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保育士資格は国家資格
保育園や児童福祉施設で働いている保育士さん。認可施設などで働いている正社員の方は皆保育士資格を取得しているプロの人達です。保育士は看護師や、行政書士などと同じ国家資格といわれる国から認められた資格を取得し、保育士登録を済ませた人だけが名乗れる職業なんです。
実は、保育士が国家資格になったのはつい最近のこと。平成13年児童福祉法が改正され、保育士の資格が法制化され国家資格となりました。国家資格になる前は、「任用資格」といわれていて国からではなく、職場や機関の長から任命されてなることのできる資格という位置づけでした。国家資格に変わったことで、より一層子どもの命を守る保育のプロとしての責任感や社会的役割も強くなったのです。
国家資格というと、資格をとるのにもすごく大変そうなイメージですよね。保育士資格はどうやって取得できるのか、今回は保育士資格について学んでみましょう。
保育士資格取得方法は二つ
保育士資格を取得するには、二つのルートがあります。
- 保育士養成校に通う
- 保育士試験を受ける
保育士養成校に通う
保育士資格を取得するためには、厚生労働省指定の保育士養成に通う方法があります。保育士養成学校で単位を取得できれば卒業と同時に保育士資格が与えられます。
保育士養成校は、4年制大学の保育科・短期大学の保育科・保育専門学校などがあります。各学校は、それぞれ入学までの過程や資格を取得するまでの年数・カリキュラムなどに違いがあり、自分の性格や環境、目的に合わせて学校選びをしていく必要があるでしょう。
下記に各学校の特徴をまとめました。
四年制大学 | 短期大学 | 専門学校 | |
就業年数 | 4年 | 2年 | 2~3年 |
取得できる資格 | 保育士/幼稚園教諭/小学校教諭 | 保育士/幼稚園教諭 | 保育士/幼稚園教諭 |
保育就職率 | 〇 | ◎ | ◎ |
一般職就職率 | ◎ | 〇 | △ |
入学難易度 | △ | 〇 | ◎ |
カリキュラム充実度 | 〇 | ◎ | ◎ |
四年制大学
四年制大学で保育士資格を取るには、大学の中の保育士養成学科の児童教育学部や子ども教育学部などに入学します。入試は他学科の受験方法を同じように大学入試をするので、難易度は高めです。
4年間ゆっくりと時間をかけて学ぶことができるので時間にもゆとりがあり、在学中には短期留学などで海外の保育や福祉について学ぶことも可能。専攻する学部によっては、保育士資格だけでなく、小学校教諭免許の取得を目指すことも出来ますので、将来の進路にまだ悩んでいる方などにもおすすめです。
専門的な学校ではない分、実習や技能演習などのカリキュラムはやや劣る場合も。保育系の就職率も短大や専門学校よりは低い傾向にありますが、その代わりに一般職の就職率は群を抜いています。
短期大学
短期大学は、2年間の修業期間で保育士資格を目指します。通学が短期間の為カリキュラムもグッとつまっていて4年制大学より一日のコマ数が多め。忙しい学生生活ですが、その分早く資格をとって社会に出ることが出来ます。学費も4年制大学よりは安いので経済的に考えて短期大学を選択する人もいるようです。
短期大学は、幼稚園が併設されていたり、保育士資格取得のための実習が充実しているというメリットも。保育系就職率も良く、幼稚園教諭免許が一緒にとれる学校も多いので、幼稚園の先生を目指している人も沢山います。ただし、短期大学の保育科は女子短大に多い傾向があるので、男性で保育士を目指したい方は学校選びも慎重によく調べておきましょう。
専門学校
四年制大学や短期大学よりも、さらに専門的な知識技術を取得して保育士になりたい!という強い志がある人におすすめなのが専門学校です。専門学校は、その名の通り保育士の資格の為にひたすら勉強していくところなので、カリキュラムや実習内容、技術指導などが充実。学校によっては幼稚園、保育園を運営しているところもあるので現場力が磨けるというメリットもあります。
保育系就職率100%の学校も多く就職先には困ることがないように思えますが、一般企業への就職率はとても低いというデメリットも。在学中に人生プランを変えたいという人にはあまりおすすめできません。
学校によっては夜間コースも設立している場合があるので、仕事をしながら勉強することも可能です。
保育の専門学校についてもっと知りたい人はこちらもCHECK!
