リードとは『見込み客』のこと
上司
新人
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『リード』という言葉を聞くと、「点数がリードしている」「一歩リードした」など、『先導』の意味を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
ビジネスシーンでも、何かを競っているときはこの意味で使うこともあるでしょう。しかし、多くの場合はマーケティング用語である『見込み客』を指しています。
ここでは『リード』の意味を正しく理解できるよう、分野ごとの意味や英語も含めてわかりやすく解説していきます。
リードの英語は『lead』
リードは英語で『lead』と表記し、細かく見るとここでは紹介しきれないほどたくさんの意味をもつ単語です。しかし、主には『先導する』『率いる』といったニュアンスになりますが、『先導』『指揮』など、名詞的な使い方をする場合もあります。
それでは、わかりやすい使い方についても少し紹介しておきますね。
・lead car(先導車)
・lead story(トップニュース)
・lead a child by the hand(子供の手を引く)
・play the lead(主役を演じる)
・lead a dismal life(暗い人生を送る) など
ビジネス・マーケティングにおけるリードの意味
英語のリード(=lead)はたくさんの意味をもつ単語で、その中に『糸口』『てがかり』があります。マーケティング用語のリードは、この『糸口』『手がかり』の意味合いから、『固定客の糸口となる客』⇒『見込み客』として使われるようになりました。
マーケティングでは『見込み客』のこと
ビジネスシーンでは、特に、BtoBビジネスにおいての見込み客情報を指します。BtoBとは、『企業間取引』を意味するビジネス用語で、企業と企業で取引することをいいます。これについては次の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
BtoBとは?B2Bと意味は同じ?BtoCとの違いや企業の例もわかりやすく解説
数え方は『1ロード』『2リード』
BtoBマーケティングの中では、1リード、2リードといった呼び方をしますが、企業単位ではなく、その企業内の担当者一人につき1リード(=1件)と数えます。
ただし、企業によって、マーケティング活動により獲得したリードに対してのみ使う場合もあれば、マーケティング活動と営業活動の両方で獲得したリードに対して使う場合もあるので覚えておきましょう。
また、リードはリードのままにしておいては意味がなく、きちんと顧客にしなければいけません。この『リード⇒顧客』に至るまでに3つの段階に分けられています。
リードジェネレーション
自社の商品やサービスに興味をもってくれるリード(見込み客)を獲得するために行う、展示会、イベント、Webサイトへの問い合わせに対する回答などの一連の活動を指す言葉です。
これらの活動をしている段階は、まだリード獲得の初期であり、確実に顧客になってくれると決まった状態ではありません。
リードナーチャリング
自社の商品やサービスを知った初期段階のリードから、有望なリードへと育成する過程をリードナーチャリングといいます。
『お客様だけに限定イベントのお知らせ』『このメールを受け取ったお客様だけのお得な情報』といった案内を出すのもリードナーチャリングにともなうアプローチの一つといえます。
リードクオリフィケーション
契約できる見込みがあるかないかを選別する工程をリードクオリフィケーションといいます。マーケティング部と営業部の仕事がきっちり分けられている企業では、この工程でリードを絞り込み、実際に顧客獲得に向けたアプローチをする営業部に情報を渡します。
リードジェネレーションにはオンラインとオフラインがある
リードを獲得する活動(リードジェネレーション)には、オンラインとオフラインがあります。ここではそれぞれについて解説しておきますね。
オンライン
オンラインとは、インターネット環境を利用するもので、その方法には、『SEO対策』『Web広告・リスティング広告』『DM』などがあります。
SEO対策
SEO(Search Engin Optimization)とは、検索エンジン最適化のこと。検索する際に使うキーワードで、情報を検索結果の上位に表示させる手法です。検索した人の目につきやすくし、自社に興味をもってくれる人を増やしていきます。
Web広告
Web広告とは、インターネット上に表示させる広告を指します。その中でも手軽なのはリスティング広告と呼ばれているもので、これは、ユーザーが検索したキーワードで表示されます。
DM
DMとは、主にEメールで配信されるダイレクトメールを指します。なんらかのサイトに会員登録していれば、そこを通じてメールが届くのが一般的です。
オフライン
オフラインとは、インターネットを介さない手法を指します。リード獲得方法としては、『展示会』『セミナー』『テレマーケティング』『DM(郵便)』などがあります。
展示会
工業機械、家電、精密機器など、さまざまな分野の企業が各展示会に出品し、自社商品を宣伝するといった方法です。展示会は、企業向けのものであれば、その場で名刺交換をした相手に直接アピールできます。また、自社商品に興味をもってくれた企業の人との会話を通して、ニーズを把握することにもつながります。
セミナー
セミナーは、開催場所に見込み客が直接足を運ぶので、自社商品やサービスに興味をもった人しか集まりません。そのため、この場でしっかりアピールできれば顧客になってくれる可能性が高くなります。しかし、まずは集客が必要なため、事前にWeb広告、DMでの宣伝が必要となります。
テレマーケティング
テレマーケティングとは、電話による宣伝です。対企業であれば、電話でアポをとって直接担当者に会う方法もあります。一般消費者向けの商品やサービスでは、資料送付のためのテレマーケティングが多いです。
DM(郵便)
郵便による宣伝なので、まず、見込み客となる人や企業の住所・氏名が必要です。たとえば、クレジットカードを所有している人であれば、そのカードの顧客情報から、カード会社が推奨するDMが郵送されます。
分野別にリードの意味をチェック
『リード』は、一般的にはマーケティング以外の意味で見聞きすることが多いと思います。ここでは、分野別のリードについて紹介していきます。
リードの意味①:音楽分野では「メイン」
特に、バンド活動をしている人はこのリードが頭に浮かぶでしょう。リードギターといえば、メインメロディを演奏する人、リードボーカルといえば、メインで歌う人を指します。
そのほか、管楽器の中で、クラリネット、サックス、オーボエといった木管楽器の吹き口に使用する部品もリードといいます。
リードの意味②:新聞では「長い記事だけにつく要約」
タイトルと本文の間に書かれている文を『リード文』といい、『リード』と略して呼ぶ場合も多いです。
新聞は字が細かく、内容によってはとても長い記事も少なくありません。そんな記事の場合、記事に書かれている大まかな内容を要約で紹介し、興味をもって本文を読んでもらえるようリードがつけられています。
リードの意味③:編集では「概要」
新聞分野の『要約』とほぼ同じ役割をしています。タイトル近辺に書かれており、リードを読むだけで全体の概要がつかめる内容になっています。
【ビジネス版】リードの使い方・例文
日常や音楽分野などでも『リード』は使いますが、ここではマーケティング、ビジネスでの例文を紹介します。
上司
先輩
例文1と2は『見込み客』、例文3は『要約』『概要』、例文4は『先導』の意味で使われています。
マーケティング部門のリードを最大限に活用しよう
ネット社会になっている現代では、情報収集や宣伝の方法も多種多様です。社内にマーケティング部門があるところでは、渡してくれるリードを大いに活用し、営業活動に役立てましょう。