「殺伐」とは「ピリついた」様子
「殺伐(さつばつ)」…危ない字面ですよね。「殺伐」は「ピリついた」様子を表す言葉。
「殺」はいうまでもありませんが、「伐」も「敵を討つ」という危険な意味を持っています。とはいえ、実際にそのようなことが行われる様を表しているのかといえば、そうとも限りません。
多くはそんな物騒な事態になってもおかしくないような様子のことをオーバーに例えて「殺伐」を使います。
「殺伐」の使い方・例文
「殺伐」の使い方を例文で確かめていきましょう。
・殺伐とした国際情勢の報道を見てため息をつく ・意見の衝突によりチーム内の雰囲気が殺伐としてきた ・殺伐とした空気が和らいだのは部長がお菓子を差し入れしてくれたから
「殺伐とした国際情勢」に関しては戦争や内戦など、文字通り命のやりとりが起こりえる事態ではありますが、「意見の衝突」くらいでそうなっては命がいくつあっても足りません。
ここでいう「殺伐とした雰囲気」はあくまで例え。意見の折り合いがつかず、ピリピリした雰囲気になっていることを表しています。本当に命を奪うような事態であれば、部長のお菓子くらいでは収まらないでしょう。
このようにちょっとしたピリついた様子にも「殺伐」は使うことができます。
「殺伐」を使う際の注意点
「殺伐」は「忌み言葉」であるため、冠婚葬祭では使用することはできません。「忌み言葉」とは不吉なことを連想させるため使うことを避けるべきとされている言葉のこと。
結婚式や葬式によっては「殺伐」という言葉がピッタリ!と思うことがあるかもしれません。思うだけで決して口にしないように。
「殺伐」の類語
「殺伐」の類語にはどのようなものがあるでしょうか。「物騒(ぶっそう)」も言い換え表現といえます。その他の表現も見ていきましょう。
・不穏(ふおん) ・殺気立った(さっきだった) ・刺々しい(とげとげしい)など
どれも危険な感じのする字面ですね…「殺伐」と同じように嫌な感じのする様をオーバーに例えて使用できます。
・お互いへの不信感から不穏な空気が漂う ・さっきまでの殺気立った雰囲気が嘘のように2人で笑いあっている ・刺々しい口調が部内の雰囲気を悪くする
「殺伐」の英語表現
「殺伐とした雰囲気」を直訳すると「savage atmosphere」になりますが、これだと文字通りの暴力的な意味になってしまいます。誤解を生む可能性が大なので、「cold (冷たい態度)」あたりを使うのが無難かと。
・They were really cold to me ⇒彼らは私に冷たい態度をとった(殺伐としていた)
なるべく避けたい「殺伐」
「殺伐」はオーバーに例えた表現であることが多いですが、そういうことが積もりに積もって文字通りの自体に…なんてこともないとはいえないので、なるべく避けたいですよね。
とはいえ、ビジネスでは仲良くしてばかりもいられないので「殺伐」とした雰囲気になってしまうことも。そんな雰囲気をよくするのも優れたビジネスパーソンの役割なのかもしれません。