シビアとは『とても過酷なさま』のこと!
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こちらの会話のように、ビジネスシーンにおいては過酷な状況に遭遇したときによく使われる『シビア』。しかし、日常会話の中で「シビアな人」「シビアなコメント」という形で『シビア』が登場することもありますよね。この使い方はあっているのでしょうか?
こちらの記事では、日本語として広く知られている『シビア』の正しい意味や使い方を解説。また、関連語や類語もわかりやすくまとめているので、あわせてチェックしておきましょう。
シビアの意味・語源をチェック!
「シビアって、過酷とか厳しいって意味だよな」となんとなく使っている人もいたのではないでしょうか。まずは言葉の意味を明確にし、英語でも同じ意味で使えるのか確認しておきましょう。
シビアの日本語の意味は?
シビアは『とても過酷なさま』を表す言葉ですが、語源は『深刻な』を意味するラテン。、日本語としてはほかにこんな意味で使われています。
■深刻な
■厳しい
■容赦のない
■手厳しい
会話の中では『シビアな〇〇』といった感じで、〇〇の部分には条件や人などの名詞が入るのが一般的です。
シビアの英語は『severe』
シビアは英語で『severe』と書きます。次の意味をもつ単語として使われています。
■厳しい
■厳格な
■深刻な
■容赦のない
■質素な
■簡素な
■厳守する など
そして、熟語では次のような使い方をします。
■severe accident(重大事故)
■severe air pollution(ひどい大気汚染)
■severe allergy(重度のアレルギー)
■severe heat(酷暑)
■severe storm(大嵐) など
このように、状況や様子が厳しかったり、深刻だったりするときに使える単語が『severe』です。日本語の意味と大きく変わりありません。
[ビジネス版]シビアの使い方・例文
シビアの意味はもう理解できたことでしょう。でも、実際の会話になると「これで大丈夫かな?」と不安になる人がいるかもしれません。そこで、シビアの例文をいくつか用意したので、実際の場面を想像しながら読んでみてください。
シビアの関連語は?
シビアには関連するカタカナ用語がいくつかあります。『シビア◯◯』といった形で使う言葉があるのです。ここでは広く知られている言葉をピックアップして解説します。
シビアコンディション
シビアコンディションとは、直訳すると「厳しい状態」となります。この言葉は、車に関する話題で登場します。一般的な車の使い方とくらべて、車にとって厳しい状態になるときに用いられる言葉です。
車で走る場合、その多くはきちんとアスファルトで整備された道路を走行しますよね。しかし、場合によっては『デコボコ道』『砂利が多い道』『舗装されていない道路』『雪道』など、車にとって厳しい条件になることがあります。このような状態が『シビアコンディション』です。
そのほか、年間走行距離が2万km以上など走行距離が長い場合なども、車に負担がかかるため、シビアコンディションに含めることができます。
シビアトロピカルサイクロン
シビアトロピカルサイクロンとは、オーストラリア周辺で発生する、最大風速が64ノット以上の熱帯低気圧のことをいいます。
ちなみに、34~64ノットの場合をトロピカルサイクロンといいます。これがシビア(過酷)な状態になったものが、シビアトロピカルサイクロンということになります。なんだかすごそうなネーミングですよね。
なお、日本の台風は、風速20mを超えると電車が止まるほどですが、これが約41ノットです。強い台風と言われているのが風速32.7mで、64ノットとなります。そうすると、シビアトロピカルサイクロンがどの程度の強さか想像できましたか?
シビアの類語・対義語は?
シビアの対義語を挙げるとすれば、カタカナ用語では『だらしないさま』『ズボラなさま』という意味の『ルーズ』が該当します。『シビアな人』といえば厳しい人ですが、『ルーズな人』といえばだらしない人という意味になります。
また、シビアには『過酷な』『深刻な』『厳しい』『容赦のない』『手厳しい』の意味があると前述しましたが、ほかにもこんな言い換えをすることができます。
・痛烈
・甘くない
・喧噪 など
シビアと似た言葉には、『シリアス』や『ケチ』もあります。この2つの言葉との違いを解説しますね。
シビアとシリアスとの違い
シリアスは、『とてもマジメで真剣なさま』の意味で使われることが多いです。もう一つ、『事態などが深刻なさま』という意味もあります。
使い方としては、『会社がシビアな状況に追い込まれ、多くの社員がシリアスな顔で話をしている』といった感じになります。シビアな状況に陥ると、シリアスな雰囲気になるものですよね。シビアは『置かれている状況』を表す言葉で、シリアスは『雰囲気』を表す言葉だと考えるとわかりやすいです。
シビアとケチとの違い
『お金にシビア』と『ケチ』は、ニュアンスがとても似ています。しかし、ケチには『むやみやたらと金品を惜しむ』という意味があり、必要なところ、お金を使うべきところでも出費を惜しむイメージです。
一方、金銭面での『シビア』は『厳しい』の意味に由来していることから、ケチとは違い、必要なところでは惜しんだりはしません。『むやみやたらと惜しむ』のがケチ、『不要なところだけ惜しむ』のがシビアと覚えておきましょう。
[番外編]若者の間での『シビア』は違う意味がある?!
本来、シビアは『とても深刻な様子』『とても過酷な状況』を表すカタカナ用語です。しかし、若い人の間では、日常的なちょっとした『ヤバい』『気まずい』という状況シビアを使うことがあるようです。
また、シビアの意味を調べていると『シビあこ』という言葉を目にします。略語であることは想像できるでしょうが、『シビ』の部分に『シビア』の意味はありません。『シビれる』と『あこがれる』を合体させた言葉で、若い人の間で使われることが増えています。シビアとは関係がありませんが、覚えておくと若者との会話で役立つ日がくるかもしれません。
職場や企業の状況がシビアになっても立ち向かえる人になろう!
いつも平和で安心して働ける環境は、たいていの人が望んでいるもの。しかし、シビアな状況下に置かれる可能性がないとも言い切れません。
自分だけの力ではどうにもならない場合もありますが、沈み込んでしまっても解決にはつながりません。「どうすればこのシビアな状況を脱することができるか」と、前向きに立ち向かっていける人になりましょう!