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労働者の職業分類に登場する「グレーカラー」とは?意味、職業の例について解説

グレーカラーとは職業分類のひとつ

新人

部長、白髪が悪目立ちしてますよ。グレーカラーのダンディーなメンズに変身させてくれる美容師さんがいる美容院を紹介しましょうか?
それは助かるなぁ。ところで、グレーカラーはビジネス用語でもあるんだよ。

上司

新人

えーと、髪色に関係するビジネスマナーだったりして。

新人君、ハズレ~!

ビジネスでのグレーカラーは、ヘアカラーの用語ではなく、職業分類のひとつを意味する言葉になります。

白髪染めのグレーカラーとビジネス用語のグレーカラーは、カタカナの表記は同じですが、英語だとカラーのつづりが異なります。

白髪染めのカラーは「color(色)」であるのに対し、ビジネス用語のカラーは「collar(服のえり)」になります。もとの英単語が違うので、意味が変わってくるのも納得ですね。

グレーカラー(gray-collar)の意味とは?

ビジネス用語のグレーカラーは、英語表記すると「gray-collar」。直訳すると「灰色のえり」ですが、次のような意味で使うのが一般的です。

gray-collar
・修理や維持などの技術職につく労働者
・ホワイトカラーとブルーカラーの特徴をあわせもつ専門職
・きつい肉体労働はともなわない労働者階級

「灰色のえり」が、なぜ技術職や専門職という意味になるのか不思議ですよね。次の見出しでくわしくみていきましょう。

まずは確認!ホワイトカラーとブルーカラーの違い

グレーカラーを理解するためには、ホワイトカラーとブルーカラーというビジネス用語を知っておく必要があります。

ホワイトカラーは「頭脳労働者」

ホワイトカラーは「頭脳労働者」という意味。

頭脳労働者は、白いえりのワイシャツにネクタイで働くというイメージから生まれた言葉です。

一昔前の日本では、企業の幹部候補生などエリートをホワイトカラーと呼んでいました。しかし、現代のホワイトカラーの大半は中間層が占めています。

ブルーカラーは「肉体労働者」

ブルーカラーは「肉体労働者」を意味するビジネス用語。

肉体労働者は、汚れが目立たない青色の作業着を着用しているというイメージから作られた言葉です。

グレーカラーは頭脳労働・肉体労働の中間

グレーカラーは、ホワイトカラーとブルーカラーの中間の特徴をもつ職業を指すワードになります。

現代の企業では、ホワイトカラー、ブルーカラーとはっきり区別できる職業ばかりではなくなったために生まれた言葉です。

たとえば、営業職は、白いワイシャツで働いていても外回りで肉体を酷使する職業です。

このように、ホワイトカラーとブルーカラーのどちらともいえそう、もしくはどちらともいえない職業がグレーカラーです。

グレーカラーといわれる職業の具体例

グレーカラーは、ホワイトカラーとブルーカラーの中間的な職業。営業職がわかりやすい例ですが、他にはどのような職業があるのかみていきましょう。

①:頭脳労働・肉体労働の性質がある
・工場の生産管理者
・専門教育を受けたハイレベル技術者
・コンピューター関係の情報処理技術者
(※いずれも現場での作業を伴う場合)
②:頭脳労働・肉体労働での分類が難しい
・サービス業
・販売員
・保安職業従事者(警察官など)

職業区分の判断は、人によってばらつきがあります。そして、同じ職種でも、実際の仕事内容によっても変わってきます。

たとえば、ひと言で技術者といっても、オフィスでパソコンに向かう作業だけなのか、あちこちの現場を回ってサポートするのか、といった仕事内容によって区分が変わります。

明確な区分けではないものの、あなたや家族の仕事がホワイトカラー、ブルーカラー、グレーカラーのどれに該当するのか考えてみるとイメージがつかめるでしょう。

グレーカラーの使い方・例文

グレーカラーは、ホワイトカラーとブルーカラーだけでは、世の中の職業を分類するのが難しくなったために生まれた言葉です。

そのため、グレーカラーが登場するときには、ホワイトカラーやブルーカラーもセットで用いられるケースが珍しくありません。

グレーカラーの使い方を例文でイメージしてみましょう。

例文1

新人

大卒のグレーカラー化・ブルーカラー化が、進んでいるって聞いたんですけど、どういう意味ですか?
大学進学が珍しかった昔、大卒は、会社の経営幹部候補としてホワイトカラー職に就くのが一般的だったんだよ。でも、今はそうではないだろう?

上司

新人

なるほど。人数が増えてエリート枠に入りきらなくなった大卒社会人が、グレーカラー的職業やブルーカラーと呼ばれる職業に就職しているっていう意味だったんですね。
例文2

新人

昔の大卒サラリーマンはエリートだったんですね。僕の中には、グレーカラーの企業人のイメージしかないんですけど。
グレーカラー職の増加は、サラリーマンの仕事内容が多岐に及ぶようになったっていう理由もあるわね。

先輩

新人

確かに。今、サラリーマンっていわれて幹部候補生をイメージする人は、ほとんどいないですよね。

ほかにもまだある〇〇カラー

ここまでホワイトカラー、ブルーカラー、グレーカラーという3つのビジネス用語を紹介してきました。しかし、〇〇カラーはほかにもたくさんあります。

名称 意味
グリーンカラー 環境系の仕事をしている人。林業、水質改善などの自然事業、リサイクル事業、太陽光発電など。
シルバーカラー 高齢者向けサービスを提供する人。介護、老人ホーム、宅配サービス、医療サービスなど。
オレンジカラー 趣味でやっていることを仕事にする人。
ピンクカラー 女性の割合が多い職種。看護師、客室乗務員、秘書、図書館司書など。働く女性全般を意味する場合も。
ゴールドカラー 組織に依存せず、自分の能力でキャリアを作っていく知的労働者。会社に選ばれて働くのではなく、目的のために自ら会社を選択する人。
メタルカラー ハイレベルな技術職の人。AIを搭載している作業用ロボット。
ブラックカラー 裏社会で働く人。ブラック企業に勤める人。

このほか、レッドカラーという言葉が使われる場合もあります。これは「奴隷身分の人」という意味で差別的なニュアンスをもつ単語です。現代では、あまり歓迎されないワードなので注意しましょう。

ビジネス用語のグレーカラーは白髪染めのことじゃない

美容室でグレーカラーといったら白髪染めのこと。ブリーチでハイライトを入れると、いかにも染めましたという感じのブラックヘアにはならず、おしゃれな白髪染めができます。

でも、ビジネスでグレーカラーといったときには、労働者の職業分類のひとつです。熟練の技術職や専門職に就く人などをグレーカラーと呼びます。

ビジネスマンには、とても身近なワードですね。他の区分とあわせて知っておくと、ビジネス会話で登場したときにも困らないでしょう。