「時期尚早」は「まだ早い」
アイドルグループ、嵐のデビュー曲『A・RA・SHI』の冒頭では「じきそーそー…じきそーそー…」と歌っています。これは四文字熟語の「時期尚早」ではなく「Take it so so」。
「時期尚早(じきしょうそう)」は「まだ早い」という意味。「尚」には「まだ」という意味があり、「尚早」だけでも使うことができます。
「時期尚早」の順序・読み方
よくある間違いが「時期尚早」の「尚早」部分を「早尚」や「早々」として「じきそうしょう」や「じきそうそう」と読んでしまうこと。
嵐の曲は「時期尚早」ではありませんが、「じきそうそう」と聞こえるため、間違って覚えている人も少なくありません。嵐ファンもこれを機会に覚え直しておきましょう。
正しくは「時期尚早(じきしょうそう)」です。
「時期尚早」の使い方・例文
「時期尚早」の使い方を例文を通して確認していきましょう。
・その決定を下すのは時期尚早ではないでしょうか ・改善すべき点が多く、サービス開始は時期尚早といえる ・時期尚早ではありますが、今のうちに対策をしておいた方がいいかと
このように「時期尚早」はビジネスシーンでも大いに使えるフレーズ。「まだ早いと思うよ」と指摘したり、「まだ早いと思うけど…」と前置きしたりする際に使えます。
また、ネガティブな意味を含むわけではないので、目上の人をいさめる際に使用しても失礼には当たりません。
「時期尚早」の類語
「時期尚早」を言い換えるとどのような表現ができるでしょうか。いくつか紹介していきます。
・早計(そうけい) ・見切り発車(みきりはっしゃ) ・時機到来(じきとうらい) ・Take it so so (じきそーそー)
「早計」は「早まった考え」「軽はずみな考え」という意味。ネガティブな意味を含むので、使う際は注意が必要です。
・今の段階で方針を変えるのは早計ではないか ・早計な判断によって多くの被害者を出した ・バーゲンセールだからといってすぐに飛びつくのは早計だよ
「見切り発車」は情報がまだ不十分だったり、議論の余地があったりするのにかかわらず、物事を行ってしまうこと。乗客が乗りきらないうちに発車する電車に例えた表現です。
「時機到来」は「ちょうどいいタイミング」という意味で「時期尚早」とは逆のような意味です。「時機」と「時期」の漢字の違いに注意。
「Take it so so」は嵐のデビュー曲「A・RA・SHI」冒頭のラップ部分。「Take it easy(気楽にいこう)」に近いニュアンスだと考えられますが、ネイティブには伝わらないので使わないように。
「時期尚早」の英語表現
「時期尚早」を英語訳するには、ストレートに「too early」が使えます。
・It is too early to decide it ⇒それを決めるのはまだ早い(時期尚早だ)
「too early」を「premature」と一語で表すこともできます。
読みと順を間違えないで
ビジネスにおいてスピーディーさは何かと重視されますが、時間をかけて対処する必要があるケースも。「時期尚早」といわれないように状況を見て判断しましょう。
「時期尚早」は読みと漢字の順を間違いやすい四文字熟語。これを機会に正しく覚えておきたいですね。