「心外」とは「意外+おこ」って意味
極めて心外です 冗談っぽい感じにも、マジギレしている感じにも使う「心外(しんがい)」。ビジネスシーンやフォーマルな場でも使います。ニュースで政治家が口にしているのを見たことがあるかもしれません。 「心外」は「意外+怒り」。つまり、自分が考えていたことと違う事象が起こり、怒りや悔しい感情が湧き上がってきたときに使う表現。人に予想外に失礼なことを言われたときにもよく使いますね。 単なる意外な出来事という意味もあるにはありますが、多くは「+ネガティブな感情」で使用されます。 「心外」は「しんがい」と読みますが、「しんげ」と読む場合もあります。「心外(しんげ)」は仏教用語で「心の外」という意味。 「心外(しんげ)」が含まれた「心外無別法(しんげむべっぽう)」の意味は、「全ての現象は人間の心の現れであり、心と別にあるものではない」。 また、読みは「心外(しんがい)」ですが、「心外膜」「心外導管型手術」など、医療用語としても使われています。この場合の「心」は「心臓」です。 「心外」の使い方を例文を通して確認していきましょう。 ・あなたに疑われるなんて心外です ・後輩に越されて心外そうな様子だ ・当社に不備があったと思われるのは心外ですが、ここは謝罪するべきでしょう ・すぐに情報が公開されなかったのは極めて心外だ 思いもよらないことが起きて、ネガティブな感情(怒り、悔しい、残念等)が湧き上がった際に使います。予想外のことが起きてもこれらの感情が伴わない際には使用しません。 ただし、別に怒っていなくても対外的に憤っていることを表明しないといけない際には使用します。政治家や経営者の大人の対応ですね。 「心外」は別の表現に言い換えることはできるのでしょうか。いくつか似ているワードを集めました。 ・遺憾(いかん) ・憤慨(ふんがい) ・不本意(ふほんい) など 「遺憾」は「予想外のことが起こり残念」。「心外」と似ていますが、主に「怒り」の「心外」に対して、「遺憾」は「残念」。かなりお堅い表現なので、政治家や企業トップの公式な発言として使用されることが多いです。 ・他国に対して遺憾の意を表明した ・このような事故が起こってしまい遺憾に堪えません 「憤慨」は「激おこ」という意味。怒りを表す表現ですが、「心外」のように「予想外のことが起こる」といった条件はありません。とにかく怒り。 「不本意」は「本当の考え、希望と違う」。場合によっては「心外」を「不本意」に言い換えることもできます。 ・あなたのためを思ってしてあげたのに、そんな風に言われるなんて心外です ・あなたのためを思ってしてあげたのに、そんな風に受け止められるのは不本意です 「心外」は英語ではどのように表現できるのでしょうか。 I was offended that I was suspected ⇒疑われて心外だった 「offended」は「不快に感じる」。「心外」のように「意外+怒り」を表すぴったりなワードはなかなかありません。「予想外」だったら「unexpected」。 ちなみに中国語でも「心外」は「心外」。読みこそ違いますが同様の意味で使われています。 冗談で軽めに使うのは置いといて、「心外」をシリアスなトーンで使うことはあまりないかもしれません。ですが、フォーマルな場でも怒りをスマートに表現できる「心外」はときに便利な表現。積極的に「怒れ」とはいいませんが、うまく使いこなしていきましょう。「心外」の読み方
「心外」の使い方・例文
「心外」の類語
「心外」の英語表現
「心外」で怒りをスマートに