体裁とはどんな言葉?
新人
上司
新人
体裁は日常的に用いられるワードです。「体裁が悪い」や「体裁を繕う」など、確かにマイナスイメージを抱きやすい文脈で登場しがちな語句かもしれませんね。
体裁は誉め言葉として使う場合もあるのですが、新人君は耳にしたことがなかったようです。
体裁がどのような言葉なのか、くわしくみていきましょう。
体裁の意味とは「外からみた様子」
体裁は「外からみた様子」という意味を核にもつ言葉です。そこからニュアンスがわかれて、次の4つの意味で使われています。
②他人にみられたときの自分のかっこう
③一定の整った形式
④人に気に入られるように表面だけ整えた言動をすること
体裁は人にも、物事にも使える言葉です。
体裁の語源・由来
体裁の「体」は「からだ」「もの」「かたち」「ようす」という意味をもつ漢字です。
「裁」は「布を切って衣服を仕立てる」という意味をもつ漢字ですが、体裁の場合は「ようす」や「かた(型)」というニュアンスになります。
「体」と「裁」は、似たような意味をもつ漢字ですね。
「体」と「裁」を重ねた体裁は【からだ】や【もの】の【かたち】や【ようす】を表す言葉になります。
体裁の読み方は「ていさい」
体裁の一般的な読み方は「ていさい」です。ビジネスの場合は「ていさい」と読んでおけばまず間違いありません。
「体」は「たい」と読みたくなりますが、「世間体(せけんてい)」のように「てい」と読むものもあります。
また、書物などでは、作者が体裁という漢字にルビをつけて特殊な読み方をさせる場合もあります。
「きまり」「ていたらく」「さま」「しこう」など、体裁の面白い読み方に出会ったら、作者のこだわりだと思ってください。
「体裁が悪い」「体裁を繕う」などの使い方を例文で紹介
体裁によくない印象を持つ人もいるかもしれませんが、ビジネスでは体裁を整えることがとても重要です。
なぜでしょう?
その理由を上司と先輩が例文で教えてくれますよ。
先輩
新人
先輩
上司
新人
上司
上司
先輩
上司
「てい」などの体裁の類語
「てい」は「とりあえず知っているていで話を合わせてね」のような使い方をする言葉です。
「知っているていで」は「外見だけもそういうふうに装ってね」という意味合いになります。体裁に似ていますよね。
体裁と同じようなニュアンスをもつ言葉を、この機会におさえておきましょう。
見映え:みた感じがいいこと
上辺(うわべ):表面。外見
外観:外からみた様子
世間体:世間に対する見栄(みえ)
外聞:うわさ。世間に対する見栄
体面:世間体
形式:外からみえる形
ちなみに、体裁の対義語は「実質」や「中身」などが挙げられます。
「体裁を整える」の英語表現
体裁と同じようなニュアンスをもつ英単語には次のものがあります。
appearance:外観、見てくれ
form:外観、形状
format:形式、書式
respectability:体面、世間体
このうちの「appearance」を使って「体裁を整える」は表現できます。
「keep up appearances」で「無理して体裁を保つ」という意味。「make a presentable appearance」で「見栄えのする外観を作る」というニュアンスになります。
「体裁を保つ」ことは中身をみてもらうために必要
「目にするものすべての中身をじっくりみてあげられるほど、暇ではない」という人は多いのではないですか?
時間が限られるとなると、見たいと感じるものからじっくり見ていくのが普通ですよね。
これはお互いさまで、あなたがそうであるように周囲の人たちも余裕はないと考えれば、ビジネスで体裁が重要視される理由は納得できますよね。
「体裁を保つ」ことは、中身を充実させるのと同じくらい大切だと肝に銘じておきましょう。