「心中お察しします」とは「気持ちわかります」という意味
心中お察しします
身内に不幸や事故、大金を失った、会社をクビになったなど不運に見舞われた人に対しての慰めの言葉です。
「心中(しんちゅう)」は文字通り「心の中」。「辛いお気持ちは言わなくてもよくわかりますよ」と共感する表現。
もう一つの「心中」
「心中(しんじゅう)」と読むと物騒な意味になりますよね。「心中(しんじゅう)」は二人以上で一緒に自殺すること。
恋愛関係にある男女、家族など深い関係にある者同士の集団自殺を指します。
「心中お察しします」の使い方・例文
デリケートなシーンでの言葉なので意味がわかったとしても、なかなか使いこなすのは難しいですよね。
「心中お察しします」の使い方を例文を通して確認していきましょう。
・ご家族の突然の不幸、心中お察しいたします ・台風の被害に遭われた皆様、心中お察しします ・今回の騒動が原因で閉店せざるを得ないとのこと、お辛い心中お察しします ・大変な状況であることは承知しております。心中お察ししますが、期日までに納品していただけますようよろしくお願いいたします
不幸や不運で落ち込んでいる人はしばらくそっとしてあげたいものです。とはいえ、用事がある場合はそうともいっていられません。
「心中お察しします」を話しかける際や連絡する際の一言目に持ってくると、クッション言葉として要件を続けやすくなります。
特にビジネスシーンでは、催促やさらに追い打ちをかけるような辛い報告をしなければいけないことも。そのような際に「心中お察しします」を使うことで切り出しやすくなります。
「心中お察しします」の注意点
自分が辛いとき、あまり事情も知らない人からの「心中お察しします」。それが善意の言葉であることはわかっていたとしても、「あなたに私の気持ちなんかわからないでしょ」といいたくなるかも。
「心中お察しします」はむやみやたらに使うものではありません。人・状況・タイミングを見て使ってください。
また、人に「心中お察しします」と言われて相応の受け答えをしたい場合は、「痛み入ります」「お心遣いありがとうございます」といった表現があります。
「心中お察しします」の類語
「心中お察しします」と同じようなシチュエーションで使える表現をいくつか集めました。
・胸中お察しします ・ご心痛お察しします ・ご心労お察しします ・お悔やみ申し上げます ・ご冥福をお祈りいたします ・ご愁傷様です
「お悔やみ申し上げます」「ご愁傷様です」「ご冥福をお祈りいたします」は人がなくなった際に使用する表現。
ただし、「ご愁傷様です」は大したことのないことに対して冗談や皮肉でいう場合も。人の死以外のシリアスな場面でも使えないことはないのですが、冗談や皮肉にとられてしまう可能性があるので使わない方が無難。
・部長に遅くまで飲みに連れまわされたらしいね。ご愁傷様です(笑) ・今日も残業?ご愁傷様
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「心中お察しします」の英語表現
「心中お察しします」は英語ではどのように表現できるのでしょうか。
I understand how you feel ⇒心中お察しします
「terrible you feel(辛い気持ち)」と強調することも可能。
また、「I’m sorry to hear that」も同様に大きな精神的ダメージを受けた人に対して使用できます。よく耳にする「That’s too bad」は軽めのダメージで、人の死には使えません。
話しかけるきっかけの言葉として使える
「心中お察しします」は精神的ダメージを受けている人に話しかけるきっかけとなる表現。とはいえ、話しかけなくてもいい時にわざわざ言う必要はありません。本当に「心中を察している」のであればそっとしておいてあげることも重要です。