「日進月歩」とは「少しずつ成長していく」という意味…ではない
座右の銘は「日進月歩」です
「日進月歩」は語感がよく、意味も「少しずつでも日々進んでいく」という謙虚な感じが座右の銘にぴったり。
と、考えているあなた!「日進月歩」の意味を間違って認識していますよ。会社のスローガンにするならまだしも、個人の座右の銘にするには少々尊大な印象を受けます。
「日進月歩」の本当の意味
「日進月歩(にっしんげっぽ)」の本当の意味は「急速に進歩」していくこと。日ごと、月ごと絶え間なく向上していくことを意味しています。
科学技術や医療技術などが「日進月歩」で表されることが多いです。
「日進月歩」と評価されるほど日々向上していく!という心意気で仕事に励むのは素晴らしいです。しかし、座右の銘として面接等で発言してしまうと謙虚さが足りないと思われてしまうかも。
「日進月歩」の使い方・例文
「日進月歩」を使った例文を確認していきましょう。
・IT技術は日進月歩しているので去年の技術がもう古いと言われている ・医療が日進月歩発展したおかげで安心して暮らせている ・戦後日本の日進月歩発展する様は諸外国を驚かせた
「日進月歩」の類語
「日進月歩」の類語表現にはどのようなものがあるでしょうか。
・日進月異(にっしんげつい) ・日就月将(にっしゅうげっしょう) ・秒進分歩(びょうしんふんほ)
「日進月異」は最後の文字が違うだけで意味は「日進月歩」と同じ。
「日就月将」は「日進月歩」のように急速に向上していく様を表していますが、学問の分野に限られます。
「秒進分歩」は正式な熟語とはいえません。IT関連技術の急速な発展は「日進月歩」では言い表せないとして、「日」と「月」の代わりに「秒」と「分」を当てはめた造語。
「日進月歩」の代わりとなる座右の銘
「日進月歩」の正しい意味を知って、もう変えようと思う人もいるでしょう。
そんな人のために「日進月歩」の代わりとなる座右の銘候補を紹介します。
・塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる) ・千里の道も一歩から(せんりのみちもいっぽから) ・細き流れも大河となる(ほそきながれもたいがとなる) ・水滴石穿(すいてきせきせん)
これらはどれも「日々努力して少しずつでも成長していく」という「日進月歩」の誤った意味に近い表現。
「水滴石穿」は「水滴でも続けば石に穴を開ける」という意味です。
「日進月歩」を英語で
「日進月歩」は英語ではどのように表現するのでしょうか。
Computers have made rapid progress ⇒コンピューターは日進月歩の進化を遂げた
「日進月歩」は直訳すると「day advance, month step」。もちろん意味は通じません。
「rapid progress」で「日進月歩」を表現しています。「急速な進歩」と訳すことも可能。
ちなみに「着実に進む」という意味の言い回しは「steady progress」です。
気持ちは「日進月歩」
技術も社会も「日進月歩」進んでいく時代ですが、焦らず少しずつでも向上していくことが大事。気持ちは「日進月歩」でも着実にやっていきましょう。