「洞察力」とは「見えないものを見る力」
マネージャーには深い洞察力が必要だ
書店のビジネス書や自己啓発系のコーナーに行くと「洞察力で勝ち抜く」「洞察力が全てを解決する」といったようなタイトルの本がずらっと並んでいます。また、過去や現代に生きる偉人たちは「洞察力が凄い」なんて話もよく聞きますよね。
この「洞察力」とは一体何なのでしょうか。わかるようでわからない…そんな「洞察力」。
「洞察力(どうさつりょく)」とは「目に見えない本質を見抜く力」。表面的な情報だけではなく、隠された情報も見通す力のことです。
「なんだ、スピリチュアルか?」と思うかもしれません。一概にNOとは言えませんが、論理的に説明できて誰でも鍛えることができる力です。
「洞察力」と「観察力」の違い
「洞察力」と似た言葉に「観察力」があります。二つの違いは何なのでしょうか。
・洞察力⇒目に見えないものを見る力 ・観察力⇒目に見えるものを見る力
「目に見えるものを見る」って当たり前じゃんww
確かに見えるものを見るのが私たちの目の役割ですが、意外と見えていないのも事実。自分のことはまだしも、人のこととなるとあまり見えていないものです。
先輩が髪型を変えた、スーツを新調したなんて気づかないかもしれません。
人や物事の細かい部分まで気づき見る力を「観察力」といいます。一方、「洞察力」は「観察力」で得た情報を元に経験や想像力、思考力をプラスして本質を見抜く力のこと。
「洞察力」は「観察力」ありきの能力と言えます。
「洞察力」の類語
他にも、「推理力」や「直観力」なども「洞察力」の類語と言えます。
・推理力⇒情報から答えを出す力 ・直観力⇒経験を元に答えを瞬時に出す力
「洞察力」と「推理力」はプロセスは同じ。物事を観察して情報を集めて本質を見抜くのが「洞察力」であり、答えを導き出すのが「推理力」です。
「直観力」は「ひらめき」とも言われますが、「ひらめく」には十分な経験の積み重ねが必要となります。経験則から考えるまでもなく答えが浮かぶ力が「直観力」。
「洞察力」がある人とは
一般的にこのような人が「洞察力」がある人といわれます。
・情報収集がうまい ・感情的にならず冷静 ・周囲をよく見ている ・疑う見方を忘れない ・情報の取捨選択ができる
「洞察力」がある人=「観察力」がある人ともいえます。よく観察して十分な情報を集めることができる人が「洞察力」がある人。もちろん、「観察力」だけではいけませんが、「観察力」がある人の多くは「洞察力」もある人でしょう。
「洞察力」を鍛えるには
「洞察力」を鍛えるにはまず第一に「観察力」を磨くこと。五感を駆使して必要な情報を集めましょう。
そして、なぜこうなのか、どうしてこうなっているのかと自分に問いかけることが重要です。これを習慣化すれば「洞察力」は格段に上がるはず。
ある剣術の達人の鍛え方
ある剣術の達人の話です。若い頃、師匠に弟子入りしたはいいものの、雑用ばかりやらされていたそうです。きちんと指示をしてくれるならまだしも、「あれをしろ」「あれを持ってこい」とはっきり言ってくれません。
そのため師匠の顔色や動作、前後のことなどを考えて、時には先読みをして雑用をこなしていきました。
実はこれは「洞察力」を鍛える修行として師匠はあえてこのようにしていたんだそうです。
「洞察力」を英語で
「洞察力」は英語ではどのように表現できるのでしょうか。
real knowledge and deep insight ⇒真の知識と深い洞察力
「insight」で「洞察力」を表しています。日本語の「洞察力」と同じように物事の本質的なものを見抜くという意味。
「good judgement(優れた判断力)」でも「洞察力」を表現可能。こちらは「常識」といった意味合いもあります。
まずは「観察力」から
「洞察力」があれば表面的なことだけではなく本質を知ることができます。ビジネスに限らず、スポーツから政治、恋愛まで役立つはず。まずは「観察力」を意識することから始めましょう。