「普遍的」とは「いつでも・どこでも変わらない」
自然の美しさは普遍的だ
全てを洗い流してくれるような大海原や、何百年も生き続けている大木を見ると素直に美しいと思いますよね。10年前も100年前もさらに昔も、そしてこれからもこの美しさは変わらないんだろうなと思うと、感慨深いものがあります。
「普遍的(ふへんてき)」とは「すべてのものに共通する」という意味です。現在あるすべての物事だけではなく過去や未来も含めたすべて。いつでも、どこでも、誰にとっても変わらないということです。
「普遍的」の使い方・例文
・ソクラテスは普遍的な真理を追求した ・世界遺産には普遍的価値がある ・普遍的な自然の美しさにはどんな芸術も叶わない ・流行は普遍的ではない
「真理」や「価値」、「美しさ」などは「普遍的」で表されることが多いです。「真理」はいつでもどこでも変わらないからこそ「真理」といわれます。また、「世界遺産」は後世にも残しておくべき、変わらない価値あるものと認められた建造物や自然の造形物。
「普遍的」ではないものとは
「流行」や「ブーム」は一時的であり、基本的に一部の人だけのものなので「普遍的」とはいえません。
「お金」の価値も「普遍的」といわれます。厳密には原始人にとって価値があったとはいえませんし、将来も価値が変わらない保証はどこにもありません。とはいえ、長く重要とされてきたものなので「普遍的」で問題ないでしょう。
「普遍」と「不変」と「不偏」
「普遍」の同音異義語に「不変」や「不偏」があります。手書きの際には間違えることはないでしょうが、タイピングする際は気をつけないといけません。これらの意味の違いを見ていきましょう。
・普遍⇒すべてに共通 ・不変⇒変わらない ・不偏⇒偏らない
「不変」と「不偏」はそのまま読み下せばその通りの意味になります。「変わらず」と「偏らず」。
「普遍」はいつでも、どこでも「変わらない」という意味なので、「不変」と共通しています。同じようなニュアンスで使うこともできるでしょう。ただし、「不変的」とはいわないので注意。
「不偏」はあまり一般的な言葉ではありません。統計学等で数値が偏らないことを指すときに使われます。
「普遍的」のその他類語
・一般的 ・世界的 ・当たり前
「一般的」も「広く全体に認められている・行き渡っている」という意味で「普遍的」とほぼ同義。しいていえば「普遍的」の方がすべてに共通するというニュアンスが強く感じられます。
「世界的人気」「世界的流行」などの「世界的」は、「どこでも」の意味は含んでいますが、「いつでも」は含まれていません。
また、普遍的の対義語を挙げるとしたら、「特徴的」や「特殊」など。
「普遍的」を英語で
That’s a universal truth ⇒それは普遍的な真理だ
「universal」で「普遍的」を表しています。「universal」は直訳すると「宇宙的」という意味。「いつでもどこでも」のニュアンスを「宇宙」で表現しています。同様の意味で「ユニバーサル」というカタカナ語にもなっています。
「普遍的」よりも範囲の狭い「一般的」は「general」で表現可能です。
「普遍的」美しさのため
今思い悩んでいることがある人はそれが「普遍的」かどうか考えてみてください。少しは気が楽になりますよね。でも、そう考えたら一生懸命頑張っている日々の仕事も「普遍的」じゃないし…。
とはいえ、目標に向かって努力している人間の姿は「普遍的」に美しい(といえるかもしれない)ので、頑張っていきましょう。