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トップダウンの意味とは?ボトムアップ・ワンマンとの違いもわかりやすく解説

トップダウンとは『上司から部下に指示を出す』こと

先輩

うちの会社、トップダウンだけど、現場を知ってる人が多いせいか、やりにくさは感じないよね。
トップダウンってワンマンなイメージありましたけど、ぜんぜん違いますね。

新人

先輩

友達の会社はワンマンな社長だから、もう辞めたいって言ってたわ。

トップダウンとは、組織の上層部で決定したことを、下層の人たちに伝え、その指示に基づき行動する経営手法を意味する言葉です。

ワンマン経営と同じと考える人がいるかもしれませんが、厳密には異なります。今回はトップダウンのメリット・デメリットやワンマンとの違いも含めて解説するので、しっかり学んでいってください。

トップダウンの意味をチェック

トップダウンを日本語にすると『上意下達(じょういかたつ)』となります。字を見てもわかるように、上層部から下層部に決定事項を伝えることです。しかし、これだけでは仕組みがわかりにくいですよね。ここでは日本での組織を例にわかりやすく解説します。

日本のビジネスシーンにおけるトップダウンとは

企業の経営に携わるポジションにいる人たちが決定したことを、中間管理層を含めた下層の人達に伝え、その決定事項に基づき業務を遂行するシステムです。

上からの指示という形ですぐに実行に移すため、内容に間違いがあってはいけません。また、伝達するタイミングも重要です。

日本の大手企業の多くは、現代は中間管理層が主となって業務を取り仕切っています。そのため、どちらかというと現場との距離が近い中小企業ではトップダウン方式を採用しているところが多いです。

トップダウンの英語は『top-down』

トップダウンを英語で表すと『top-down』で、『上から下へ』の意味になります。

日本語でのトップダウンは、主に企業における指示の流れを表しますが、英語ではこんな意味でも使われます。

■IT分野において、上位のプログラムから始めて、徐々に下位のプログラムを構築していくこと。
■何かにアプローチしていく際、概略から入り、徐々に詳細なものに移っていくこと。

上から下へ、という意味の範囲で、さまざまなシーンで使われることがわかりますね。

トップダウン方式のメリット・デメリット

トップダウン方式がメリットだけなら、ほとんどの企業で取り入れているでしょう。しかし、デメリットもあるため採用しないところもあるわけです。それでは、トップダウン方式にはどんなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリット

代表的なメリットとしては、次の二つがあげられます。

仕事がスムーズに進む

トップですでに意思決定が行われたうえで仕事を進めるため、「これで進めていいですか?」と確認する時間が省略されます。それにより、全体の業務がスムーズに流れます。

急に市場が変化したり、イレギュラーな事態が発生した場合でも、トップからの迅速な指示で動けるため、損失をおさえることが可能です。

社内全体で一体感が生まれる

トップで決定した内容を下へ指示して動くため、上層部と下層部で意識を統一することができます。また、トップと実際に業務を行う現場で信頼関係を築けていれば、会社全体としても一体感が生まれます。

デメリット

代表的なデメリットとしては、次の二つがあげられます。

指示がないと動けない人が増える

トップダウン方式で成功していると、「上から指示があるでしょ」「こっちで考えなくても上で考えてきてくれるでしょ」など、指示がないと動けない従業員が増える可能性があります。

こういった考えをするクセがついていると、不測の事態へ対応する力が育たないため、迅速に対応すべき案件が滞る可能性も高くなります。

現場の問題点が共有されにくい

経営面でも問題はトップで把握することですが、現場での問題点は、現場が報告しなければトップには伝わりません

トップダウン方式でも、常にトップの人が現場を巡回していればクレームなどの問題が起こっていても把握できるでしょう。

しかし、そうでない場合は、問題が起こった場合の対処法をマニュアル化しておかなければ、トップとの情報共有がされにくい傾向にあります。

トップダウンの対義語はボトムアップ

ボトムアップとは、下層部で意思決定されたことがトップに伝えられ、それを協議して最終決定を下すという経営方式。『ボトムアップ方式』とも呼ばれています。

現場から上に伝えるため、上層部には見えない部分を把握しやすいことが特徴です。また、下の意見をトップに伝えることで、コミュニケーションがとりやすいといったメリットもあります。

なお、ボトムアップについては次の記事でもわかりやすく解説しています。
ボトムアップの意味とは?トップダウンとの違いは?使い方や反対語も解説

トップダウンとワンマン経営の違い

ワンマン経営とは、一人の経営者が周りの人の意見に耳を貸さず、独自の判断で経営を行うことをいいます。

それに対し、トップダウンでは、上層組織としての意見をまとめます。筋の通った正しい判断を下すので、一人だけの意見を通すワンマンとは違いがあります。

ただし、小さい企業で、判断を下すのが社長一人であっても、現場の声を取り入れた判断であれば、トップダウンになります。

新しい方式『ミドルアップダウン』とは?

昔は『トップダウン』と『ボトムアップ』が主流でしたが、現代のビジネスシーンでは『ミドルアップダウン』という経営方式も生まれています。

これは、中間管理職が存在する、比較的人数の多い企業でよく取り入れられている方式です。

現場の意見をミドル層が取りまとめ、上層部にわかりやすく伝えます。また、上層部の意見を現場の人が理解できるようわかりやすく説明するという役目も果たすことになります。

ミドルアップダウン方式では、ミドル層の働きが重要となっていますが、うまく作用すれば企業が一体化しやすいです。

[ビジネス版]トップダウンの使い方・例文

『トップダウン』はどんな場面で、どんな感じで使われるのでしょうか。例文を使ってチェックしておきましょう。

例文1

うちの会社はトップダウン方式だっていってるけど、あんな勝手な指示しか下りてこないんならワンマン経営だよね。
例文2
迅速に行動できると思ってトップダウンで経営していたが、いまいち従業員の積極性が育ってこないみたいだね。思い切ってボトムアップに変えてみるのはどうだろうか?
例文3

A社の経営破綻で市場が大きく変化しましたけど、トップダウンで迅速に指示が下りてきたおかげで素早い対応ができたみたいですね。

トップダウンのメリットを存分に生かした仕事をしよう

トップダウンには、迅速に業務を遂行できるという大きなメリットがあります。デメリットが目立ってこないよう十分に注意し、良い面を存分に生かして仕事をしていってください。