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保育士として働くためには国家資格である「保育士資格」が必要です。保育士資格の取得方法は、2つのパターンがあります。
- 厚生労働大臣の指定する保育士養成学校(大学や専門学校)を卒業する
- 保育士試験に合格する
①厚生労働大臣の指定する保育士養成学校(大学や専門学校)を卒業する
学校で保育の知識・技術を学び、単位取得後卒業と同時に保育士資格が取得できる「保育士養成学校」は、全国の大学や専門学校の中で厚生労働大臣から指定された特定の学校です。
高校卒業後の進路として選ぶ学生さんの他、夜間学校などには社会人学生さんや年配の方も多く通っています。
②保育士試験に合格する
保育士試験は保育士資格学校の養成過程を終了しなくても、保育士試験に合格すれば保育士の資格を取得することができます。
保育士試験は仕事や子育てをしながらでも資格取得が可能な上、自分のペースで勉強や受験までのスケジュールが組み立てられるというメリットもあります。最近はこの保育士試験を受験して資格取得を目指す人が増えており、保育士試験を目指すための通信教育講座も沢山あるんですよ。
養成学校へ行くよりも簡単に資格が取れそう!と思う人もいるかと思いますが、実は保育士試験の合格率はあまり高くなく、誰でもすぐに合格できるわけではありません。
本記事では、保育士試験の合格率に焦点をあてて難関保育士試験を突破するポイントを探ってみましょう!
過去5年の保育士試験合格率
試験実施年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
平成30年度 | 68,388 | 13,500 | 19.7% |
平成29年度 | 62,555 | 13,511 | 21.6% |
平成28年度 | 70,710 | 18,229 | 25.8 |
平成27年度 | 46,487 | 10,578 | 22.8% |
平成26年度 | 51,257 | 9,894 | 19.3% |
上の表は過去五年間の保育士試験における筆記試験・実技試験ともに合格した人の数です。保育士試験は出題範囲は同じで出題傾向や問題の難易度はその年によって異なるので合格率にも若干の変動が見られます。平成28年度は比較的分かりやすい問題が多かったのか、合格率が25%と高めでしたが、それ以外の年をみると保育士試験合格率は20%前後ということが分かりますね。
国家試験の中で合格率20%の試験というのは難易度は中度程度。超難関レベルというわけではありませんが誰でも簡単に合格できるわけではないという難易度です。受験する際にはしっかりと勉強して試験対策を徹底する必要があります。
保育士試験の合格率はなぜ低い?
保育士試験はなぜ合格率が高くないのでしょうか?保育試験には一般常識よりも専門知識が重要ですので、常識がある人・頭のよい人が受かるわけではないのです。
保育士筆記試験は9科目もある!
保育士試験は筆記試験と実技試験があり、最初の筆記試験が一番の試練。筆記試験は二日間に分けて行われますが、試験科目がなんと9科目もあるんです!9科目全てが保育士にとって重要な保育の専門知識が問われる問題です。
保育士筆記試験出題科目と主な内容
・保育原理・・・「保育原理」「乳児保育Ⅰ」「乳児保育Ⅱ」「障害児保育」「子育て支援」
・子ども家庭福祉※1・・・「子ども家庭福祉」及び「子ども家庭支援論」
・社会福祉・・・「社会福祉」社会福祉の意義と歴史的変遷・社会福祉の制度と実施体系 他
・教育原理・・・教育の意義、目的及び子ども家庭福祉等との関連性 他
・社会的養護・・・「社会的養護Ⅰ」及び「社会的養護Ⅱ」
・子どもの保健・・・「子どもの保健」及び「子どもの健康と安全」
・子どもの食と栄養・・・子どもの健康と食生活の意義、栄養に関する基本的知識 他
・保育実習理論・・・「保育内容の理解と方法」「保育内容総論」「保育内容演習」「保育実習Ⅰ」他
※1 令和2年度からの新科目。令和元年までは児童家庭福祉という科目名
試験科目をみるだけでは各科目が同じような内容に感じる方もいると思いますが、保育や教育に関する歴史的背景から、栄養学、実践分野まで覚える範囲は盛りだくさんです。
意外?!実技試験合格率は80%越え!
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過去の保育士実技試験の合格率
試験実施年度 | 平成23年 | 平成24年 | 平成25年 | 平成26年 | 平成27年 |
実技合格率 | 84.7% | 86.1% | 89.3% | 88.7% | 89.1% |
上の表は平成23年から27年までに行われた保育士試験の実技試験のみの合格率。合格率は全ての年で80%以上をキープしており、筆記試験に合格した方のほとんどが実技試験をクリア出来ていることが分かります。
保育士試験の実技試験は「音楽表現に関する技術」「造形表現に関する技術」「言語表現に関する技術」の3分野から2つ選択して試験を受けます。ピアノが得意な人は音楽、読み聞かせやお話をするのが得意な人は言語表現を選択するなど、自分の得意分野で勝負できることから合格率も高くなるようです。
保育士試験に合格するための攻略ポイント
合格率20%の保育士試験に合格するためにはどのようなことに気を付けて勉強したら良いか、試験の攻略ポイントを押さえておきましょう。
筆記試験の合格科目は3年間有効
保育士試験の筆記試験は、合格した科目には有効期限があります。一教科ごとに合格した年を含めて3年間が合格有効期間となります。
合格科目免除期間を適用した合格プラン例
※合格した2科目は令和2年、令和3年度の保育士試験で免除期間が有効となる
※この年に合格した4科目は、令和3年、令和4年度の保育士試験が免除有効となる。
長期スパンで計画的な勉強スケジュールを
保育士試験は科目も多く、独自に勉強するのではとても本年度中の合格に間に合わないという場合もあるでしょう。合格までの時間余裕を持てる人は、合格したい科目を絞ってその科目に勉強時間を費やすという方法もありです。各科目の合格有効期間は3年間。それ以上は一度合格した科目も無効となってしまいますので、できれば3年間で実技試験まで合格できるプランを練ると良いでしょう。
短期で挑戦するなら通信講座が有効的
保育士資格をなるべく短期間で取得したい人は、短期集中型で一発合格を目指しましょう!保育士試験は独学でも勉強出来ますが、短期間で臨むなら試験のポイントを押さえた通信講座を受講するのがおすすめです。
保育士資格取得の通信講座は自分のペースで自宅で行うものと、通信と通学を併用させているプランなどもあります。
通信講座は費用が安く抑えられ、仕事をしながらでも資格取得を目指せるというメリットも。自分にはどんな勉強方法が合っているのかを良く考えて試験までの計画をたてましょう。
試験対策をしっかりと行い合格率20%の中に入ろう!
保育士試験は誰でも簡単に合格できる試験ではありません。20%という合格率でも計画的に勉強スケジュールを立てて試験に臨めば花は開くはずです。まずは第一関門の筆記試験から。夢の保育士を目指して頑張ってくださいね!