保育士を目指して専門学校へ│専門ならではのメリットや学費を大調査
保育士試験を受ける
保育士試験とは、保育士資格を取得するための国家試験。年に二回(前期・後期)実施されていて、筆記試験と実技試験に合格した方が保育士試験を取得することができます。
保育士試験の合格率はおよそ20%となかなかの難易度。養成校に通って資格をとるのとは異なり、全て自分の責任で学んでいく必要があるので最後まであきらめず努力し続けることの出来る人に向いている方法です。
保育士試験を受けるための勉強法
保育士試験を受けるためには、大きく分けて二つの方法があります。
- 独学で勉強する
- 通信講座を利用して勉強する
①独学で勉強する
保育士試験を全て独学で勉強することも可能!独自の勉強法で、勉強期間2,3か月で合格したという人もいるようです。独学で勉強する一番のメリットは、なんといっても学費の安さ。必要な参考書や問題集を揃えるだけで良いので、専門学校や大学とは雲泥の差です。自分の好きな時間に自分のペースで学ぶことができるので独学で資格取得を目指す人の中には主婦や社会人もたくさんいます。
保育士試験は、筆記試験9科目+実技試験と、出題範囲が多いので計画的に勉強する必要があります。ある程度ピアノや実技に自信がある人・きちんと勉強の計画が立てられる人・就職よりも資格取得だけをまずは目標にしたいという人には独学での勉強法をおすすめします。
②通信講座を利用して勉強する
独学で勉強するのは不安だという人は、通信講座を受講して勉強するのが良いでしょう。保育士試験対応の通信講座は、ユーキャンやニチイなどの通信教育会社や、三幸保育カレッジのような保育士専門の通信講座を取り扱っているところがあります。通信講座の種類によって、受講期間(最短学習期間)や、金額、サポート内容などが異なるのでいくつか資料請求などをして自分に合った講座を選ぶようにしましょう。通信教育の金額はおよそ3万円~6万円程が相場です。
保育士試験の受験資格
保育士試験には、受験資格があり、誰でも受けることが出来るわけではありません。受験資格はご自身の最終学歴や職務経験などによって条件が異なるので、一度確認しておくと良いでしょう。場合によっては、試験を受ける前に受験資格認定の手続きが必要になり資格認定までに時間を要することもあります。試験に間に合わなかった!ということのないよう、早め早めに行動するようにしましょう。
最終学歴別主な受験資格
- 大学・短大卒・・・学校教育法に基づいた大学や短大を卒業。保育士とは関係ない学科・学部でもOK
- 専門卒・・・学校教育法に基づいた専門学校で、2年以上の専修課程の科を卒業した者。
- 高校卒・・・平成3年(1991年)の3月31日以前に高校卒業した者(その他例外あり)
- 中卒・・・児童福祉施設で5年以上かつ7200時間以上の児童等の保護又は援護に従事した実務経験のある方
試験の流れ
保育士試験は前期試験・後期試験と一年に2回実施されています。
前期、後期どちらも書類申請から試験までは下記のような流れで行われます。
前期筆記試験:4月
後期筆記試験:10月
前期実技試験:6月
後期実技試験:12月
合格後には保育士登録が必要
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見事保育士試験に合格!! 夢に見ていた保育士になれたのだからすぐにでも働きたいですよね。でもちょっと注意が必要!保育士試験に合格した通知書が保育士の免許証というわけではないのです。保育士試験の合格通知書を用いて、「保育士登録機関 登録事務処理センター」にて保育士登録の手続きを行う必要があるんですよ。事務処理センターで登録が完了した時点で初めて「保育士」と名乗れるようになるんです。
登録を申請してから完了までは約2か月程かかってしまいますが、申請中も就職活動は可能。就活中は、登録申請中という旨を先方にしっかりと伝えておきましょう。
保育士資格がないと保育園で働けないの?
これまで、保育士資格や取得方法などについてお伝えしてきましたが、資格がないけど保育施設で働きたい!という人もいるでしょう。保育士資格がないと保育園で働くことはできないのでしょうか?。
実は保育士資格がないと、保育士と名乗ることはできませんが保育補助として働くことは可能なんです。
保育士資格がない方はもちろん保育士ではないので保育士と名乗ることは出来ませんよね。しかし、子育て経験者や保育士を目指している学生さんなどはアルバイトやパート勤務の保育補助として働くことは出来ます。これはあくまでも保育の補助という役割なので、認可保育所の正社員などにはなれませんが、認可外保育園のスタッフや公立の保育園などでも短時間パートの求人があります。
自分のライフスタイルに合った方法で保育士資格取得を目指そう!
保育士資格は養成学校に通ったり、保育士試験を受験して取得することが出来ます。ご自身の生活環境や予算、時間の使い方によって勉強法や取得方法を変え、素敵な保育士さん目指して頑張って下さいね。