リカバーとは『回復する』『取り戻す』こと
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リカバーは、『回復する』『取り戻す』を意味するカタカナ用語です。しかし、同じような意味を持つ『リカバリー』もあるため、上の会話の新人くんのように「どっちが正しいの?」と思っている人も多いのではないでしょうか。
ここでは、この疑問も明確にしながら、英語表現や会話での正しい使い方についても学んでいきましょう。
リカバーの意味をチェック
カタカナ用語の多くは英語が語源となっています。リカバーもその一つ。まずは、英語の意味を含め、リカバーの正しい意味をチェックしておきましょう。
リカバーの英語は『recover』
リカバーは英語で『recover』と表記し、次の意味をもつ単語として使われています。
■取り戻す
■回復する
■再生する
■正常な状態に戻す など
そして、熟語ではこのような使い方があります。
■recover from a bruise(傷が治る)
■recover from a cold in 2 days(2日で風邪が治る)
■recover losses(損失を取り戻す)
■recover from a shock(ショックから立ち直る) など
体の状態、置かれている状況など、もともとあったものがなくなったり減ったりしたところから、もとに戻ったというニュアンスで使います。
ビジネス用語としてのリカバー
一般的なビジネスシーンにおいては、主に、損をした分を取り戻す、破損したものをもとに戻す、削除したデータを復旧させるなど、もとにあった状態に回復させるといった意味でリカバーを使います。
そのほか、体調を崩した従業員に対して「体を回復させる」の意味で、「休んでリカバーするように!」と言う場合もあります。
リカバーとリカバリーの違い
英語でのリカバー(=recover)は、『回復する』『取り戻す』の意味をもつ動詞、リカバリー(=recovery)は、『回復』『取り戻すこと』『回収』の意味をもつ名詞です。動詞と名詞の違いだけなので、意味合いそのものは同じです。
そのため、『リカバー』は、『リカバーする』『リカバーできる』といった動詞的な使い方をし、『リカバリー』は、『リカバリー方法』『リカバリー手順』など、名詞的な使い方をするのが正しいといえます。
ただし、実際の現場では「リカバリーする」と言うこともある、臨機応変に解釈するようにしましょう。
リカバーの類語
リカバーは、『回復する』『取り戻す』という日本語で表現できますが、ほかにもこんな言葉に言い換えが可能です。
・体を休める
・休憩する
・静養する
・養生する など
・復旧させる
・名誉挽回
・埋め戻す
・挽回する など
[ビジネス版]リカバーの使い方・例文
会話をするうえで、『リカバー』が正しいのか、『リカバリー』のほうが適しているのか、判断に迷ってなかなか使えないという人もいるでしょう。そこで、よくある使い方の例文を用意しました。
『リカバリー』との置き換えを試したり、場面を想像したりしながらぜひ読んでみてください。
リカバーする
例文1は『体調をもとに戻す』、例文2は『データを復旧する』の意味で使われています。
リカバーできる
例文3は『遅れを取り戻せる』、例文4は『もとに戻せる』の意味で使われています。
【番外編】ビジネス以外のリカバーの使い方
リカバーは、ビジネスシーン以外でもこんな使い方があります。
スポーツにおけるリカバー
点数を競う競技においては、点を取られたあとに取り返す行為を指します。そのほか、ミスをしたり、悪い状況を回避できたりする場合にもリカバーを使います。
【野球の試合において】
■3回表で7点という大量リードを許してしまったが、9回裏でリカバーし、逆転勝ちすることができた。
【サッカーの試合において】
■シュートされたが、ゴールポストにあたったのでリカバーして攻め込んだ。
また、サッカー用語としては、相手にゴールされたあと、逆に攻めの体制に戻した状況を『リカバー』という言葉で表現します。
学校生活でのリカバー
学校生活では学業の成績というものがありますよね。成績は上がり続けるのが理想ですが、下がることもあります。
そして、下がった成績をもとのレベルに戻したり、上げたりすることをリカバーといいます。例としてはこんな使い方をします。
■1学期の期末テストでは順位が50番も下がったので、2学期の中間テストでリカバーするつもりだ。
■あと2回の試験でリカバーできないようなら、この高校の受験は諦めたほうがいいだろう。
リカバーする際は状況がさらに悪くならないよう注意しよう
壊れたものや経済的な損失をもとに戻すことは容易なことではありません。間違った方法で実行すれば、さらに悪い状況になってしまうかもしれません。そうならないよう、リカバーするために行動する際は細心の注意を払いましょう。
また、文面によっては『リカバリー』のほうが適している場合もあります。意味合いは同じですが、頭の中で言葉を組み立てて、上手に使いわけられるようになればカッコいいかもしれませんね。これを機にしっかり学び、自信をもって会話に登場させてみてください。