「大丈夫です」の基本的な意味は「問題ありません」だけど…
この書類大丈夫ですか? (問題ありませんか?)
うん、大丈夫 (問題なし) 予備は大丈夫? (予備はいる?)
大丈夫です (いりません)
会話が成り立ってるのが凄い
大丈夫です
「これ借りてもいいですか?」と聞いてこう返ってきたら何の違和感もありません。ですが、「飲みにでも行く?」と聞いてこの返事だったら…。
「大丈夫です」は会話の中でよく使うワード。口癖のように使っているという人も多いのではないでしょうか。
「問題ない」という意味だけでは説明できない使い方が多くあります。一つひとつ見ていきましょう。
「大丈夫です」が持つ複数の意味
「大丈夫です」の意味を説明を求められて、パッと答えるのは難しいかもしれません。ですが、いろんな意味の「大丈夫です」を私たちは自然に使い分けています。説明を見ればなるほどと思うはず。
①:「問題ない」の「大丈夫です」
一番よく使われる意味が「問題ない」の「大丈夫です」。書類にミスがない、ケガや病気がないなど、多くの場面で使うことができます。「危なげがない」「安心できる」「間違いない」と言い換えることも可能。
・これはそのままでも大丈夫です ・トイレを借りても大丈夫ですか? ・お体は大丈夫でしたか? ・専門家に任せておけば大丈夫だ ・時間は大丈夫ですか? ・きっと大丈夫だよ!
②「いる・いらない」の「大丈夫です」
「いりますか?」「必要ですか?」という意味で「大丈夫ですか?」と聞くことがあります。
「大丈夫です」と答えると「いりません」「必要ありません」の意味に。「問題ない(間に合っている)からいりません」というイメージです。
・「お代わりは大丈夫ですか?」「大丈夫です」 ・「袋は大丈夫ですか?」「お願いします」
③「イヤです」「ダメです」の「大丈夫です」
②と似ていますが、「大丈夫ですか?」のような問いかけなく、単体で「大丈夫です」を断る際に使っています。OKしているのか、断っているのかあいまいで文脈から判断する必要があります。物議を醸しているのがこの使い方。
・「遊びに行く?」「大丈夫です」 ・「これでいい?」「大丈夫です」
「イヤです」「ダメです」と拒否の意味で返答したのに、「問題ない」という意味にとられて誤解が生じることがよくあります。
この使い方は最近になって登場したもの。ある一定以上の年齢の人には馴染みがないため、混乱させてしまうようです。
「結構です」という言葉にも2通りのとらえ方がありますが、それと似ています。
「大丈夫」を使う際の注意点
「大丈夫です」は使い方によっては誤解を生む可能性があります。他の注意点とあわせて詳しく見ていきましょう。
「結構です」の意味では伝わらないこともある
「飲みにでも行く?」「大丈夫です」
「問題ない」の意味であれば、「(予定や予算、気持ちなど)問題ないので行きましょう」という意味になります。「結構です」とやんわり断ったつもりが行くはめに。
「行きません」ときっぱり断るよりも心理的に楽なのかもしれませんが、伝わらなければ元も子もありません。
こういう場合は「先約がありまして」「田舎から親が出てきていまして」などと理由をつけて遠回しに断るといいでしょう。
あまり丁寧な表現ではない
例文を見てわかると思いますが、「大丈夫です」はそれほど丁寧な表現ではありません。
あいまいな使い方をされることも相まって、フォーマルなシーンにはふさわしくないので、口癖のように使っている人は気をつけましょう。
とはいえ、便利な表現なので社内レベルで使うのは問題ありません。
・これで大丈夫です ⇒これで問題ありません ・コピーは大丈夫ですか? ⇒コピーは必要ですか? ・「お茶でもしませんか?」「大丈夫です」 ⇒「お茶でもしませんか?」「すみません、予定がありますので」
「大丈夫」の語源
「大丈夫」は中国から入って来た言葉で、元は「立派な男」という意味でした。これが「問題ない」の意味になったことを考えれば、現在の用途変化は大したことがないように感じますね。
「大丈夫です」の英語表現
「OK」を使えば英語で「大丈夫です」を表現することができます。
Are you OK? ⇒大丈夫ですか? It’s OK, thanks. ⇒大丈夫です(結構です)
「問題ない」を「OK」で表すことができるのはもちろん、「結構です」と断る際にも「OK」は使うことができます。
よく使う表現だからこそ
「大丈夫です」は便利な表現。よく使うからこそ、自分が相手がどんな意味で使っているのか正しく把握しておきたいですよね。