確かなプログラミングを学ぶなら>

「折衝」の意味とは?「交渉」との違いは?使い方から類語、英語表現まで!

「折衝」とは「敵との駆け引き」という意味

幕末に勝海舟が敵方の西郷隆盛と折衝して江戸無血開城。この話はいつ聞いても感動しますっ

勝海舟は最高の折衝役だからねぇ。そうだ、君にはわが社の顧客折衝を任せよう!

ええっ!いいんですか?精一杯頑張ります!

(つまり、クレーム担当か)

A国との折衝に難航

このような見出しが紙面をよく賑わしています。政治関連や国際関連のニュースに多いですね。

「折衝(せっしょう)」の意味は「敵との駆け引き」。外国や野党、ライバル社など利害関係が一致しない相手と駆け引きして、自分に有利になるように話を進めていくことです。

なかなか折り合いがつかない、時に激高している相手とも話さなければいけないなど大変な役割です。

「折衝」の由来

「折衝」は「敵との駆け引き」とはいえ、現代日本の話題では実際に命のやり取りをするわけではありません。ですが、「折衝」は戦いの逸話が由来となって生まれた表現です。

「折」のここでの意味は「くじく(力を加えて曲げる)」「衝」は槍や矛を「衝く(つく)」。敵が衝いてきた矛先をくじいて攻撃を免れた古代中国の故事が由来です。

由来がこれなので、「折衝」は利害が一致している平和な交渉には使いません。「折衝」のちょっと危ないイメージを頭に入れておいてください。

「折衝」の漢字

由来を知ればなぜ「折」「衝」の漢字が使われているか納得できますよね。

「折衝」は人と接するということで、「接衝」と書き間違える人もいるようです。これを機会に正しく覚えておきましょう。

「折衝」の使い方・例文

「折衝」の具体的な使い方を例文を通して確認していきましょう。

「折衝」を使った例文

・A社と折衝を重ねた結果、自社に有利な条件で決着した

折衝能力が買われてスカウトされた

折衝経験を積んでおくことに越したことはない

・対外折衝の役目を果たす

「折衝」を何度も行うことを「折衝を重ねる」と表現します。

「対外折衝」「顧客折衝」「予算折衝」といった言い回しも。「対外折衝」は「折衝」と同様の意味、「顧客折衝」は時にクレーム処理の仕事を指すことも。「予算折衝」は省庁で使われる政治用語です。

「折衝」の類語

「折衝」の類語表現にはどのようなものがあるでしょうか。

類語

・交渉(こうしょう)

・渉外(しょうがい)

「交渉」は「折衝」よりもよく使う表現ではないでしょうか。「折衝」のようなライバルと折り合いをつける話し合いから、一緒に何かを計画していくような平和な話し合いまで広く使用可能。

「渉外」の意味は「外部と連絡・交渉」。「営業」や「広報」のように業務の名前として使用されています。業務としての「渉外」は、外国と取引のある企業や銀行等における営業職のことです。

「折衝」の英語表現

「折衝」は英語ではどのように表現できるのでしょうか。

「折衝」を英語で

They negotiated the terms of the treaty

⇒条約の規定について折衝した

「折衝」は「negotiate」で表現できます。「交渉」「渉外」も同様に訳せるので、「折衝」のように折り合いをつけるという意味で使いたい場合は、両者の関係も説明する必要があります。

政治・経済のニュースで

「折衝」は政治・経済のニュースでよく見聞きする表現です。「折衝」の由来や意味を知ったら、ニュースの見方も変わってくるかもしれません。