たせるために、あえて意味深にしているだけの見せかけの「伏線」を入れるケースがあるようです。

作品が打ち切りになってしまい、意図せずこのパターンになるケースもありそうですよね。

BGM等の「暗示」

「暗示」の例

不穏なBGMが流れ始めてその後の展開を見ている人に予測させる

アニメやドラマ、映画ではお決まりのBGMがありますよね。この音楽が流れてきたらこの展開になりそうだぞと予想できるような。

「伏線」とは違い物語には直接関連しない、いわば「外」の世界のもの。登場人物がBGMを認知することはありませんからね。

「フラグ」との違い

「伏線」と似たような使われ方をする「フラグ」。「死亡フラグ」や「生存フラグ」など、聞いたことはないでしょうか。

「フラグ」の例

・戦い前夜、仲間の兵士に無事に帰れたら一緒に事業を始めようと提案する(死亡フラグ)

・強豪チームと謎のチームの対戦(強豪が負けるフラグ)

「フラグ」は「わかりやすい伏線」の究極の形といえます。

こうなったら100%この展開になると予想できる作者・読者の共通認識。「死亡フラグ」はもっとも有名な「フラグ」で、登場人物がある行動パターンをしたら、100%死ぬ展開になります。とはいえ、あえてその展開にしない「フラグを折る」パターンも。

「フラグ」は現実の世界で使われることもあります。詳しくは以下で。

フラグの意味って?プログラム?IT?ネット用語?Twitterやメールでの意味は?疑問だらけの“フラグ”について初心者にもわかりやすく解説!

「伏線」の使い方・例文

「伏線」を使った例文

・冒頭の何気ないシーンが伏線だったと気づいた読者はいないだろう

伏線回収の見事さが評判となり海外でも話題に

・推理小説を執筆するなら伏線の張り方を学ばないと

・確実にこの案が採用されるように伏線としてこの資料を事前に見せておこう

・デートがうまくいくようにいろいろと伏線を張っておいてよかった

「伏線」を作ることを「伏線を張る」、「伏線を敷く」といいます。「伏線」でほのめかしていた展開になることは「伏線を回収する」。

現実を物語に例えて「伏線」を使うことも可能。ですが、あまり一般的ではありません。

「伏線」を英語で

「伏線」を英語で

The foreshadowing for this movie is amazing 

⇒この映画の伏線は素晴らしい

「foreshadowing」で「伏線」を表しています。「伏線を張る」のように動詞にしたい場合は「foreshadow」。

いろんな「伏線」を知ろう

「伏線」とひとくちにいっても様々なパターンがあるんですね。お気に入り作品の「伏線」っぽいところが回収されてなくても憤ることのないように。回収されない「伏線」もあるのですから。

とはいえ、あれこれ「伏線」について考えを巡らしたり話したりするのは楽しいものです。